更年期世代の腟は硬く縮む?【性交痛が緩和】イタリア発腟専用レーザー【栗尾モカの更年期大学#7】
これが噂のモナリザタッチ
福山先生:この炭酸ガスフラクショナルレーザーは、もともとお顔の皮膚のたるみやシワの改善のために使われていたもので「マドンナリフト」という商品名で美容皮膚科では使用されています。腟の粘膜もお顔の皮膚と同じような組織で作られていますので、腟の萎縮にも効果が出るのでは?と、研究して生まれたのが「モナリザタッチ」です。このレーザーを照射すると、腟粘膜に熱が入って傷がつきます。すると創傷治癒の効果でその部分は血流が良くなり、栄養分が運ばれふっくらと潤いのある粘膜になります。腟専用のプローベは筒状の膣の奥まで挿入することが出来ますし、360度まんべんなく照射していくことが出来ます。
ーー経腟超音波のようにプローベを挿れて、そこからレーザーが照射されるのですね。施術の効果はどのような感じですか?1回の照射でも変化はありますか。
福山先生:タイミングと症状の強さによって変わってきますが、例えば照射する前の症状を100%とすると、1回照射すればどの症状も半分ぐらいにはなると言われています。でも、半分になった症状がご本人にとってどれだけ辛いかということが大事になってきます。1回照射した段階で性交渉の際の痛みがなくなったり、乾燥が改善していれば、再度症状が出てきた頃に2回目の照射を勧めます。「ちょっと良くなったけど、まだちょっと乾燥していて痛いのよね」ということになると、6週間後くらいを目安に2回目の照射をお勧めします。また、この施術は尿もれ改善にも効果があるため、尿もれの治療として照射をされる方も多いです。
ーー1回でも変わるのですね。まずは1度施術を受けてから様子見をしても十分価値がありそうです。
福山先生:メーカーは3回という数字を出していますが、何もしなければ低エストロゲン状態は続くため、腟萎縮は放っておけばまた進行します。3回照射すれば効果が永久的に続くわけではないのでメンテナンス照射が必要にはなり、半年から1年毎の照射をお勧めしています。患者さまの中には3ヶ月に1回ずっと続けている方もいらっしゃいます。施術の間が4週間あいていれば照射は出来るので、ご本人のベストの状態に合わせて頂きたいと思います。「年に1回しかしない性交渉にこんなにコストをかけなくてはいけないの?」という人もいますし、パートナーがいて、定期的に性交渉をする場合には「いい状態を保ちたいわ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。その間隔は、医療的というよりはご本人の感覚に合わせて頂くのがよろしいかと思います。
ーー1回のお値段が55,000円なので、頻繁に施術を受けることはなかなかハードルが高いかもしれませんが、1回でも効果を感じられるのであれば是非という感じですね。たとえば「パートナーと近々デート」という時には、何日前にモナリザタッチを受けるのがベストでしょうか?
福山先生:施術後、性交渉をしていいのは3日後なのですが、粘膜が一回ターンオーバーするのは大体6週間ほどかかります。もし、ご予定がおわかりになるのであれば、1ヶ月半前にモナリザタッチの照射を行って頂ければ、良いコンディションで性交渉に臨んで頂けるかと思います。
AUTHOR
栗尾モカ
記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。
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