「妊娠適齢期」や「妊娠と年齢の関係」正しく知っていますか?【不妊治療の現実】

 「妊娠適齢期」や「妊娠と年齢の関係」正しく知っていますか?【不妊治療の現実】
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卵子凍結という選択

そこで期待されるのが卵子の凍結保存。体外に取り出した卵子を凍らせて保存し、のちに解凍した卵子が精子と出会い、受精卵となって子宮にもどされます。

元々はがんの放射線治療によるダメージから卵子を守るための方法でした。
2014年からアメリカのFacebookやGoogleなどの企業が従業員の卵子凍結にかかる費用のサポートをはじめ、働く女性の選択肢のひとつとなり、日本でも福利厚生に取り入れる企業が出はじめています。若いうちに良い卵子を保存しておくことは老いを止められるために有効な方法です。

まだパートナーと出会っていない、つき合っているけど結婚はまだ先になりそう、今の仕事をやり遂げてから子どもを授かりたい、などの理由から未来のこどものための保険として安心を手に入れられると思うかもしれません。ですが、不妊治療同様に妊娠・出産できるという保証はありません。数個だけでは心配だから何十個と卵子を取ることになると、体に負担がかかりますし、費用もかかります。子宮にもどすための移植費用にかかる30万円ほどは自己負担、パートナーからの同意も必要です。また、卵子の老いは止まっても迎える身体の老いは止められないため、妊娠合併症のリスクは上がり、出産・育児にかかる体力面の不安要素も出てきます。

あなたらしいライフプランを立てるために

もし、将来なりたい自分のイメージの中に子どもがいるのなら、正しい知識を得た上でライフプランを考えましょう。と言ってもネットには正しい情報ばかりが出ているわけではありませんので、ここが難しいところです。自分にとって都合よく解釈してしまうのも危険なので、生殖心理カウンセラーなどの専門家に相談してみるのもひとつの方法です。

あの人が言ったから…何となくそういう風潮だから…などで決めてしまうと、実際に思うようにいかなくなったときに、こんなはずじゃなかった…と思うかもしれません。でも選択してきたのは自分なので、誰も責めることはできないですし、時間を戻すこともできません。
あなたらしい人生を選択する力は皆さん自身が持っています。内なる心に耳を傾けて人生を選択してゆきましょう。

参考図書:誰も教えてくれなかった卵子の話
NPO法人Fine ~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~

ライター/わたなべまさよ
妊活ヨガセラピスト[不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師]不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。長期の不妊治療で体と心のバランスを崩したときに毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで妊活講座の講師やヨガとカウンセリングを併用した妊活ヨガセラピーを行っている。「おやすみ前のリラックスヨガ」22時から20分間オンライン(Zoom)で土曜日をのぞく毎日開催。LINE登録で1ヶ月体験無料。詳しくはホームページまで 

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