「味を薄くする」は卒業!50代からの賢い減塩の選び方と、夏のつるっと玄米麺レシピ【管理栄養士監修】

「味を薄くする」は卒業!50代からの賢い減塩の選び方と、夏のつるっと玄米麺レシピ【管理栄養士監修】
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松田 真紀
松田 真紀
2026-07-12

「健康診断で血圧が少し高くなった」 「最近むくみやすくなった」 「暑くて冷たい麺ばかり食べている」 そんな50代女性に知っていただきたいのが、夏の食事と腎臓の関係です。 今回は管理栄養士の視点から、減塩のポイントと、塩分を控えめにしやすい「納豆とオクラ、めかぶ、梅酢大根のさっぱり玄米麺」をご紹介します。

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むくみやすい、疲れやすい。夏は腎臓にも負担がかかりやすい季節

暑くなると、なんとなく体が重い。
夕方になると足がむくむ。
以前より疲れが抜けにくい。

そんな変化を感じる50代女性は少なくありません。

更年期による女性ホルモンの変化もありますが、あわせて意識したいのが腎臓の働きです。

腎臓は、血液をろ過して余分な水分や老廃物を尿として排出するだけでなく、血圧や体内のミネラルバランスの調整にも関わる大切な臓器です。

一方で、慢性腎臓病(CKD)は初期には自覚症状がほとんどないことが多く、疲労感やむくみなどが現れたときには、すでに進行している場合もあります。

日本腎臓学会の一般向け情報でも、慢性腎臓病(CKD)は成人の約5人に1人ともいわれる、身近な病気として紹介されています。

特に50代以降は、高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣の影響が腎機能にも表れやすくなる世代です。だからこそ、症状が出る前から、腎臓を守る食習慣を意識しておくことが大切なのです。

夏は腎臓にとって意外と過酷な季節

夏は汗によって体内の水分が失われやすくなります。

軽い脱水でも、腎臓へ送られる血流が低下しやすくなり、腎臓に負担がかかりやすくなります。特に暑い時期は、こまめな水分補給が大切です。

さらに夏は、次のような条件が重なりやすくなります。

・冷たい麺類が増える
・食欲低下で栄養が偏る
・清涼飲料水やスポーツドリンクが増える
・冷房や暑さの影響で体調を崩しやすい

実際に私が運営するカフェでも、「暑くてそうめんばかり」「昼は冷やし中華で済ませている」という声をよく耳にします。

しかし麺類中心の食事は、塩分が多くなりやすい一方で、たんぱく質や食物繊維が不足しやすいという落とし穴があります。

日本人は思っている以上に塩分を摂っている

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩摂取目標量を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。

一方で、令和5年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の食塩摂取量の平均は男性10.7g、女性9.1gと、依然として目標を上回っています。

塩分の摂り過ぎは、高血圧だけでなく、心臓や血管、そして腎臓への負担にもつながります。

減塩は病気の人だけのものではありません。健康な人にとっても、将来の健康を守るための大切な習慣です。

減塩は「我慢」ではなく「選び方」

減塩というと、「味を薄くすること」と考えがちです。

でも、本当に続けやすい減塩は、ただ塩を減らすことではなく、素材のうま味や酸味を活かすことです。

日本腎臓病協会の一般向け情報でも、減塩の工夫として、だしのうま味や香辛料、レモンなどを活用することが勧められています。

今回ご紹介するレシピには、今日から実践できる減塩のヒントが詰まっています。

中華麺と玄米麺、塩分量はどれくらい違う?

私たちは麺料理を食べるとき、ついスープやつゆの塩分ばかり気にしがちです。

でも実は、麺そのものにも塩分が含まれていることがあります。

文部科学省の日本食品標準成分表では、ゆで100gあたりの食塩相当量はおおよそ次の通りです。

・中華麺(ゆで):0.2g
・うどん(ゆで):0.3g
・そうめん・ひやむぎ(ゆで):0.2g

一方、玄米麺は商品によって塩分量に差が大きいのが特徴です。食塩相当量0gのものもあれば、塩を使用している商品もあります。

そのため、「玄米麺だから必ず低塩」とは言い切れませんが、原材料表示や栄養成分表示を見て選びやすいのは大きな利点です。商品によっては、玄米由来の食物繊維やミネラルを含むものもあります。

減塩というと調味料ばかりに目が向きますが、「何をかけるか」だけでなく、「何を選ぶか」も大切なのです。

納豆のタレ、めかぶのタレ、めんつゆ。意外と多い塩分量

減塩のために見直したいのが、付属のタレやつゆです。

1回分あたりの食塩相当量の目安は、商品にもよりますが、たとえば次のようなものがあります。

・納豆1パック(たれ・からし付):約0.6g
・味付けめかぶ1カップ(40g):約0.6g
・もずく酢1カップ(50〜55g):約0.7〜0.8g
・めんつゆ(ストレート50ml):約1.5〜3.5g程度
・めんつゆ(3倍濃縮30ml):約2.2〜3.4g程度

