トラウマをヨガで対処する|トラウマセンシティブヨガとは何か

 トラウマをヨガで対処する|トラウマセンシティブヨガとは何か
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石上友梨
石上友梨
2020-04-12
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自分で選ぶこと

トラウマセンシティブヨガの先生は、「もしよかったら」「準備ができていたら」「もしかしたら」という誘いの言葉を使い、「〜してください」といった指示的な言葉は使いません。ポーズや動作を強制せず、代わりに選択肢を提示したり、「こんな方法もあるよ」と声かけをして、「ポーズを取るか取らないか」、「ポーズを取るならどんな風に取るのか」、「手をあげるならどれくらいあげるのか」など、決定権は全て自分にあります。

誰かからの指示や周囲からの同調圧力など外部からの情報ではなく、自分の気持ちや身体感覚など内部の情報に気づき、それを元に自分で選択します。

例えば、私はワークショップの終盤に、体の疲労感を感じました。そこで先生や周囲に合わせず、何もせずヨガマットの上で正座をし続けました。「何もしない」という選択肢を取りました。

トラウマに悩む方は、当時自分で選択できない環境にいた方が多く、「他人や周囲に従わねば」と無意識的に反応してしまうことが多いです。それは辛かった時期に、従うことで身を守るための行動だったかもしれません。行動は繰り返すことで、習慣化していきます。

今まで無意識的に外部に合わせていたところを、自分の内部に意識を向けて行動することで、トラウマの影響から離れられる可能性があります。自分の気持ちや身体の感覚をもとに、自分で自分のために行動を選ぶことです。しかし、それをいきなり実生活でやるのはハードルが高いです。いずれ実生活できるようになるため、その練習をヨガでやるというわけです。

効果的な行動をとること

最後に、効果的な行動を取ることです。身体感覚をもとに行動すると、不快だった身体反応が軽減することがあります。例えば、「足がしびれていてポーズを変えると足が楽になる」「体側を伸ばすと呼吸がしやすくなる」などです。

効果的な行動を取ることは、自分に意識を向けて、自分を大切にしないとできないことです。長くトラウマを受けていると、効果的な行動を取れないこと、不快な状態に耐えてしまうことがあります。

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