ヨガで筋力強化トレーニング|心身の抵抗力を高める斬新な練習とは?
ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!アメフトのワイドレシーバーからヨガティーチャーに転身したDJ・タウンゼルが、心身の抵抗力を高める斬新な練習を紹介する
マインドが僕らの可能性を阻むことがある。自分はハンドスタンドをキープできるほど安定していない、頂上まで登れるだけの体力がない、困ったときに解決策が浮かぶほど創造的じゃない、などとマインドが話しかけてきたときは、特にそうだ。だが耳を貸す必要はない。ヨガの練習は、否定的な心の声をむしろ力に変える強力なツールになる。
ヨガは自分の身体能力と意志力を知る術となる。僕は人間の体とその強さ、柔軟性、受容性を信頼している。誰もが自分の体に対して同じように信頼すべきだ。僕が教えているヨガは、伝統的なヨガとヴィンヤサとパワーヨガに自重トレーニングを合わせたスタイルで、身体的な負荷が高い。このようなきつい練習で体の限界を感じると、僕たちは自ずと自分の内面や意志力に向き合うようになる。
そうするためには、自分の可能性を阻む考えを除外しなければならない。僕の経験で言うと、献身への恐れが人をとどまらせる。特に多いのが、「厳しい訓練」に献身することへの恐れだ。僕はいつもこう質問される。なぜあんなにタフなアーサナの動きや、複雑なフローや、難しい逆転ができるのか? どうしたらあんなに長くポーズをキープできるのか? その答えは、時間をかけたからだ。懸命に練習しているからだ。NFLプレーヤーだってポーズによっては筋肉がぶるぶる震えるし、逆転ができるまでには何度も練習を重ねた。他のヨガ練習生たちとなんら変わりはない。運動神経が良くて筋肉質でも、自分の体やマインドを完璧にコントロールできるわけではない。
すべての初心者と同様に、僕もアーサナ練習を始めた時は、今やっているような難しいポーズはできなかった。でも僕はあきらめずに、暇さえあれば家で練習していた。「厳しい訓練」に献身したんだ。あのポーズができない、できる気がしない、と思うなら、それはマインドの仕業だ。もし僕が自分の能力を信じずに、マインドが体の制限を決めるのに任せていたら、今ここで練習を紹介できていなかっただろう。この練習は筋肉を活性化して持久力を養いながら、自信を高めてくれるはずだ。
練習法
このアスレチック・ヴィンヤサフローは、体が各瞬間に実行できることを段階的に素早く明確に特定する。ここで覚えておいてほしい。マインドは自分の身体能力を実際よりも低く見積もる傾向がある。練習をしながら自分の体をよく観察し、何が快適かを確認しよう。これを習慣づけると、身体的、精神的な課題に気づきやすくなり、適切に対処できるようになる。たとえば、けがをして疲れているときは無理をしない、というように。だが自分の足は弱いと信じ込ませるマインドの制限のせいで疲労を感じているなら、再び練習に打ち込むべきだ。
このシークエンスを「厳しい訓練」として扱ってほしい。これは、安全かつ有益な方法でより多くのことを達成するための地図だ。各ラウンドはその前のラウンドを踏襲して組み立てられているので、自分の弱点が見えてくるだろう。最も難しい練習にはゆっくり進んでいく必要がある。たとえば「ハイランジパルスステップアップ」(P5)が今できないなら、できるようになるための動きを練習すればいい。
ウォーミングアップは必ず行おう。けがの防止になる。また、より複雑な動きのためには基本的な動きが鍵になることを忘れないでほしい。この練習でも他の練習においても、目指すポーズがなんであれ、太陽礼拝などの基本シークエンスには高度なアーサナに欠かせない基礎が含まれている。
ウォームアップ
1.ビティラーサナ(牛のポーズ)
息を吸う
行い方:手の真上に肘、肩を並べ、腰の真下に膝をつく。尾骨を後方に押し出しながら腹部を床のほうに下げ、頭頂部を高く引き上げる。
2.マルジャリャーサナ(猫のポーズ)
息を吐く
行い方:尾骨を下に向けながら、背骨と肩を丸める。頭頂部を床のほうに向ける。牛と猫のポーズを交互に5回繰り返す。
3.四つん這いからの応用(太陽鳥のポーズ)
息を吸う
行い方:右腕を前方に、左脚を後方に伸ばす。右手の親指を空に向ける。左足首を直角に曲げ、左足の小指を真下に向けて、腰が床と平行になるように調整する。
4.四つん這いからの応用(太陽鳥のポーズ)
息を吐く
行い方:左膝と右肘を体幹に向かって互いに近づける。背骨を丸め、あごを胸に近づける。左手と右膝で床を押しながらバランスを保つ。3と4の動作を5回繰り返す。
5.アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)
5回呼吸
行い方:足を腰幅に開く。腰や背骨に抵抗を感じる場合は、両膝を曲げる。おへそを背中のほに引き込み、腹部を腿に近づける。
