寒い冬は粕汁が一番!五感を癒す冬の養生食|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 寒い冬は粕汁が一番!五感を癒す冬の養生食|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-01-08

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさま、おはようございます。昨日は人日の節句でしたが、七草粥は食べましたか?まだという方も、お正月疲れの胃腸を労ってあげるために今からでもぜひ食べてみてください。いわゆる七草がそろわなくても、わざわざスーパーへ出かけて七草セットを買わなくても、家にある大根やカブ、青菜を刻んで入れてあげれば良いのです。冬は青い野菜が不足しがちですので、この機会に七草粥で補ってあげてくださいね。

さて、今日ご紹介するのは、寒さが本格的になってくると食べたくなる粕汁。日本ならではの冬の養生食ですね。粕汁に必要な酒粕は、日本酒をつくる際に仕込みがおわったあとのもろみを搾ったときにできるもの。かす、といいますがただの搾りかすではなく、日本酒が「百薬の長」といわれてきたように体に嬉しいことがたくさんつまっている大切な発酵食材なのです。独特の滋養ある香りに満たされ、まっさらな白のスープは眺めているだけで優しい温度が伝わります。飲めば血行が良くなり、お腹からじんわりぽかぽか。おまけに肌をきれいにしてくれたり、お通じをよくしたり、疲労を回復してくれたり、また免疫力を高める成分も確認されるなど嬉しい効果がたくさんあるのです。

今日はこの酒粕を使い、寒い冬にぴったりの粕汁。鮭やぶりなどのお魚に、根菜、ねぎ、油揚げやこんにゃくなんかを入れれば味も食感もさまざまに楽しめますし、これひとつで主食にもなってしまうのが粕汁の一番の魅力。出汁が出るので、魚もお肉もいっぺんに入れる方もいますね。これといった決まった材料もないので、植物性のものだけで作っても充分にボリュームがありますし、冷蔵庫に余している材料をうまく利用して美味しく仕上げることができるのも粕汁の良いところです。

酒粕と言われるとなんだか手間がかかりそうな気がしますが、作り方は簡単。お味噌汁を作るようなものと思ってみてください。まずはお好みの出汁を取ります。時間がある方は、おすすめの昆布と干し椎茸でじっくりと。煮崩れなどが気になる方は、大根や人参をあらかじめ別に煮ておいても良いです。そしてこんにゃくや油揚げ、その他お好みで具材を入れ、ことこと煮ていきます。この煮ている時間というのが、無心になれて幸せですね。お鍋の中で具材がことこという音には、人を癒す力があるなあと思います。そこへ、だし汁でよくといた酒粕と白味噌を混ぜ入れていくだけ。塩やお醤油を少し入れる場合もありますが、お好みで加減してみてください。せっかくの菌たちがうまく働かなくなるので、混ぜ入れるときは火を止めてくださいね。これで完成です。

いかがでしたか?体も気持ちも強張りやすい寒い冬ですが、しずかに湯気立つ粕汁を眺めていると、柔らかくやさしい気持ちになってきます。粕汁の美味しさは舌のうえだけで感じるものでなく、お腹に入ってもなんだか優しい、いつまでも温かい。あまり気負わずに、普段のスープやお味噌汁を作るのと同じようにして作ってみてください。心も体もぽかぽかに温まって、小寒、大寒とつづくこの寒い時期を丈夫に乗り切っていきましょう。

関連動画:我が家の粕汁の作り方

 

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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