リラックス脳が体をゆるめる!硬い体をほぐすための4つのイメージ
初心者、体の硬い人がヨガを行うときは、一生懸命に体を柔らかくしよう、ポーズをとろうとして逆に体を硬くしてしまい、一向に柔らかくならないというケースが起きやすい。そんなときは日常生活のエピソードを思い出して、身構えてしまっている体をほぐしてあげるのが有効。日本を代表するヨガ指導者の綿本彰先生に、脳をリラックスさせるイメージについて話を聞いた。
張して体が硬くなった状態でヨガをするのは、筋肉の鎧を着てポーズするようなもの。ただ初心者や体の硬い人がこの緊張を取ろうとすると、一生懸命リラックスしようとして、むしろ体に力が入ってしまうことも多い。このとき緊張しているのは、首と胸の2ヵ所。この2ヵ所は呼吸と密接な関わりを持っていて、私たちが強引に物事を行おうとすると特に緊張しやすいポイントだ。初心者は、過去にこの部位がリラックスしていた場面を思い出すことで、自然な脱力を引き起こすことができる。できればポーズをとっている最中にこういったエピソードを思い出し、強引な気持ちをリセットして脳をリラックスさせ、身構える体をゆるめてポーズの完成度を高めていこう。
胸の奥がゆるんで呼吸がやわらかくなるエピソード
好きな人に抱きついたらいい香りがしたとき
思い出してみよう。好きな人の近くにいたとき、あるいは抱きついたとき、ほのかに素敵な香りがしたときのこと。呼吸が内側からやわらかくなって、息をするのがとても気持ちいい状態。とても落ち着く感じがして、とても幸せな感じがして、息をする度に、その人の素敵な香りが気持ちよく肺を満たし、その胸の奥が溶けてしまいそうになる感じ。ずぅーっとその心地のいい香りに包み込まれたまま、気が済むまでゆったりと息をしていたいって思えるような気持ちのいい呼吸。きっと型にはまった呼吸法をするよりも、ずっとずっと気持ちよくてやわらかいこの呼吸を、できればポーズ中に思い出し、味わい尽くしておこう。
気の合う仲間と意気投合していたとき
思い出してみよう。心を許せる仲間、気の合う仲間と意気投合していたときのこと。楽しい話題に花が咲き、考えていることがほぼ同じで、話をしているだけでとても気分がよく、何を言っても会話が噛み合って止まらない、とてもとても楽しいひととき。その人に対して完全にオープンになっていて、思っていることが自然とあふれ出して言葉になり、言いたいことが素直に言えているときの、胸の奥がすっきりとしている状態を思い出してみよう。呼吸がとても軽くてまろやかで、楽な感じ。胸の奥が軽くて爽快で、気持ちのいい呼吸が自然と繰り返されているこの感じを、ポーズを行っている最中に思い出してみよう。
喉の奥がゆるんで呼吸がやわらかくなるエピソード
我慢していたトイレに行けたとき
思い出してみよう。かなり長い時間トイレを我慢した後に、やっと辿りついたトイレで用を足したときのこと。思わず「はぁー」っていうため息が漏れ、体中の緊張がすべて溶け出していくあの感じ。ほっとして肩の力が抜け、心地よさに首の力も抜け、体中から力が抜けていく何とも言えないあのくつろいだ感じ。とりわけ喉や首の緊張がため息とともにゆるみきり、芯のほうから溶け出しては流れ落ち、とても満ち足りて心地いい感覚が訪れるあの感じ。そんな心地のいいくつろぎの感覚を、ポーズ中にゆったりとした呼吸とともに思い出し、脳の緊張を解消してあげよう。
電車の中で船をこいでいた時
思い出してみよう。仕事でくたくたに疲れた日の、自宅に帰る電車の中。強烈な睡魔が襲いかかってきて、眠っちゃいけないと思えば思うほどに眠気は強くなり、そしてまどろみの中でカクンと船をこいでしまったときのこと。何ともいえない心地のいい気だるさ。とりわけ喉や首の力が一瞬、完全に抜けて無重力になるようなあの感覚。握り締めていたものをすべて明け渡すような、こだわりをすべて放棄するときのような、ふんわりと心地のいい脱力感。頭の中が無抵抗になり、空っぽになるこの感じを、できればポーズ中に思い出し、そのときのくつろぎを取り戻してみよう。
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