6.アルダウッターナーサナ(半分の立位前屈)
息を吸う
行い方:腰を後方に押し出す。ハムストリングや背骨に抵抗を感じる場合は、両膝を曲げる。肩を腰のほうに引く。目線を足に向けて、首の力を抜く。
7.ウッターナーサナ(立位前屈)
息を吐く
行い方:腹部を腿の上で休ませる。ハムストリングや背骨に抵抗を感じる場合は、両膝を曲げる。頭をだらりと垂らして首の力を抜く。3~7番のポーズを反対側でも繰り返す。さらにウォーミングアップとして太陽礼拝を数回行う。
ラウンド1
8.ターダーサナ(山のポーズ)
1回呼吸
行い方:両足を腰幅に開いて立ち、足裏の四隅と10本の指で床を押す。大腿四頭筋、大臀筋、体幹を引き締める。肩を下げて、頭を引き上げる。
9.ウトゥカターサナ(チェアポーズ)
1回呼吸
行い方:両腕を頭上に伸ばす。両膝を曲げて、椅子に座るように腰を後ろに引く。
10.ハイランジ
5回呼吸
行い方:左足を大きく一歩後ろに引いて、体を起こす。
11.ハイランジパルス
5回呼吸
行い方:可能であれば、ハイランジの姿勢から、息を吐いて後ろの膝を床に近づけ、息を吸いながら膝を伸ばしてハイランジに戻る。5回繰り返す。
12.プランクポーズ
息を吸う
行い方:おへそを背骨のほうに引き込み、体幹を引き締める。大腿骨と大臀筋を引き締め、膝裏を空のほうに押し上げる。両手に目線を落とし、首の力を抜く。難しい場合は両膝をマットに下ろす。
13.チャトランガダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)
息を吐く
行い方:肘を曲げ、体を床と平行になるまで下ろす。
14.ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ(アップドッグ)
息を吸う
行い方:足の甲を床に下ろし、両手で床を押し上体を起こす。
15.ダウンドッグ
息を吐く
8~15番のポーズを反対側でも繰り返す。
ラウンド2
16.チェアポーズ
1回呼吸
17.ハイランジ
5回呼吸
18.ハイランジパルス
5回呼吸
19.チャトランガプッシュアップ
2~5回呼吸
行い方:プランクポーズから、息を吐いてチャトランガに入り、息を吸ってプランクポーズに戻る。
20.アップドッグ
息を吸う
21.ダウンドッグ
息を吐く
16~21番のポーズを反対側でも繰り返す。
ラウンド3
22.チェアポーズ
1回呼吸
23.ハイランジ
5回呼吸
24.ハイランジパルス
5回呼吸
25.ハイランジパルスステップアップ
5回呼吸
行い方:左膝を床の上ぎりぎりまで下ろす。両脚を引き締めて、右足で立ち上がりながら左膝を胸に近づけ、再び左足を一歩後ろに引いてハイランジに戻る。5回呼吸しながらリズミカルに繰り返す。
26.チャトランガプッシュアップ
2~5回呼吸
27.アップドッグ
息を吸う
28.ダウンドッグ
息を吐く
22~28番のポーズを反対側でも繰り返す。
ラウンド4
29.チェアポーズ
1回呼吸
30.ハイランジ
5回呼吸
32.ハイランジパルスステップアップ
5回呼吸
33.チャトランガプッシュアップ
2~5回呼吸
34.アップドッグ
息を吸う
35.ダウンドッグ
息を吐く
36.ジャンプで入るバカーサナ(鶴のポーズ)
2 ~ 5回呼吸
行い方:息を吐いて両膝を曲げる。目線を前方に移し、息を吸って肘を曲げ、マットの前方にジャンプしながら、膝を上腕三頭筋にのせる。29 ~ 36番のポーズを反対側でも繰り返す。
クールダウン
37.ウィンドシールドワイパー
8回呼吸
行い方:両膝を左右に倒しながら、腰まわりの力を抜く。
38.仰向けのねじりの応用
5回呼吸
行い方:両膝を左側に倒す。右足首の外側を左腿に押し当てる。右腿を左手で押して上体から遠ざける。膝を守るために、両足首を直角に曲げておく。
39.セツバンダ
サルヴァンガーサナの応用(橋のポーズ)
2 ~ 4回呼吸
行い方:左足のかかとで床を押しながら、腰を引き上げる。右膝を重力にゆだねて床に近づけながら、気持ちよくストレッチする。終わったら、両膝を右側に倒し、38 ~ 39番のポーズを繰り返す。
40.橋のポーズ
息を吸う
5回呼吸
行い方:膝に痛みがある場合は、足首をつかまずに行う。
41.シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)
息を吐く
5 ~ 10分行う。
指導&モデル●元NFL選手のデリク・DJ・タウンゼルは、現在はパーソナルトレーナー、国際的なヨガインストラクター、TVパーソナリティ、ブランドアンバサダー、実業家として活躍している。dade2shelby.net
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