「寝る前スマホ」で脳に老廃物が溜まる?脳疲労の原因と食事による対策「ブレインフード」とは
近年、書籍やテレビ番組で「脳トレ」が取り上げられたりと、脳機能の維持や増進への注目が高まっています。脳トレと言えば、パズルや体操などが取り上げられがちですが、実は食事でもケアできること、ご存知でしたか?
脳疲労とは一体何か
就寝前のSNSチェック、それによる慢性的な睡眠不足。仕事や私生活でのストレスなどにより、脳に老廃物が溜まった状態を「脳疲労」と言います。この状態を放置すると、最終的に認知症にまで至ってしまう可能性があります。「脳疲労」の要因である睡眠不足やストレスなどは、常に現代人の身の回りに潜んでおり、それぞれに対策を立てることは難しいもの。しかし、日常の食事に取り入れることで脳ケアにつながる食品があります。「食べることで脳の機能が上がる食品」を、ブレインフードと呼んでいます。このブレインフードを日々積極的に採り入れることで、脳疲労を解消することができるのです。
脳疲労チェックリスト―あなたはいくつあてはまる?
□食事が美味しくないと感じることが多くある
□夜中に目覚めやすい
□便秘がち
□集中力が続かない
□判断力が低下したと感じる
□物忘れが多い
□考えがまとまりにくい
□体を使っていないのに疲れを感じる
□無気力になることがある
□いつもイライラしている
□気持ちが沈んで暗い気分になる
□何もないのに不安に感じることが多い
・1~3個の人:脳疲労レベル低
・4個以上7個以下の人:脳疲労レベル中
・8個以上の人:疲労脳レベル高
脳疲労レベル中の人は、脳疲労予備軍の可能性があり、脳のゴミが溜まっている状態と考えられます。日頃から脳の健康を意識して、脳ケアに気を付けることが重要です。脳疲労レベル高の人はさらに注意が必要と言えます。
身近なところで手に入るブレインフード
明確な定義はありませんが、脳の活性化のために必要な栄養素の含まれる食品がブレインフードと呼ばれています。しかし、一言にブレインフードと言っても、その効果は様々。主な成分と、それが含まれている食品をご紹介します。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
青魚に多く含まれる。脳の老化を防止し、記憶力を維持。
PS(ホスファチジルセリン)
大豆・大豆製品に多く含まれる。脳のゴミの排出を行う。記憶力維持。
チョコレート(カカオ)
ー加工の少ないローカカオがお勧め。認知力向上が期待できる。
αリノレン酸
くるみ、ナッツ類に多く含まれる。脳の老化防止、記憶力維持。
アスタキサンチン
エビ、鮭などに含まれる色素。強い抗酸化作用や抗炎症作用。
クルクミン
ウコンに含まれるポリフェノール。抗炎症作用の他、幅広い作用。
ミルクペプチド
牛乳由来のペプチド。抗ストレス、睡眠改善作用。
教えてくれたのは…矢澤一良教授
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 研究院教授
「日本を健康にする!」研究会会長として、健康的な食生活のための間食の重要性を説く「機能性おやつプロジェクト」を推進。1972年京都大学工学部工業化学科卒業。2014年4月より現職。ヘルスフード科学、脂質栄養学、海洋微生物学、食品薬理学を専門とする。学術論文を130報以上発表(共著を含む)、300件以上の特許を出願している。著書に『機能性おやつ』扶桑社(2012)等がある。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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