【体内の炎症と気分の関係】幸せに満ちた心の状態を手に入れる「6つの食習慣」
気分は炎症と密接に関連しています。気分が今ひとつ優れないなら、炎症を抑える習慣や食べ物が役立つ可能性があります。
気分が冴えない?あなたが感じている晴れない気分というのは、実際のところ、体の中が原因かもしれません。
このところ、炎症が行動や気分に影響を与える脳の変化を促進する可能性がある、と示唆する研究が益々増えています。それらの研究によると、うつ病、不安障害、双極性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の悩みを抱える人々は、高レベルのC反応性タンパク質(CRP)及び、その他の炎症マーカーが高い値を示すことがわかっています。研究者たちは、統合失調症のようないくつかの精神疾患は、実際のところ、炎症によって引き起こされるかもしれないとさえ示唆しているのです。臨床的な精神障害がない場合でも、CRPレベルが上昇すると、心理的苦痛やうつ病のリスクが高まります。
しかし、嬉しいニュースがあります。食べ物と生き方が炎症に大きな影響を及ぼすのです。今回は、炎症の影響を和らげ、より健康的で前向きな気分をサポートする、科学に裏打ちされた6つの方法を紹介します。
1.チップス(およびベーグルとスコーン)を食卓から排除する
こっそりお菓子を食べる習慣を自覚していますか? これは炎症につながります。クッキー、キャンディー、アイスクリーム、ソーダなどの甘いスナックは、インスリン抵抗性、糖尿病、肥満などの深刻な健康上の懸念とともに、体内の炎症を促進する主な要因です。
精製された炭水化物で作られたベーグル、パスタ、パンも同じ影響をもたらします。ファーストフード、チップス、クッキー、ペストリーに含まれる大豆油、コーン油、その他の加工油は、オメガ3脂肪とオメガ6脂肪のバランスを崩し、炎症を引き起こします。そして、トランス脂肪(フライドポテト、ドーナツ、パイ生地など)は炎症マーカーを急上昇させます。
ファーストフードを断つと心に決め、パントリーを一掃しましょう;糖分が多いもの、精製された炭水化物、または不健康な脂肪を取り除きます。代わりに、パッケージに入ったスナックをより栄養価の高い食品に置き換えましょう。さらにオススメとしては、ベリー、リンゴ、人参、アーモンドバター、さくらんぼ、ワカモレ、フムスなど、炎症を抑えて健康的な気分をサポートする栄養素が豊富な食品をおやつにしましょう。
2.地中海食を実践する
ギリシャ、イタリア、およびその周辺地域の人々が食べる伝統的な食品を基本とした地中海食には、強力な炎症を抑える食材がたっぷり含まれています。多くの研究は、炎症を抑え、うつ病や不安を和らげ、気分を改善できることを示しています。
地中海食を実践する方法は以下の通り:
●果物や野菜を増やす。ベリー、アブラナ科植物、葉物野菜、人参、玉ねぎ、トマトを積極的に取り入れる。それらは炎症を軽減する栄養素を含む。
●肉を減らし、魚を増やす。特に、サーモン、マグロ、イワシなどの脂肪の多い魚を食べる。 炎症を抑え、バランスの取れた気分をサポートするオメガ3脂肪が豊富。
●主要な脂肪としてオリーブオイルを使用する。オリーブオイルは炎症のマーカーを下げることが分かっている独自の抗酸化物質が豊富。
●白パンとパスタを全粒粉のものに替える。さらにオススメは、玄米、キビ、大麦、オートミール、およびその他の全粒粉(小麦粉に粉砕されていない)にこだわること。しかし、穀物を摂取しすぎない;低炭水化物ダイエットは炎症を軽減することが可能。
●緑茶を飲む。これは地中海食ではないが、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)と呼ばれる化合物が豊富で、炎症誘発性化合物の生成を鈍らせ、炎症を軽減することが示されている。
そして、あなたが今実践中の食事法が何であれ、それが健康的な体重の維持に役立っているかどうかを再確認しましょう。過剰な体脂肪は、軽度の慢性炎症を促進し、気分に影響を与えます。
3.ヨガのクラスに参加する
