不安やうつの緩和、QOLの向上…コロナ時代の心と体をケアする「ヨガニードラ」とは

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不安やうつの緩和、QOLの向上…コロナ時代の心と体をケアする「ヨガニードラ」とは

石上友梨
石上友梨
2021-01-06

ヨガニードラは、ヨガのお休みのポーズ「シャヴァーサナ」をとりながら行い、心も体も深くリラックスすることができる瞑想法です。今回はヨガニードラについてご紹介します。

ヨガニードラとはどのような意味でしょうか。「ニードラ」はサンスクリット語で「眠り」を意味します。ヨガニードラ中の私たちの脳波は、リラックス状態のアルファ波と夢を見ている状態のシータ波を行ったり来たりすると言われています。完全に眠っているわけでも、完全に起きているわけでもない意識と無意識のはざまにいるような感覚です。

ヨガニードラは、横たわって状態で行うことが多いですが、座った状態でも立った状態でも行うことができます。そして特別な道具は必要なく、身体ひとつで実践できるものです。高齢者や身体を動かすことが辛い方でも取り組むことができることも魅力のひとつでしょう。

アメリカでは、ヨガニードラをベースに、臨床心理学者リチャード・ミラー博士が開発した瞑想法「iRest」が普及しています。PTSDへの効果研究の結果から軍事施設等で実践されています。筆者もiRestの4日間のワークショップに参加し、ヨガニードラをベースとした瞑想法を体験し、その魅力を身をもって感じました。

ヨガニードラには、自律神経のバランスを整え、心身ともにリラックスさせること、不安やうつの軽減、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上など様々な効果が期待されています。

それではヨガニードラを実践する方法をご紹介します。

1.  目的を意識する

まずは、ヨガニードラを行う目的や、自分が叶えたい目標などを意識してみましょう。「リラックスしたい」「人に優しい自分でありたい」など何でも良いですし、すぐに見つからなくても大丈夫です。まずは、意識してみることが大切です。

2. 環境を整える

次に、静かな環境を用意しましょう。ベットの上やヨガマットの上など心地よく横になれる場所を用意します。頭の下に枕を置いたり、ブランケットを用意したり、今いる場所が心地よくなるように工夫をしましょう。突然人から声をかけられないようにしておくことも大切です。どうしても寝てしまうようでしたら、ソファに座って行っても良いでしょう。

3. 姿勢を整える

仰向けの姿勢になります。足先は腰幅より広く開き、足首の力を抜きます。両腕は身体の外側にダランと離し、手のひらは上向き、脇の下は拳一つ分ぐらいスペースを作ります。頭を左右にコロコロと揺すって心地よいところを探し動きを止めます。肩が上がっていることに気づいたら、肩を下げましょう。準備ができたら優しく目を閉じます。

ヨガニードラ
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4. 呼吸に注意を向ける

まずは、呼吸に注意を向けていきます。自然な呼吸を続けながら、お腹の膨らみや、空気の出入りなど、呼吸に関することに注意を向けます。気持ちが落ち着いてきたことを感じたら、次のステップに進みます。

5. 身体のパーツに注意を向ける

次は、身体のパーツに注意を向けていきます。身体全体に注意を向けるのではなく、パーツ一つ一つを順番に注意を向けていきます。

左足のつま先などから始め、どのような感覚があるか確かめていきます。温かさや冷たさ、痛いやかゆみ、緊張やだるさ、しびれ、どのような感覚でも良いですし、何も感じないかもしれません。そして、気づたことは、あるがまま受け入れます。つま先から膝など、次のパーツに移る際は、意識的にパーツをゆるめてから注意を移動させましょう。

6. ゆっくりと目覚める

観察を終えたら、少しずつ身体を目覚めさせていきます。手足の指先を開いたり、閉じたり、少しずつ力を入れていきます。準備ができたらゆっくりと頭が最後になるように起き上がりましょう。ゆっくりと瞬きをしながら、両目を優しく開き、周囲の環境を見渡したり、今ここにいる感覚をゆったりと味わいましょう。

インドの修行僧が行う古典的なヨガニードラでは、ヨガニードラ中に「眠ること」は良くないと言われていました。しかし、現在は、ヨガニードラ中の睡眠について柔軟な考え方が主流になってきています。もし寝てしまったのなら、「体が疲れていた」「休みが必要だった」という身体からのサインではないでしょうか。寝てしまったことを責めるのではなく、自分に思いやりを持って、ヨガニードラを実践してみましょう。

ライター/石上友梨

臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

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