冬の養生には「葛粉」!乳なしで作る葛ホワイトソースのあんかけ|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 冬の養生には「葛粉」!乳なしで作る葛ホワイトソースのあんかけ|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-01-22

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさん、おはようございます。年のうちでもっとも寒い「大寒」を迎え、朝晩はとても冷えますね。空気も乾燥しています。今一段と暖かくして、保湿も心がけながら、心身の状態にいつもより繊細に気を配って過ごしていきましょう。大寒で二十四節気はひとまわりし、次はいちばん初めの「立春」へと戻ります。ひとつのサイクルの締めを飾る、大切な時期でもありますね。

今日ご紹介するのは、大寒を乗り切るための、台所の必需品。風邪の引き始めなどに飲まれる葛根湯の原料でもある「葛(くず)」を使った一品です。まめ科の多年草で、根っこの部分を加工してできたものが「葛粉」として売られています。葛もちや葛きりなどの美味しい和菓子となったり、あるいは胡麻豆腐の原材料としても使われていて、いずれもぷるん、つるん、とした独特の食感や舌触りが特徴ですね。

葛は昔昔から滋養のために人々の生活に取り入れられてきました。葛の根から抽出されるカッコンエキスは保湿作用があり、血行を良くします。葛湯を飲めば、たちまち暑いほどぽかぽかになります。体の芯から温まりたい冬にはもってこいの食材です。さらに肌の炎症をおさえたり、くすみを解消してくれるという一面も。イソフラボンやサポニンも豊富で、体内のさまざまな老化現象を抑えるはたらきをしてくれます。葛由来の乳酸菌にも注目が集まっているそうですよ。

台所に葛粉を常備しておけば、さまざまな場面で活躍してくれます。例えば、あんかけのとろみづけ。あんかけ料理って、たまに無性に食べたくなりませんか?とろみづけに片栗粉を使う方も多いと思いますが、実は食材の陰陽でいうと、片栗粉の原料となるじゃがいもは体を冷やす陰性。火照った体をクールダウンさせたい夏にはぴったりですが、寒い冬では逆に体をよけいに寒くしてしまいます。そこで冬のあんかけ料理に、葛の出番。葛は体を温める陽性のはたらきをするので、体を冷やしたくない冬にぴったりです。

今日作ってみたのは、乳製品を使わないキャベツとマッシュルームと牡蠣の葛ホワイトソースあんかけ。少量の水でキャベツ、マッシュルーム、牡蠣を蒸し、しみ出たスープを別の容器へ移します。【野菜ブイヨンパウダー、ニュートリショナルイースト、酒粕、葛粉】にスープを注ぎ入れ、よく溶きあわせていきます。そちらを最後に具材にかけ、かるく混ぜあわせたらできあがり。キャベツの甘みやキノコ、牡蠣によくマッチした、ほんのりとろみがかった美味しいソースになりますが、他にも色々な食材に合います。芯から冷えた日にも、もちろんオススメ。おうちにあるものや、お好きな具材を使って作ってみてくださいね。季節に合わせてとろみづけの材料を変えてみる習慣をつけてあげれば、体の調子も変わっていくと思います。片栗粉の隣にぜひ、葛粉を常備してみてください。

ふだんの飲み物としても、葛は大活躍。いちばんおすすめなのは葛湯です。冬は特に温めながら体の中をきれいにしてくれる食材を積極的にとりたいので、梅干し×醤油×葛の組み合わせでできる「梅醤くず湯」は自然の養生法としても最適。同じく陽性のすり生姜も加えれば、向かうところ敵なし、の飲み物のできあがりです。梅醤くず湯を始めとしたおうちでできる体のデトックス法(お手当て法)も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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