更年期、具合が悪いのに家族に頼めない人へ伝えたいこと

更年期、具合が悪いのに家族に頼めない人へ伝えたいこと
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高本玲代
高本玲代
2026-03-12

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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夕方になると、急に体が重くなる。
朝はそれほどでもなかったのに、午後を過ぎる頃からどっと疲れが出てきて、立っているのもしんどい。

それでも台所に立ってしまう。
「今日は簡単なものでいいから」と自分に言い聞かせながら、なんとか夕食を作ろうとする。

あるいは、免疫力が落ちているのか風邪を引いてしまった日。
本当は横になって休みたいのに、洗濯物がたまっているのが気になってしまう。

「今日は洗濯をお願いしたいな」

そう思っても、なかなか言葉にできない。
頼めばいいだけなのに、なぜか頼めない。
そんな経験はないでしょうか。

私のもとに来られる会員様からも、同じような声をよく聞きます。

「体調が悪くても、家族にお願いするのが申し訳なくて…」
「頼むくらいなら、自分でやったほうが早いと思ってしまいます」
「頼んでも、思った通りにやってもらえない気がするんです」

理由としてよく挙がるのは、「迷惑をかけたくない」という気持ちです。
家族も忙しいだろうし、自分がやった方が早い。
そう思うのはとても自然なことです。

けれど実際には、もう少し深い理由が隠れていることもあります。

それは「ちゃんと家事ができていない自分への負い目」です。

更年期の時期は、体調の波が大きくなります。以前のように動けない日が増えることもあります。

そんなとき、

「本当は自分がやるべきなのに」
「ちゃんとできていない自分が悪い」

そんな思いが心のどこかに生まれてしまうことがあります。

すると、「頼む」という選択をする前に、自分の中で結論を出してしまうのです。

頼むのは申し訳ない。
やっぱり自分でやった方がいい。

また、以前家族にお願いして、思った通りにしてもらえなかった経験がある方もいます。

「そうじゃなくて…」
「こうしてほしかったのに」

そんな小さなすれ違いがあると、

「頼むより自分でやった方が早い」

と思ってしまうこともあります。

こうして気づかないうちに、頼む前から「頼まない」と決めてしまうという状態になっていることも少なくありません。

けれど、実際に頼んでみると、意外な反応が返ってくることもあります。

私自身も、以前は「頼むくらいなら自分でやった方がいい」と思っていたことがありました。
体調が悪い日でも、なんとか家事をこなそうとしていました。

ですが、あるとき思い切って頼んでみたことがあります。
すると家族は、意外なほど普通にやってくれました。

さらに後から、こんな言葉をかけられたのです。

「機嫌が悪くなるくらいなら、言ってくれた方がいいよ」

こちらとしては「お願いするのは申し訳ない」と思っていたのですが、相手からすると、何も言われないまま不機嫌になられる方が困ることもあるようです。

実際、会員様の中にも、同じような経験をされた方がいます。

「頼めない」と話していた方が、思い切って家族にお願いしてみたところ、意外と普通にやってくれたそうです。

ただし、最初からすべてがうまくいくわけではありません。

その方も最初は
「自分のやり方と違う」
と感じたそうです。

洗濯物の干し方や、家事の順番など。
細かい部分で「違うな」と思うことはどうしても出てきます。

そこで

「やっぱり頼まなければよかった」
「もう無理だ」

と考えてしまうと、また元の状態に戻ってしまいます。

ですがその方は、一つ一つ具体的に伝えていくことを続けました。

「こういうふうに干してくれると助かる」
「これはこの場所に入れてほしい」

すると、少しずつできるようになっていったのです。

家族も最初から完璧にできるわけではありません。
それは仕事でも同じですよね。

最初はうまくいかないこともある。
だからこそ、少しずつ伝え方を工夫していくことが大切になります。

そのときに意識してほしいのは、

「察してほしい」と思わないことです。

「言わなくても分かるでしょう」
「このくらい気づいてほしい」

そう思う気持ちはとても自然です。
ですが、人は意外と分からないものです。

例えば、以前好きだったものを家族が覚えていて、同じものを買ってきてくれることがあります。

けれど自分の好みは少し変わっている。
今はそれほど好きではない。

そんなとき、

「なんでこれを買ってきたの?」

と思ってしまうこともあるかもしれません。

ですが相手からすると、「前に好きだと言っていたから」という理由で選んでいるだけのことも多いのです。

そんなときは、

「次からはこれじゃなくて、〇〇を買ってきてくれる?」

と具体的に伝えてみてください。

できれば商品名まで伝えるくらいの方が分かりやすいこともあります。

「牛乳を買ってきて」ではなく
「このメーカーのこの牛乳」

「何か甘いもの」ではなく
「このお菓子」

ここまで具体的に伝えると、ぐっと伝わりやすくなります。

それでもうまくいかない場合は、伝え方を少し変えてみるのも一つです。

口頭ではなくメッセージで送る。
写真を添えて伝える。

少しの工夫で、相手にとっても分かりやすくなることがあります。

そしてもう一つ大切なのは、一度うまくいかなかったからといって、すべてダメだと決めないことです。

「一回頼んだけど無理だった」
「やっぱり自分でやった方が早い」

そう考えてしまうと、またすべてを一人で抱えることになります。

けれど、家族との家事の分担は一度で完成するものではありません。
少しずつ調整していくものです。

更年期の時期は、体調が安定しないこともあります。
だからこそ、全部を一人で抱え込もうとしなくて大丈夫です。

最初は小さなお願いからでも構いません。

「今日は洗濯だけお願いできる?」
「今日は〇〇を買ってきてほしい」

そんな一言から始めてみてください。

頼ることは、弱さではありません。
自分の状態を正しく伝えることも、暮らしを整える力の一つです。

体調が悪いときほど「自分が全部やらなければ」と思いがちですが、小さな工夫や伝え方の積み重ねで、家族との家事の分担は少しずつ変わっていきます。

工夫を積み重ねることで、あなたの「しんどさ」を軽減できます。
ぜひ参考にしてみてください。

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