「過去にあった嫌なことを思い出す…」記憶や感情、辛いイメージに対抗する3つの方法
過去の辛い記憶や感情が蘇ってきたとき、どうすればいいのでしょうか?
私たちは日常生活で頭の中に様々なイメージが浮かんできます。例えば、過去の楽しい記憶が蘇ってきたり、楽しい妄想をすることもあるでしょう。しかし、過去の辛い記憶や、絶望的なイメージが思い浮かんでしまって、落ち込んだり、不安になったりすることもあります。記憶やイメージは頭の中のことですが、私たちの感情に大きな影響を与えるのです。
辛い気持ちになったときは、頭の中にどのようなイメージが思い浮かんでいたか注意してみましょう。イメージはさりげなく浮かんでは消えていくので、意識しないと気づかないことが多いです。気分を台無しにするような辛いイメージを思い浮かべていたら、今回ご紹介するような対処法を試してみましょう。
辛いイメージに対抗する3つの方法
イメージの続きを想像する
辛いイメージのまま終えてしまうと、辛い気分のままになってしまいます。そのため、頭の中でイメージの続きを想像していきましょう。例えば、仕事でミスをして上司から怒られているイメージを思い浮かべたとしたら、怒られているシーンでやめずに続きを想像するのです。怒られた後に、どのような展開が待っているでしょうか?同僚に慰められているところでしょうか?仕事帰りに、お気に入りのコンビニスイーツを買って帰るところでしょうか?自宅でお気に入りの音楽を聴いているところでしょうか?気分が楽になるところ、マシになるところまでイメージを続けましょう。
イメージを書き換える
イメージの続きを想像しても、なかなか良いイメージにたどり着かない場合があるでしょう。その時は、イメージを書き換えてみても良いでしょう。
例えば、タイムマシンを使って時間を巻き戻し、仕事のミスを防ぐようなイメージをしてみてはいかがでしょうか?もしくは、未来にタイムスリップして、未来の自分が今回の経験を生かし、工夫しながら仕事に取り組んでいるところを想像しても良いでしょう。また、怒っている上司のイメージを変えて、怒っても怖くない人物、例えば代わりに子猫が「シャーッ」と怒っていることを想像しても良いでしょう。もしくは、怒られて凹んでいる自分に対して、好きなアーティストが突然現れて生歌を聞かせてくれるところを想像しても良いかもしれません。
イメージは自由です。自分にとって助けとなるイメージになるように書き換えてしまいましょう。
癒されるイメージを作ろう
ストレスを感じた時、気分転換したい時のために、あらかじめ自分が癒されるイメージを作成しておくことをおすすめします。
癒されるようなイメージを思い浮かべてみましょう。気持ちが落ち着く、ほっとする、安心するイメージはどのようなものでしょうか?そこはどのような場所ですか?過去に行った場所、想像上の場所、自然の中、建物の中など、どのような場所でも大丈夫です。布団の中を想像する方や自宅のソファに座っているところをイメージする方が多いかもしれません。そこにはどのようなものがありますか?一人でしょうか?それとも、誰かと一緒にいたり、ペットなど動物と一緒にいたりするでしょうか。もしイメージが思い浮かばなければ、癒されるような「色」を思い浮かべても良いでしょう。
辛いイメージが思い浮かんだ際は、テレビを見ているところを想像してみます。辛いイメージはテレビ画面の中にあり、リモコンを使ってチャンネルを変えるかのように、癒されるイメージに番組を切り替える想像をしてみましょう。
癒されるイメージはあらかじめ用意しておくことがおすすめです。辛い時に想像しようとしても、ネガティブなイメージが思い浮かびうまくいかないかもしれません。あらかじめ用意しておき、日頃から思い浮かべて馴染んでおくことで、必要な時に思い出しやすくなります。また、思い出しやすくするきっかけを用意しておいても良いでしょう。例えば、イメージに名前をつける、イメージのキャッチフレーズをつける、関連する画像を保存しておくなどです。必要な際は、イメージの名前やキャッチフレーズを思い浮かべたり、画像を眺めることでより詳細なイメージをありありと思い出しやすくなるでしょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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