医療従事者や医療的ケアに携わる人のための「ストレス解消ストレッチ 」6選

 医療従事者や医療的ケアに携わる人のための「ストレス解消ストレッチ 」6選

医療従事者そして医療的ケアに携わる全ての人のためのヨガシークエンス

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パンデミック以前の時代でも、医療従事者たちは大きなストレスを抱えていました。私たち医療従事者は、研修の早い段階から、患者さんのニーズに応えるためにストイックなまでの覚悟を持つことを学びます。しかし、この2年間、新型コロナウィルスのパンデミックの最前線に立ち続けた結果、私たちの多くが疲れ果て、燃え尽きを感じると認めざるを得なくなっています。医療従事者は、人員不足、過重労働、肉体的・精神的要求の高さの結果として、不安、うつ、睡眠障害をかつてないほどの割合で経験しているのです。

また、家族や身近な人の医療的ケアに携わる人々もまた、高いレベルのストレスを感じることがあります。慢性疾患のある子供、障害のある高齢者、他にも愛する人のケアをするための肉体的、精神的、感情的な負担が、耐えられないほどきつく感じることもあるでしょう。このような緊張は、介護をする側の健康や幸福にも影響を与える可能性があります。

医療従事者そして医療的ケアに携わる全ての人にとって、自分自身をケアすることは非常に重要です。体を意識的に動かすことは、その助けとなります。

このシークエンスは、日常の混沌から少し離れて、患者のベッド脇に何時間もしゃがんでいたために硬くなった背中の筋肉を労わります。

これらのポーズは、体幹と腕を強化し、あなた自身そしてあなたの周りの人を(比喩的にも文字通りに)元気づけるのに役立ちます。このシークエンスは、医療従事者を愛する人、そして喜びと希望を分かち合いたい人のためのものでもあります。

医療従事者そして医療的ケアに携わる人のためのヨガシークエンス

このシークエンスはヨガマットを必要としないので、忙しい仕事の合間にもいつでも行うことができます。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

タダーサナ(山のポーズ)

両腕を体に沿わせ、肩の力を抜いて立ちましょう。背筋を伸ばして立つことで自信を持って実践することができ、それはまた医療従事者としてのあなたの仕事にも通じます。

意図的に息を吸って吐くという呼吸を長く3サイクル行います。一日のうちで、自分自身をケアする時間はこの一回だけかもしれません。ですから、しっかりと意識を向けて実践しましょう。リラックスし、解放し、自分の体に喜びを見出しましょう。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

カクタスアームで行うハイランジ

タダーサナから、左足を後ろに踏み出し、右膝を90度に曲げます。息を吸いながら、両腕を頭上に伸ばします。肩の力を抜いて、指を積極的に上に伸ばします。そして、胸を開きながら肘をサボテンの形に曲げます。このストレッチは、上背部を開き、患者さんのベッドサイドで何時間も過ごした後でも、背筋を伸ばした姿勢でいることを意識させてくれます。下腹部を引き締め、腰をストレッチします。このポーズで3回呼吸を続け、膝の裏を曲げたり、伸ばしたりして、背中側の股関節屈筋の伸びを深くしたり、浅くしたりしましょう。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

プラサリタ・タダーサナ(開脚立位ストレッチ)

ハイランジから、開脚立位姿勢に移ります。両手を背中で組むか、肘や前腕をホールドして行います。息を吸いながら肘と肩甲骨を引き寄せ、骨盤を少し前に押し出し、胸を開きましょう。胸と肩のストレッチを楽しみながら、少し上空を見つめます。頭頂部を空へと引き上げながら、呼吸を楽しみます。そのまま3回呼吸を行います。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

プラサリタ・パドッタナーサナ(開脚前屈)

開脚立位ストレッチから、背中で指を組んだまま、または肘や前腕部をホールドしたままの姿勢を保ちましょう。息を吸いながら、胸を空に向けて開きます。吐く息で、両脚に向かって上体を倒します。その際、両腕を空へと向かって伸ばし、頭を下に垂らします。逆さになると、一瞬、視点を変えることができます。あなたはあなたのままで全てであり、完璧だということを意識しましょう。あなたの心の扉を再び開く時間です。希望は常に存在します。その思いを胸に刻みながら、2~3回呼吸を繰り返します。吸ってゆっくり起き上がりましょう。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

ウッティタパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)

開脚前屈から、右足を右へと向けます。右膝を曲げ、胴体を右に傾け、肘を曲げて前腕を太ももの前に置きます。床に手を置いても良いですし、右足と並行して置いたブロックに手をのせても良いでしょう。左腕を頭上に伸ばし、視線もそれに合わせます。この状態で2~3回呼吸を繰り返します。肋骨が開き、呼吸がしやすくなります。この姿勢はまた、迷走神経にアクセスすることができ、ストレスに対する反応を調整することができます。

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(写真:イングリッド・ヤンさん提供)

ナタラージャーサナ(踊りの神のポーズ)

体の脇を伸ばすポーズから、両腕を頭上に上げてハイランジに戻ります。右足に全体重をかけます。バランスをとり、左足を胴体の後ろで引き上げます;左手を後ろに回し、左足をつかみます。左足か足首を手で持ったら、胸を前方へと引き上げ、左足のかかとをお尻から離し、胸の右側を伸ばします。椅子や壁、友達などにつかまりながら行うと、より効果的です。この瞬間に微笑んだり、笑ったりしてみましょう。あなたにはレジリエンス(回復する力)があります!このポーズはみんなでやるとより効果的です。2〜3回呼吸を行いながらポーズを続けましょう。

タダーサナに戻り、反対側で一連のシークエンスを繰り返します。

この記事のモデル

医療現場の第一線で働く、麻酔科医のケリー・ブルーノ医師(医学博士)、病院勤務医のイングリッド・ヤン医師(医学博士)、救急医療専門医のアリソン・ヘイダース医師(医学博士)が、今回デモンストレーションしてくれました。

教えてくれたのは……イングリッド・ヤンさん
イングリッド・ヤンさんは、内科医、ヨガセラピスト、執筆家。20年以上にわたってヨガを教え、「Adaptive Yoga(アダプティブ・ヨガ)」と「Hatha Yoga Asanas(ハタヨガアーサナ)」の本の著者でもある。ヤン医師は、運動生理学と呼吸法、瞑想、心と体のつながりを通じた癒しに特に重点を置きながら、世界中でトレーニングやリトリートを指導している。詳しくは、ingridyang.com または @ingridyangyogamd をご覧ください。

ヨガジャーナルアメリカ版/「6 Stress-Relieving Stretches for Caregivers

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By INGRID YANG MD
Translated by Hanae Yamaguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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