高血圧の人は要注意!意外と知らない血圧をどんどん上げてしまうNG食材とは?管理栄養士が解説

 高血圧の人は要注意!意外と知らない血圧をどんどん上げてしまうNG食材とは?管理栄養士が解説
中村友也
中村友也
2025-02-09

生活習慣病を原因とした死亡の大きな原因となっている高血圧。 今や20歳以上の日本人の2人に1人が高血圧と言われるほど、国民的な疾患となっています。 そんな高血圧ですが、普段の食生活を意識することで管理することができることを知っていますか? この記事では、血圧を上げてしまう原因や、意外と知らない血圧を上げる食材をついて紹介します。血圧をコントロールするための食事のポイントにも触れながら解説していきますのでぜひご覧ください。

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高血圧とはどういう疾患?

高血圧とは、繰り返し測定しても正常よりも血圧が高い状態をいいます。高血圧は、診察室で測定した血圧が、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または、拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の場合に診断されます。(家庭で測定した場合は、それぞれ5mmHgずつ低い血圧が診断基準)

血圧は、心臓から排出される血液量や、血管での抵抗などによって変化し、高い状態が続くと、循環器疾患のリスクが高くなると言われています。また、高血圧には主に2つの種類があり、甲状腺や副腎などの病気からくる二次性高血圧と、原因の特定ができない本態性高血圧に分けられます。

日本人の高血圧の大部分は本態性高血圧であり、主な原因は食塩の過剰摂取やストレス、肥満、運動不足などです。

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高血圧と食生活の関連

高血圧の原因の一つに塩分の過剰摂取があるため、普段の食生活は高血圧の発症に影響を与えると言えます。また、肥満になることでも高血圧のリスクが上がるため、食生活を見直すことは高血圧の発症・重症化予防に効果を発揮します。

血圧を上げる意外な食材

血圧を上げる主な原因である塩分ですが、塩辛い食べ物にのみ含まれているわけではありません。

意外と塩分を多く含んでいる食品をはじめ、血圧を上げる可能性のある食品について紹介します。

練り物

ちくわやはんぺんなどの練り物には、意外と多くの塩分が入っています。練り物は、魚のすり身などを固めて作る食品ですが、このすり身を練り物の形に固める際に塩分が必要です。練り物には加工の段階で塩分が必要なため、どの商品を選んでも、塩分量を大きく減らすことはできません。

また、塩分が入っているわりには、食品に塩を振る場合などと比較して味が薄く感じるため、醤油をつけて食べたり煮込んだりすることが多く、追加で塩分を摂取しやすい食品でもあります。

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パンや麺などの小麦製品

パンや麺も、練り物同様に加工の段階で塩分を添加するため、血圧を上げる可能性がある食品です。パンや麺は小麦粉から作られており、生地に塩分を加えるとグルテンの形成が良好になるため、グルテンが引き締まります。グルテンが引き締まると、パンの発酵時のガスが保持され、ボリュームのあるパンを作れたり、麺の弾力を生んだりと、食品の質を上げることができます。

このように、パンや麺の質を上げるためには塩分が必要であるため、ほとんどのパン、麺には塩分が含まれています。また、パンや麺も練り物同様に他に塩分のあるものと同時に食べることが多いため、米などに比べて塩分を多く摂取してしまう食品と言えます。

アルコール

アルコールも、血圧を上げる食品の一つです。アルコールは血管を拡張する作用を持っているため、短期的には血圧を低下させますが、飲酒数時間後には逆に血圧を上昇させることがわかっています。この状態が続くと高血圧状態が継続するため、アルコールの過剰摂取は高血圧のリスクの一つと言われています。

また、アルコール飲料には塩が入っていることは少ないですが、同時に塩分の多い食品をつまみとして摂取することが多いため、そういった意味でも高血圧の原因となりやすい食品です。

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糖質の多い食べ物

糖質の多い食べ物も、間接的に血圧を上げる可能性があると言われています。米や麺、パン、砂糖を多く含む食品などには糖質が多く含まれており、摂取することで血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌され、血液を流れる糖は各細胞に運ばれ、血糖値が下がります。このインスリンは、血圧を下げる作用だけでなく、体液量の増加や、交感神経の興奮、血管抵抗の上昇などの作用も持っているため、間接的に血圧を上げる作用も持っています。そのため、糖質の多い食べ物の過剰摂取は、インスリンの分泌量を増加させ、高血圧の原因となる可能性があります。

また、糖質の多い食べ物はカロリーも高く、肥満の原因ともなるため、より高血圧のリスクを上げることにも繋がります。

血圧を管理するため食事のポイント

様々なリスクのある高血圧。うまく血圧を管理するためには普段の食事でどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか?

減塩を心がける

まずは何より、減塩を心がけるようにしましょう。日本人の食事摂取基準では、塩分の摂取推奨量は、男性が7.5g/日、女性が6.5g/日です。減塩は、塩分を多く含む食品の摂取量や頻度を下げることや、外食や惣菜の頻度を減らすことで達成できます。

また、味をつける際は酸味や辛味など、塩味以外の味を取り入れることで、少ない塩分で美味しく調味するのがコツです。

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カリウムを摂取する

カリウムは、ナトリウムの排出を促進し血圧を下げる働きがあります。カリウムは果物や野菜、大豆製品などに多く含まれています。バナナ、ほうれん草、じゃがいも、納豆など、カリウムを多く含む食品を積極的に取り入れましょう。

適量飲酒を心がける

アルコールは高血圧のリスクとなるため、適量飲酒を心がけましょう。健康日本21という日本人の健康計画の中では、お酒の摂取量は、エタノール換算で約20g/日を目標とするよう掲げられています。これは、ビールの500ml缶1本程度の量です。

また、毎日の飲酒は健康被害のリスクが上昇するため、休肝日を作ることも忘れないようにしましょう。

まとめ

高血圧を改善・予防するためには、日々の食事内容を見直すことが不可欠です。今回紹介したように、一見塩分が入ってないような食品にも、塩分や血圧を上げる成分が潜んでいます。また、血圧を上げる要因は塩分だけではありません。

今回紹介した食材やポイントを参考に、血圧管理をしっかり行い、健康的な生活を目指しましょう。

参考文献:

厚生労働省 e-ヘルスネット 「高血圧」

アルコールと循環器疾患に関する最近の研究成果

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