最も安全な「ヘッドスタンド」への入り方とは
研究結果からわかること
では、ヘッドスタンドは安全なのだろうか。この研究から決定的な答えを出すことはできないが、これはヘッドスタンドをしている間に首に加わる荷重を数値化した最初の研究であり、安全性の議論をさらに進めていくうえで役立つはずだ。ただし、(三点倒立など)ほかのヘッドスタンドは検討していないことと、初心者に関するデータではないことを覚えておいてほしい。動きを制御しながらゆっくりポーズに入れば、首と頭にある程度の重さが加わっても安全である可能性が高いと私は信じている。裏を返せば、動きを制御せずに勢いよく蹴り上げてポーズに入ったり出たりすると、首と首を支えている部分に、捻挫や骨折や神経系の合併症の危険がある。私は安全を確保するために、3つの入り方のうち最も難しい方法(つまり両脚を伸ばして両脚一緒に上げる方法)を練習することをお勧めする。頭頂部に加わる力が最も小さく、体重による荷重速度の値も最も小さいことが今回の研究で明らかになっている。
私がどのようにヘッドスタンドを指導しているか
最後に、このポーズを練習する手順とコツを紹介したい。・腕や頭、首をブランケットにのせて、高さの調整をする。・前腕の内側と外側をマットに押し下げながら、同時にこの部分をマットから引き上げようとする。・最低8回呼吸する間、この共縮(主動筋と拮抗筋が同時に収縮すること)を続けたのち、両足を引き上げ始める。・足をブロックにのせて練習を行う。ブロックの次は椅子に足をのせて、肩の上に骨盤を上げる。・徐々にヘッドスタンドに入っていく。・心的、身体的不調があるときは練習を避ける。
指導/ジュール・ミッチェル
サンフランシスコでヨガインストラクター、教師、マッサージセラピストとして活躍している。ヨガ指導者養成講座に尽力する傍ら、世界中でワークショップを開いている。今年『Yoga Biomechanics: Stretching Redefined』が出版される予定。詳しくはウェブサイトへ。julesmitchell.com
モデル/ロビン・カポビアンコ(博士)
生体力学を専門分野として学び、研究を行っている。詳しくはウェブサイトへ。drrobyncapo.com
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く