更年期世代の腟は硬く縮む?【性交痛が緩和】イタリア発腟専用レーザー【栗尾モカの更年期大学#7】

 更年期世代の腟は硬く縮む?【性交痛が緩和】イタリア発腟専用レーザー【栗尾モカの更年期大学#7】
canva
栗尾モカ
栗尾モカ
2022-05-28
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実際に施術を受けてみた感想は…

福山先生から施術のお部屋へご案内頂き、婦人科検診と同じ姿勢でスタンバイ。「はい、これから始めますね」と、器具を挿入された感覚はありましたが、照射している間は痛みや熱さなどはゼロ。「5分ほどで終了します」という先生の言葉通り、あっという間に施術が終了しました。

1ヶ月後、自分で触れてみても施術前より腟の粘膜がふっくらしているのを感じました。先生のお話によると、その変化は患者さんのパートナーの男性も「変わった」と感じることが出来る場合もあるそうです。

ーー照射の間は全然痛くないですね。この感じでしたら、定期的に通いたい人の気持ちがわかります。海外で人気が出るのも納得です。

福山先生:そうなのです。膣は痛みを感じない部分なので、痛みがほとんどないのが良いですよね。

日本中からの問い合わせが殺到。需要の高さを実感

ーー日本へは先生がパイオニアとして日本に最初に導入されたのですね。反響はいかがでしたか?

福山先生:そうですね、婦人科として最初に導入したのは間違いないと思います。2014年のことです。モナリザタッチは2022年の段階で、日本には62台輸入されています。私が導入した際はレーザー治療に慣れている美容クリニックでの導入が先でしたが、現在は婦人科と泌尿器科の先生方を中心に治療ができる場が広がっています。

正直私も、最初は患者さんが来てくれるかどうか心配だったのですが、実際に来てくださった方々はごく普通の奥様が一番多かったです。例えば、「子育て中はセックスレスだったけど、子供たちが巣立って再開したら凄く痛かったです」という世代です。それこそ、北は北海道から南は沖縄まで、遠方から東京まで来てくださいました。「久しぶりにするから準備をしておきたい」という方もいらっしゃいましたし、実際に試してみたけれど難しかったから施術を受けたいという方もいらっしゃいました。

その頃は「私はしたくないけど、夫が可哀想だから」「私はどちらでも良いけれど、夫が外でしてくるのが嫌だから」というような、どちらかというと控えめな理由を持つ方も多かったんです。でも、今はもっと前向きというか、閉経後の女性でも、新しい恋への準備だったり、パートナーとの時間を楽しみたいというようなモチベーションをお持ちの方が増えてきました。

ーー素敵ですね。欧米は夫婦間で性交がなくなったら離婚、というケースも少なくないそうなので需要があるのは納得ですが、日本人の意識も変わりつつあるのかもしれないですね。

腟の若返りは、自浄作用を改善する効果も

福山先生:閉経後のお悩みににおいを訴える方がいます。もともと腟内は膣粘膜がお顔の肌と同じようにターンオーバーする際に生じるグリコーゲンという物質を餌としている乳酸桿菌がいることにより酸性に保たれているため、外から雑菌が入ってきても増殖しないようにしています。閉経後、腟が萎縮してくるとターンオーバーが正常に行われなくなるため、グリコーゲンが減り、乳酸桿菌がいなくなることによって、腟内がアルカリ性に傾くことで雑菌が入りやすくなるためににおいの原因となるのです。モナリザタッチの照射により、腟粘膜が厚くなりターンオーバーが再開されると、自浄作用が高まりにおいが改善されます。

閉経した人の粘膜上皮は薄くなっています。その状態で1回照射して、4週間後には厚みが出て良い状態になります。そして、ターンオーバーで上皮が剥がれていきます。ターンオーバーが再開すれば乳酸桿菌も戻ってきますので、気になるにおいを軽減することも出来ます。

残念ながら日本では販売されていませんが、海外では、膣内を酸性に保つ乳酸菌の膣錠を販売している国もあります。日本で購入できるものでしたら、おりもの洗浄ジェルの「インクリア」が乳酸菌入りで膣内のpHを酸性に保ちながら洗浄ができます。

ちなみに、デリケートゾーンは上から順番に「尿道」「膣」「肛門」がありますね。中央の腟は、自浄作用によりばい菌が上にいくことを防いでいます。腟の中にばい菌が増えてしまうと、尿道の方にもばい菌が入り、閉経後に膀胱炎を繰り返す患者さんもいます。

ーー高齢の女性に膀胱炎が増える傾向があるのは、このような理由があったのですね。でも、原因と対策がわかれば恐ることはありませんね。施術はクリニックにお願いさせて頂くとして、自宅ではどのように洗浄すれば良いですか?

福山先生:腟内は、基本的に洗いません。月経の終わりかけやにおいが気になるときに使用するおりもの洗浄ジェルのインクリアも、入れるだけでジェルが自然に流れてくるだけなので、その時に洗浄されるようになっています。また外陰部の皮膚はとても薄くて、目の周りの皮膚と同じように繊細です。手の皮膚などと比べると40分の1ほどの薄さです。想像よりも乾燥しやすくて薄くて刺激にも弱いので強めに洗う習慣がある方は、洗浄力の強過ぎないもので優しく洗っていただきたいと思います。乾燥が気になる時には保湿もしてくださいね。

ーー適切なケアが大事になりますね。最後に福山先生の考えるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)についてお聞かせください

福山先生:今まで、更年期障害や生理痛PMSなど女性ホルモンに関わるものは我慢して当たり前に捉えられていたかと思うのですが、女性が男性と同じように働くようになると、女性がホルモンに振り回されていると女性の能力が十分に発揮されてないように感じます。実際に月経痛やPMSによる労働損失額を調査したところ、年間14億にもなることが判明しています。最近話題のフェムテックとはfemaleとtechnologyを掛け合わせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品やサービスのことです。様々な商品やアプリなどが出来ているので、上手に使って生活を豊かにしていただきたいと思います。

ーーどうもありがとうございます。是非、生活の質の向上のためにも多くの方に今日のお話を多くの方に知って頂きたいと思います。

更年期大学 今回の学び

モナリザタッチ
イラスト/栗尾モカ

女性メディアでよく取り上げられることの多い腟ケアですが、今回は福山先生に適切なケアとその目的について伺うことが出来ました。腟ケアをすることでターンオーバーや自浄作用を高めることは目からウロコでしたし、再び潤いを取り戻すことが出来ることも女性にとっては喜ばしいことですよね。美容医療の知識は知らないと損だなと改めて思います。

閉経後もパートナーとの関係を豊かなものにしていく、ということは欧米では自然なこと…というお話がありましたが、この原稿を書いている時にスイス在住の姉と話したところ「周りの50代の友人たちは、恋人と別れても、すぐに新しい相手を探すことに前向きなのよ」と話していました。モナリザタッチ発祥の地、イタリア(ミラノ)にも何度か行きましたが、50〜60代らしき女性たちの現役感あふれる姿に憧れました。日焼けも気にせず太陽がサンサンと降り注ぐカフェでオシャレなカップルが時々キスしたりしながらワインランチをしている光景を目にするたびに「(人生の)春が長い土地ってステキ」と羨ましい気持ちにさえなりました。

今回、モナリザタッチに関する詳細をお伝えしたことで「腟の加齢を受け止める」という姿勢から一歩踏み出し「女性としての人生を長く楽しみ続ける」ことに気持ちがシフトする方がいらっしゃれば、こんなに嬉しいことはありません。

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栗尾モカ

栗尾モカ

記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。



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