高血圧の人が食べるのを控えた方がいい〈NGフルーツ〉とは?管理栄養士が解説
健康的な生活を送るためには、規則正しい習慣やバランスのよい食事を心がけることが大切です。特に高血圧の方は塩分を抑えるだけでなく、日頃から食べるものを選ぶ知識も必要になります。フルーツは高血圧の方も安心して食べられるものが多いですが、中には食べ方に注意が必要なものも…。そこで今回は、高血圧の方が控えるべきNGフルーツをご紹介します。
高血圧でフルーツを制限される場合とは?
基本的に、高血圧のみではフルーツを厳しく制限されることはありません。ただし、以下の場合は摂取量を控えるように助言されることがあります。
肥満や糖尿病を併発している
高血圧に加えて肥満や糖尿病を併発している場合、カロリーを抑える必要があるためフルーツの摂取量を制限される場合があります。摂取目安は1日あたり80kcalまでとすすめることが多く、これはだいたいバナナなら小さいもの1本、りんごであれば中くらいのもの1/2個程度です。
特定の降圧剤を服用している
高血圧の治療薬にはさまざまな種類がありますが、特にCa拮抗薬(ジヒドロピリジン系)を処方されている方は食べ合わせの悪い果物があるため注意が必要です。
高血圧の人が避けるべきフルーツをご紹介
グレープフルーツ
上でご紹介したCa拮抗薬(ジヒドロピリジン系)を服用している場合、グレープフルーツを食べてしまうと薬の作用を強めてしまいます。該当する薬を飲んでいる場合、血圧が下がりすぎる可能性があるので、医師や薬剤師に相談してから食べるようにしてください。グレープフルーツジュースや夏みかん、はっさくなども同じ作用があります。同じ柑橘でも温州みかんやオレンジ、レモンは相互作用の心配はないので安心してくださいね。
糖質が多く含まれている果物
こちらは避けるというよりは「摂取量に注意が必要」という意味でご紹介します。
高血圧の方は、現時点では問題なくても肥満や糖尿病との併発に気をつけなければいけないため、果物の過剰摂取に気をつける必要があります。特に糖質が高いバナナやぶどう、柿などは要注意。一度に大量に食べないように気をつけたいですね。1日あたり100g程度を目安にするとよいでしょう。
果物にはナトリウムの排出を助けるカリウムや、食物繊維、不足しがちなビタミン類なども摂れるので、避けすぎることなく適量を楽しめるとよいですね。
同じ果物でもドライフルーツや果物ジュースには注意!
ドライフルーツや果物ジュースは、フレッシュな果物と比べて糖分が多く、食べすぎや飲みすぎで糖尿病を併発する可能性が高まります。特に、ドライフルーツは水分のほとんどを取り除いているので、甘みがぎゅっと凝縮されています。そのままでも十分甘いので、食べたいときは砂糖不使用のものを選びましょう。
まとめ
高血圧になってしまったからといって、すべて我慢しなくてはならないわけではありません。薬との相互作用には気をつける必要がありますが、ほかの果物については適量を楽しむことで逆に効果的になることもあります。適切な量を守りながら果物を味わってくださいね。
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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