その生きづらさ、もしかして...大人に見られる発達障害の特性とは|臨床心理士が解説

 その生きづらさ、もしかして...大人に見られる発達障害の特性とは|臨床心理士が解説
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石上友梨
石上友梨
2020-06-08

みなさんは、大人の発達障害についてご存知でしょうか。最近はNHKなどで特集されていることも多いですね。発達障害の特性を見ていると自分にも当てはまる気がして気になっている方も多いかもしれません。今回は、大人の発達障害の方にカウンセリングを行っている臨床心理士が発達障害についてご紹介していきます。

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発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境のミスマッチから、社会生活に困難が生じる障害のことです。発達障害は見た目からは分かりにくく「本人の努力不足」や「不真面目」「変わった人」などと誤解や批判を受けることも多く、発達障害の特性を持った方が二次的にうつや睡眠障害になり、医療機関を受診するケースもあります。また、叱られること、うまくいかない経験が増え、自信や自己肯定感が育ちにくい場合も多いです。

発達障害は、本人の努力が足りなかったわけでも、親の育て方が悪かったわけでもなく、何か一つの原因によるものではありません。そして、脳機能の問題がベースにあるのです。

発達障害は、アメリカ精神医学会による診断基準(DSM)が改正されるたびに、診断基準が変わったり、診断名が統合されたりしています。

発達障害は以下に大別されます。

1.自閉症スペクトラム障害(ASD)

コミュニケーションや対人関係の苦手さ、こだわりの強さ、柔軟に考えることや想像することの苦手さがあります。

2.注意欠如多動性障害(ADHD)

不注意、多動性、衝動性などの特徴があり、大人になってからは多動傾向は収まり、不注意傾向が残りやすいとも言われています。

3.学習障害(LD)

学習障害は、「読む」「書く」「計算する」といった特定の能力に大きな苦手さがあるものです。

4.発達性協調運動障害

発達性協調運動障害は、協調的運動のぎこちなさ、全身運動の苦手さ、手先の不器用などがあるものです。

発達障害は、特性をどれくらい持っているのかというグラデーションで考えます。それなので、傾向の強い人から弱い人まで存在します。そして、自閉症スペクトラム障害とADHDなど、複数の傾向を持つ場合があります。診断名にとらわれることなく、社会生活の困難さが大きい人に対して、その困難を理解したり、適切な対処を取ったり、よりよい支援を受けるために診断名があると考えてもよいかもしれません。

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