トラウマをヨガで対処する｜トラウマセンシティブヨガとは何か

行動は実際に起こさないと、どんな効果があるか分からないです。不快だった身体反応が軽減するか分かりません。だからこそ、行動してみて効果があるか検証します。試してみることで、自分にとって効果的な行動がどんどん分かっていきます。

私はヨガを通して、「休む」という選択肢を知りました。何年も前の私は、休むことは「悪い」ことだと思っていたのです。しかし、「必要な時に休む」ことはとても大切です。そして、「一旦休むことでポーズが更に深まる」ことに気づきました。言葉にすると簡単なことですが、ヨガを通して体験するのと、頭で考えることは別物です。

トラウマセンシティブヨガを体験して

まずは、プレッシャーがないことを実感しました。トラウマセンシティブヨガは、みんなが同じように動き始めますが、各々座ったり立ったりしています。それぞれ違う方向を見ているし、ポーズも様々です。ヨガマットという枠の中で思い思いに動いているので、他人と比べようがないです。ヨガで「他人と比べない」と言われつつ、みんなが同じポーズを取っていると比べてしまいます。そのプレッシャーから解放されたのは新鮮な体験でした。ヨガを通じて、自分の体に耳を傾け、動きたいように動く。どう動いていいか分からないときは、選択肢が提示される。その気づきと選択する力をヨガマットという守られた空間で育む。トラウマセンシティブヨガは、自分オリジナルのヨガをとても大切にされているような体験でした。

ライター／石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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