ヨガは、慢性炎症の主要なプレーヤーであるストレスと戦うための最良の方法の1つです。 進行中の心理的ストレスは、CRPのレベルを上昇させ、より高いレベルの炎症を引き起こし、うつ病、不安神経症、その他の気分障害などにもつながります。ヨガは、炎症と戦う上でストレスや不安を和らげます。
定期的に実践することで、気分と包括的な幸福感が向上します。しかし、ヨガだけが選択肢ではありません。太極拳、気功、瞑想、深呼吸の実践も同様の効果をもたらします。オンラインクラスを探し、仲間と一緒にサインアップして、もっと楽しみ、自分の体と向き合いましょう。
緊張が張り詰めているようなときには、心身をなだめるようなサプリメントを試してください。レモンバーム、ロディオラ(イワベンケイ)、バレリアン、L-テアニン(またしても緑茶に含まれる)は不安やストレスを和らげてくれます。
4.いつもよりたくさん歩く
運動は数え切れないほどの利点に加えて、体の抗炎症化学物質の生成をサポートします。身体活動は、全身の炎症の要因である脂肪を落とすのにも役立ちます。さらに、定期的に体を動かすことは気分を高め、ストレスを軽減します。
ウォーキングのような中程度〜強度の運動を20分間行っても、抗炎症効果があります。毎日少しずつステップアップしてください。一時間ごとに休憩を取って階段を上り下りするか、駐車場の一番端に車を止めて歩くのも良いでしょう。電話をかけながら歩くのも良いでしょう。週に数回、バディ(相棒)を誘って、より活発なハイキングを実施し、身体の強度に努めましょう。毎日の歩数を追跡するスマホアプリを使用すると、モチベーションと満足度を高めることができます。PacerとActivityTrackerは、使いやすい無料アプリです。
5.お腹をいたわる
腸内細菌は炎症と気分の両方で重要な役割を果たしており、腸内フローラが破壊されると脳と行動に影響を及ぼす可能性があります。腸内の有益な細菌は、気分を含む精神的プロセスに影響を与える何百もの神経化学物質を作ります。そして、体のセロトニンの約95%は腸内細菌によって作られ、不安を軽減し、より幸せな思考に関連しています。
しかし、腸の炎症は、善玉菌と悪玉菌のバランスを崩し、脳の化学的性質と気分に影響を与えます。これは、慢性胃腸障害のある人が不安神経症やうつ病に苦しむ可能性が高い理由の1つです。プロバイオティクスが豊富な食品(ヨーグルト、キムチ、テンペなど)を取り入れ、高繊維な野菜とマメ科植物を積極的に摂取し、有益な細菌に栄養を与え、十分に水分を補給することで、腸を幸せで健康な状態に保ちます。わずかな脱水状態であっても、腸内細菌に影響を与える可能性があることを忘れないでおきましょう。
6.サプリメントを取り入れる
このように包括的に健康的なライフスタイルを整えつつ、天然サプリメントで炎症を軽減し、気分を改善するサポートを取り入れましょう。最高のサプリメントの1つは、ウコンの根の活性化合物であるクルクミンです。強力な抗炎症剤で1日1グラム程度でもCRPレベルを大幅に低下させる可能性があります。さらに、気分を改善し、不安やうつ病を和らげます。
単離されたクルクミンは、ウコン全体よりも効果的です。ピペリンまたは黒コショウの抽出物を含むサプリメントを摂取して、吸収を劇的に高めることができます。その他オススメの炎症抑制効果のあるサプリメント:アルファリポ酸、ボスウェリア、レスベラトロール、キャッツクロー、ショウガ。
教えてくれたのは……リサ・ターナーさん
リサ・ターナーさんはコロラド州ボルダー在住のシェフ、フードライター、製品開発者、栄養コーチであり、質も栄養価も高い食材についての研究と執筆、より健康的な食生活のための指導に20年以上の従事している。
ヨガジャーナルアメリカ版/「Inflammation and Your Mood: 6 Ways to Achieve a Happier Headspace」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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