硬い股関節が動くように!「伸ばしながら使う」意識で柔軟性が変わる【ファシリテートストレッチ】
股関節が硬いまま力任せに動かすと痛みやけがにつながり、可動域が狭まるばかり。そこで、解剖学的に立証された「伸ばしながら使う」ファシリテートストレッチをすると、驚くほど動きがスムーズに!
硬く縮んだままの筋肉を効果的にゆるめる!
本来、全方向に動く股関節をスムーズに動かせない原因の大半は、筋肉にあると修一郎先生。
「『股関節が硬い』と感じるのは、関節周辺の筋肉が縮んだまま固まり、脳からの指令も届きにくく、動きを制限していることが主な原因。そこで取り入れてほしいのがファシリテートストレッチです。簡単にいうと筋肉を伸ばすストレッチに、20%程度の収縮をプラスすることで、脳は筋肉が伸びる許容範囲を上書きするのです。これを繰り返すことで誰でも柔軟性を高められます。魔法のようですが解剖学的に効果が立証されたメソッド、ぜひ取り入れてみてください!」
「 伸ばしながら使う」ファシリテートストレッチとは?
筋肉を伸ばしながら、ほんの少しの収縮を5秒程度入れると、筋肉の張力を測るゴルジ腱器官からゆるめる信号が出され、拘縮が解ける仕組み。たとえばダンダーサナではかかとを下に押すと、伸ばしたハムストリングスに収縮が入り、次に脱力したときに腿裏がゆるみます。
POINT
①ハムストリングスを伸ばす
②かかとで軽く床を押す
③脱力する
外転のためのファシリテートストレッチ
脚を体の中心から遠ざける「外転」がしづらい原因は、内転筋群やハムストリングスが硬くなっているから。内腿まわりを伸ばしな がら、少し収縮させるファシリテートストレッチで、脚を外側に開きやすくしましょう。
ターゲットは内転筋群・ハムストリングス
ニラーランバーサナのアレンジ
片脚ずつ内腿をゆるめて左右差も整える
自重を使って内腿まわりをストレッチしながら、膝を軽く閉じる力をプラス。このワークで適度な収縮とともに柔軟性を高めます。まずは片脚ずつアプローチして、左右差もチェックしてみましょう。
【やり方】
うつ伏せで左脚を外側に開き、 股関節・膝・足首を90度に。左膝で床を5秒押す&脱力×3回。右脚も同様に。
POINT
膝で床を押す
膝を閉じるように床を押す。左と右で膝の開き具合に違いを感じたら、つらいほうを多めにストレッチして、左右差も調整してみよう。
そのまま上体を左にねじり左肩を床に下ろすと、左脚が外側に開きやすくなっているはず。
マンドゥカーサナのアレンジ
両膝で床を押しながら外転力を効果的に高める
次は両脚を開いて膝で床を押し、内転筋群を効果的にファシリテートストレッチ。これで内腿まわりがゆるみやすくなり、マンドゥカーサナでも下半身がペッタリと!
【やり方】
四つん這いから膝を開き、股関節・膝・足首を90度に。両膝で床を5秒押す&脱力×3回。
POINT
下肢全体で床を押す
開脚した膝を内側に閉じるようにして下肢全体で床を押し、お尻も少し落とすことで、内腿に適度な収縮が入る。股関節・膝・足首の90度は守って。
ストレッチ後に下半身を脱力すると、開脚したまま内腿が床につきやすくなっているはず。
教えてくれたのは...鈴木修一郎先生
「ヨガハウス秦野」代表。「アンダーザライトヨガスクール(UTL)」ヨガインストラクター。ルネサンスヨガプロ ジェクト講師。解剖学や古典ヨガに造詣が深く、UTLでは通常のヨガクラスのほか、古典ヨガ、シニアヨガ、解剖学クラスなど担当。
モデル...池田莉子さん
モデル・ヨガインストラクター。雑誌や広告、ショーなどでモデルとして活躍中。19歳で指導資格を取得し、イベントや自身のインスタライブなどでヨガの魅力を伝えている。
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