大人の女性の発達障害|生きづらさを感じた時の対処法とは
俳優になりきる
ある発達障害の女性の方は、母親から上手に生きるために「女は女優よ」とアドバイスを受けました。それを聞いた彼女は、目標とする人物の言動や振る舞い方を観察し、必要な場面で真似てみることにしたそうです。四六時中誰かの真似をしていたのでは、本当の自分がわからなくなってしまうかもしれません。しかし、必要な場面、苦手な場面など要所要所で誰かの真似をしてみることは、対人関係をうまく乗りこなすヒントになります。例えば、人前でプレゼンをする時、話すのが上手なyoutuberのAさんの真似をしてみる等です。どんな立ち方でどんなジェスチャーでどんな声のトーンでペースなのか...と観察し、実際に真似をしてみます。この際に役割を意識することも大切です。俳優さんは〇〇の役として演技をします。この役割意識は、スイッチを切り替え、その場その場に合わせた立ち振る舞いを取りやすくなるポイントとなります。また、役割を意識することで、役割を終えた後に自分に戻りやすくもなります。
地道な作業ですが、パターンごとの学習が着実な方法です。自分の発言の後に、周囲の人間の表情がどう変化するか、会話など集団の流れがどう変化するか、よく観察してパターンごとの適切な発言を学習します。真似をして修正を繰り返すことで、自分オリジナルのパターンが出来上がると思います。しかし、頑張りすぎると疲れます。ほどほどが大事です。
自分を生かしてくれる言葉の魔法
私たちは言葉で生きています。誰かの言葉に傷つけられることも多いですが、逆に誰かの言葉に救われることもあります。今まで言われて嬉しかった・出会って救われた言葉を書き留め、大切にすると良いでしょう。手帳に書いたり、壁とか目に入る場所に貼ったりしても良いと思います。何かあったとき、その言葉から勇気をもらい、活力にすることができます。
こだわりを対人関係に生かす
それぞれの方が、こだわりがあると思います。こだわっている部分なら、とことん調べてとことん極めることができるでしょう。そんな自分の強みを他者とのコミュニケーションに生かしていきましょう。例えば、こだわりの対象が他の女性が好みやすいものな場合は、そのこだわりをきっかけに対人関係の輪を広げることができます。例えば、化粧品、ファッション、スイーツなどでしょうか。その分野のエキスパートになることで、他の特性の部分も「個性」とポジティブに捉えられるケースが多いです。もし、自分のこだわりが一般受けしなそうだなと思うのでしたら、SNSなどを使って対人関係を広げましょう。今は、周囲に共有できる人がいなくても、オンラインで仲間を見つけやすい時代です。こだわりを極めておくことは、将来の職業選択においても有利な場合もあります。
今回ご紹介した対処法が少しでも参考になれば嬉しいです。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
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