暇潰しだったはずが...「ゲーム症/ゲーム障害」に陥らないためにできること
最近ではスマートフォンやタブレットで気軽にできるゲームの種類も多くなっており、暇潰しのために始めたのに、いつのまにか「最近ちょっとやりすぎかも?」と思っている人も多いようです。
「ゲーム症/ゲーム障害」
2002年頃から徐々に韓国などの国でゲームのしすぎで倒れたり亡くなったりした人が出始め、社会的な問題として取り上げられるようになりました。
それを受けて2013年にはアメリカ精神医学会がDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の中でオンラインゲームに関して「インターネットゲーム障害」として記述し、今後の研究を推奨するための病態として示しました。ネット依存専門病院のHPにあるインターネットゲーム障害のチェックリストなどを使ってチェックすることができます。
また、2018年にWHO(世界保健機関)が公表したICD-11(国際疾病分類 第11版)には、嗜癖行動による障害の中に、オンライン・オフラインを問わない「ゲーム症/ゲーム障害」が加えられました。 ICDによれば、普段の生活が破綻するほど重症な、持続的かつ反復的な行動パターンが少なくとも12か月以上続いているかどうかが診断の基準になるようです。
ゲーム症/ゲーム障害の主な特徴
・ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない
・日常生活よりもゲームを最優先にしてしまう
・ゲームによって生活にネガティブな結果が生じている場合でもゲームを続ける、またはエスカレートさせる
・この状態が個人、家族、社会、教育、職業、またはその他の重大な領域に重大な悪影響をもたらすほど重症である
ゲーム症/ゲーム障害をめぐる様々な意見
現在各国では2022年のICD-11発効に向けて準備を進めている段階で、各国で様々な議論が起きています。
ゲームへのめり込みを疾病として捉えることに対する反対の他、「内容の精査にもっと時間をかけるべきだ」という意見もあります。「ゲームをしすぎることはメンタルヘルスの問題であり、うつ病と関連している」という専門家や、「どんなゲームを好んでいるか?」「どれぐらい長時間ゲームをしているか?」などを細かく見た方が良いという意見もあります。
2019年の「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート結果」(回答者5,096人)によると、「ゲームを止めなければいけないときにしばしばゲームを止められませんでしたか」「ゲームが腰痛、目の痛み、頭痛、関節や筋肉痛などといった体の問題を引き起こしていても、ゲームを続けましたか」「ゲームにより、睡眠障害(朝起きれない、眠れないなど)や憂うつ、不安などといった心の問題が起きていても、ゲームを続けましたか」など多くの項目において、一日あたりのゲームプレイ時間が長い人ほど「はい」と答えた割合が多かったことがわかりました。
2020年4月1日に香川県で「ネット・ゲーム規制条例」が施行されたことも議論を呼んでおり、国内でも注目が集まっています。
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