つまり、納豆のタレ、めかぶのタレ、めんつゆをそのまま使うと、組み合わせ次第ではそれだけで塩分3〜5g程度になることもあります。

女性の1日の食塩摂取目標量6.5g未満を考えると、昼食だけでかなりの割合を占めてしまうこともあるのです。

納豆のタレをやめるだけで、減塩しやすくなる

今回のレシピでは、納豆のタレも、めかぶのタレも使いません。

代わりに活用するのが梅酢です。

納豆のうま味と、梅酢の酸味を少し効かせることで、塩分を増やしすぎなくても、満足感のある味わいに整えやすくなります。

海のものを使う。昔ながらの減塩の知恵

減塩を続けるコツは、塩を減らしても、味まで減らさないことです。

そこで活躍するのが海藻です。

めかぶや青さには、うま味やミネラルが含まれており、塩分を足しすぎなくても味に奥行きが出しやすくなります。

昔ながらの食材は、こうした「少ない調味料でもおいしく食べる」という知恵にもつながっています。

オクラとめかぶのヌルネバが、夏の食事を整える

今回のレシピに欠かせないのが、オクラとめかぶです。

どちらにも食物繊維が含まれ、とくにめかぶには水溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は、腸内環境を整えることに加え、食後血糖値の上昇やコレステロール対策をサポートする栄養素として知られています。

また、オクラやめかぶにはカリウムも含まれています。カリウムは、ナトリウムの排出を促す作用があり、血圧低下につながることが知られています。

※腎機能低下によりカリウム制限が必要な方は、主治医の指示に従ってください。

酢は減塩のための、心強い調味料

減塩食をおいしく続けるために、取り入れやすいのが酸味です。

酢や梅酢を使うと、塩分を控えめにしても味がぼやけにくくなります。実際に、酸味を活かすことで、減塩してもおいしさを保ちやすいという報告があります。

暑さで食欲が落ちやすい季節にも、酸味のある味わいは取り入れやすいものです。

また、今回のレシピでは、はちみつを少量加えています。

目的は甘くすることではなく、梅酢の酸味をやわらげて、味全体のバランスを整えることです。

ほんの少し加えるだけで、調味料に頼りすぎない、やさしい味わいにまとまりやすくなります。

納豆とオクラ、めかぶ、梅酢大根のさっぱり玄米麺

暑い日でも食べやすく、調理は最小限。

納豆のタレやめんつゆを使わず、梅酢の酸味と発酵食品のうま味を活かした、塩分を控えめにしやすい玄米麺レシピです。

材料(1人分)

・玄米麺(乾麺または半生麺)・・・1人分
・納豆・・・1パック(45g前後)
・めかぶ・・・1/2パック(20g程度)
・オクラ・・・2本(20g程度)
・絹ごし豆腐・・・20g
・温泉卵・・・1個
・梅酢大根・・・30g
・青さ粉・・・小さじ1
・はちみつ・・・小さじ1
・エキストラバージンオリーブオイル または MCTオイル・・・小さじ1

梅酢大根(作りやすい分量)

・大根・・・100g
・梅酢・・・大さじ1

作り方

① 玄米麺を表示通りにゆで、冷水でしっかり洗い、水気を切る。
② オクラはさっとゆでて小口切りにする。
③ 器に玄米麺を盛る。
④ 納豆、めかぶ、オクラ、豆腐、温泉卵、梅酢大根を彩りよくのせる。
⑤ 青さ粉を全体にふりかける。
⑥ はちみつを回しかける。
⑦ お好みでエキストラバージンオリーブオイルまたはMCTオイルを加えて完成。

栄養価(1人分の目安)

使用する玄米麺や梅酢、納豆、温泉卵などの商品によって変動しますが、納豆のタレ・めんつゆ不使用で作ることで、塩分を控えめにしやすい一皿です。

とくに、食塩相当量0gまたは低塩タイプの玄米麺を選ぶと、全体の塩分もさらに調整しやすくなります。

※掲載時に栄養価を記載する場合は、使用する商品の栄養成分表示に合わせて最終計算するのがおすすめです。

オイルで味変もおすすめ

途中でオリーブオイルやMCTオイルを加えると、風味と満足感がアップします。

特にオリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、地中海食でもよく用いられる脂質として知られています。

この一皿で摂りたい栄養

・発酵食品(納豆・梅酢)
・食物繊維(オクラ・めかぶ・玄米麺)
・たんぱく質(納豆・温泉卵・豆腐)
・カリウム
・玄米由来のミネラル
・塩分控えめを意識した味づけ

いかがでしたか?

麺をゆでる以外は火を使いすぎずに作れて、暑い日にも取り入れやすい一皿です。今年も暑い夏になりそうです。無理なく減塩を続けたいときのヒントとして、ぜひお試しくださいね。

参考・関連知見:

・日本腎臓学会 一般向けガイド

・CKDの予防と治療

・日本人の食事摂取基準(2025年版)

・令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要

・e-ヘルスネット:カリウム

・日本食品標準成分表:中華めん(ゆで)

・日本食品標準成分表:うどん(ゆで)

・日本食品標準成分表:そうめん・ひやむぎ(ゆで)

・小野万 三陸産味付めかぶ

・タカノフーズ 納豆商品情報

・井ゲタ竹内 もずくシリーズ

・スーパー麺

・福の香玄米麺

・Brown rice noodle

・料理における食酢の減塩効果の検討

・塩味と酸味のいい関係 食酢の減塩効果

・食事療法における地中海食の効果とその展開

・三重大学病院 Online MEWS:夏は腎臓の健康に要注意

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