ビジネスパーソンが実践するセルフ・コンパッションとは|マインドフルネスとの違い

ビジネスパーソンが実践するセルフ・コンパッションとは|マインドフルネスとの違い
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石上友梨
石上友梨
2020-09-16

マインドフルネスと同じくらい注目を集めているのが「セルフ・コンパッション」。具体的にどのようなメソッドなのでしょうか?

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セルフ・コンパッションとは、アメリカのクリスティン・ネフ先生が概念化したもので「自分への慈悲」と訳されることが多いものです。「慈悲」という言葉はなかなか聞き慣れないと思います。自分への思いやりや優しさ、自分自身に寄り添うことと考えると、イメージしやすいでしょう。今回はビジネスパーソンが実践するセルフ・コンパッションについてご紹介します。

ビジネスパーソンがセルフ・コンパッションを高めるメリット

ビジネスパーソンにとって、セルフ・コンパッションを高めるメリットとして以下のようなものが考えられます。

1.心身の健康管理につながる

自分を大切にすることで、心身の健康管理ができます。例えば、早く寝たり、リラックスする時間を作ったり、身体の不調を感じたら早めに病院に行くなど、早めに自分をケアすることができるようになります。

2.共感力が向上する

自分の感情に気づき受け入れることは、他者の感情にも気づき共感することにつながります。他者に対してイライラすることが減り、自分の感情に振り回されず感情コントロールにもつながり、人間関係が良好になります。

3.物事を客観的に観れるようになる

今の状況を良い面・悪い面など幅広い視点から客観的に眺めることできます。物事を多面的に分析することで、より効果的な方法や改善策などを検討することができます。

4.モチベーションが高まり、行動が変わる

問題から目をそらさないようになること、気持ちが安定し落ち着いて対処できることで、変化を怖れず、その時に必要な行動を選択できるようになります。

マインドフルネスとセルフ・コンパッション

コンパッションという概念は仏教がルーツです。仏教がルーツと聞くとマインドフルネスを想像する方も多いと思います。マインドフルネスとコンパッションはコインの裏と表と表現されることもあり、切っても切れないものです。日本では主にマインドフルネスが実践されています。マインドフルネスとは、「今のこの瞬間に意識を向けること」「よし悪し判断せずにあるがまま受け入れること」です。マインドフルネスを実践するために、私たちは物事にありのままに目を向ける必要があります。しかし、私たち人間にはネガティビティバイアスといって、ネガティブな方にばかり目を向けてしまう性質があります。特に自分自身のことになると、ネガティブなことばかり目についてしまうと思います。このようにネガティブなものに注意が向く性質があるので、良い面、悪い面、それぞれ平等に目を向けるためには、意識的に良い面に注意を向けることでバランスが取りやすくなるのです。さらに、自分自身のネガティブなものに目を向けることは痛みを伴います。傷ついたり自信がなくなる気がして、ついつい目をそらしたくなります。自分自身に思いやりの心を持ってこそ、安心感・安全感が高まり、ネガティブな部分に安心して目を向けることができます。落ち着いた気持ちで自分の良い面にも悪い面にも気づき、客観的に自分自身を見つめることで、人は前に進もう、挑戦していこうという意欲が出てくるのです。

セルフ・コンパッションを高める方法

それでは、セルフ・コンパッションを高める方法をご紹介します。それは、「自分への言葉かけを変える」ことです。みなさん、自分自身に向けて様々な言葉をかけていると思います。例えば、「もっとしっかりしなきゃ」「なんて自分はダメなんだろう」など、批判的なひとりごとをつぶやいている場合があると思います。半ば無意識にやっていることもあれば、意識的にやっていることもあるでしょう。このような批判的・否定的な言葉をかけている時、まずはリアルタイムで気づくことが大切です。自己批判的なひとりごとに気づけないと、自己批判の影響を受けやすく、ネガティブな感情に巻き込まれやすくなります。気づいたら、その言葉かけを変えていきましょう。どのように変えるかというと、セルフ・コンパッションのある言葉に変えていきます。例えば、「この状況だと辛くなるね」「大丈夫」「ちょっと深呼吸しようか」と、共感的で思いやりのある言葉に変え、「誰でも失敗するときはあるよ」とまるで大切な人にかけるような言葉を選びます。叱咤激励して緊張感を持つよりも、暖かい言葉かけをして安定した気持ちの方が高いパフォーマンスが発揮でき、成長する力につながります。

今回は、ビジネスパーソンに必要なスキル「セルフ・コンパッション 」について紹介しました。物事の良い面と悪い面に平等に気づくことは、ビジネスパーソンにとって大切なスキルとなります。セルフコンパッションを取り入れることで、客観的な視点を持ち、自分を大切にしながら、自分にとって必要な行動を選択し、ビジネスパーソンとしての成長につなげてください。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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