出産を経て、固執しない大切さを学んだ|ある母親のプラクティスへの見解
アシュタンガヨガのティーチャーであり、プロのロッククライマーでもあるオリビア・スーさんは、母親業について、そして息子が生まれた後、ヨガのプラクティスがより自由になった理由について語ってくれました。
子供を持つということは決して大きな目標ではありませんでした
私の人生において子供を持つということは決して大きな目標ではありませんでした。私は特に子供がすごく欲しかったり、望んだりしていたわけではありませんでした。そして突然母になることになったことは天からの贈り物でしたし、信じられないほど素晴らしい経験となっています。育児は、あらゆるレベルにおいて究極のプラクティスとなっています。そして、広い視野で物事を考えながら、新たなレベルの今という一瞬の時に集中する必要があります。
以前、私は今を生きるというのはもっと束の間のことだと思っていました。あらかじめ設定された時間に集中し、目的が終わったら、もうそのことについては考えない、そんな感じでした。しかし、息子のウォーカーが生まれた後の4週間、私は1日12時間息子を抱っこし続けていました。その時間はただただ過ぎ去るだけでした。夜中の3時、子供におっぱいをあげるために起きるというのは、他人と時間を過ごすのとは全く次元が異なります。
かつては何でも一定の方法でやらなければいけないと思っていました
ヨガをプラクティスするために、かつては何でも一定の方法でやらなければいけないと思っていました。以前ヨガをするためには、清潔で整えられた部屋、フィットしたヨガウェア、そして空腹の状態であることが必要でした。丸々2時間確保できない場合にはヨガスタジオに行くことすらできませんでした。
今はどうかといえば、ウォーカーが昼寝をしている間に2、3回太陽礼拝をし、それから彼のそばにいるため、2階に向かいます。彼が眠りに落ちたら、また一階に戻ってヨガを続けます。今はこんな感じで途切れがちなプラクティスをしています。しかし、このプラクティスのおかげで道具や環境が揃っていなくても気にならなくなりました。
マットの上でできるというだけで贅沢で素晴らしい時間です。今はご飯を食べた直後でも気になりません。パジャマを着たままでも大丈夫。私のプラクティスで重要なのは時間なのです。
見た目とどう感じるかに違いがあることを学びました
見た目とどう感じるかに違いがあることを学びました…そして最終的には、どう感じるかの方がずっと大切です。周りの人は私を見て、「赤ちゃんがいるようには見えない」と言いますが、私はポーズを取る時に体が硬いな、と感じます。また最近、マウンテンバイクに乗った際、産後体力が落ちてしまい、上り坂を歩かなければいけませんでした。
ゆっくりと体力を取り戻しています
私は、産後あまりにもすぐにヨガや登山やランニングを再開して、けがや脱臼をしまう人をたくさん知っています。そこで私は骨盤底の専門家と一緒にワークを行なっています。また、キンバリー・ジョンソンさんの著書「The Fourth Trimester」を読みましたが、回復する上で非常に役立ちました。医師が何かをする際に「3か月待つように」と言ったら、3か月しっかり待つようにしています。しかし、それには多くの忍耐と規律が必要です。私はヨガのプラクティスからそれを学びました。
何も失ったとは思っていません
妊娠前は登山をたくさんしていましたし、ヨガのプラクティスもしばらく休まなければいけませんでしたから、素の自分に戻るために一生懸命努力しました。これは煩悩(心身を妨げる心の動き)のレッスンであり、受け流せば良いのです。何かにしがみついて一定の方法に固執していると、いざ調整が必要になったり、それ以上できなくなったりした場合には腹を立ててしまうでしょう。
モデル…オリビア・スーさん
オリビア・スーさんは、コロラド州ボルダー在住のアシュタンガヨガとハタヨガのティーチャー。詳しい情報はこちら。
教えてくれたのは…アマンダ・タストさん
アマンダ・タストさんはコロラド州ロングモント在住のYoga Journalのシニアエディター。現在はリストラティブヨガをしたり、新しい料理にチャレンジしたり、2人の子供と走り回るのを楽しんでいる。
ヨガジャーナルアメリカ版/「Redefining Your Practice after Motherhood」
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