その生きづらさ、もしかして...大人に見られる発達障害の特性とは|臨床心理士が解説

 その生きづらさ、もしかして...大人に見られる発達障害の特性とは|臨床心理士が解説
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石上友梨
石上友梨
2020-06-08
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日常生活でどんなことに困るの?

それでは、大人の発達障害の方は、日常生活でどのようなことに困るかご紹介します。

あいまいなものが苦手

感情など曖昧ななものを読み取るのが苦手です。相手が何を考えているのか、どんな気持ちでいるのか想像することに困難さがあります。相手だけではなく、自分の気持ちや身体の状態を自覚するのも苦手です。気持ちに振り回されてしまい、コントロールしづらい場合もあります。また、表情や些細な変化を読み取りづらく、過敏に反応してしまったり、読み間違えてしまったり、時には見落とすこともあります。

コミュニケーションが苦手

言われたことを理解する際に、他の方と解釈のズレが生じることがあります。また、相手に伝える際に、独特の表現を使ったり、わかりにくい表現をして相手にうまく伝わらないことも少なくありません。遠回しになったり余計なことを言ってしまったり、もしくはストレートに言い過ぎることもあります。また、言葉の裏にある意味や行間を読むことが苦手です。言われたことをそのままの意味として受け取ってしまうこともあります。

変化が苦手

法則性や規則性のあるものを好み、その法則や規則が崩れると強いストレスを感じます。マイルールや自分なりのやり方を大切にします。突然の予定変更を迫られて混乱することもあります。部署替えや引越しなど環境の変化も苦手です。

集中力にムラがある

一度手を付けると熱中しすぎて周りが目に入らないこともあります。しかし、興味が持ちづらいことなど、集中力を保つことが難しかったり、別の刺激に注意がそれやすい傾向もあります。

落ち着きがない

じっとしているのが苦手で落ち着かず、貧乏ゆすりなど、目的のない動きをしてしまうことがあります。身振り手振りが多かったり、周囲からは落ち着きがないと言われる。また、不安・緊張場面などで気持ちを落ち着かせるために、動きすぎてしまったり、ペンをカチカチするなど同じ動作を繰り返すことがあります。

ミスや忘れ物が多い

ケアレスミスや忘れ物、なくし物が多いです。また、見通しを持つことが苦手なため、時間管理や計画を立てるのが苦手な場合もあります。仕事や試験勉強などギリギリになってしまい、最後は無理をしたり徹夜したり仕上げることもあります。仕事や作業を順序だてて行うことも苦手かもしれません。

衝動的な行動が多い

思いつきで行動してしまったり、言わなくてもいいことをつい言ってしまったり、考えるより先に動いてしまうことがあります。例えば、思わず大きい声で怒ってしまったり、思いつきで買い物をしてしまうことがあるかもしれません。

発達障害

今回は、大人の発達障害の方が日常生活で困ることの一部を紹介しました。もちろん、今回ご紹介した以外のこともあります。多少の傾向は誰にもでもあるものです。まずは、自分の特性をしっかりと自覚することです。自覚することで対処することができます。もし、発達障害に関する特性で生活に支障が出ていたら、専門機関に相談することも一つの方法です。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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