塩選びに要注意!血圧を改善させたい人が避けるべき「NGな塩の種類」とは?管理栄養士が解説

 塩選びに要注意!血圧を改善させたい人が避けるべき「NGな塩の種類」とは?管理栄養士が解説
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血圧が高い場合に「減塩」を意識することが多いかと思いますが、それよりも実は大切なのが「塩選び」。塩には血圧に関係するものと、そこまで影響しないものがあります。普段から血圧に影響の少ない塩を選ぶことで血圧を改善させていきましょう!今回は最も身近な調味料「塩」の種類と血圧を改善させたい人が避けるべき塩、摂るべき塩について解説します。

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塩分と血圧について

食塩は、塩化ナトリウム(NaCl)と呼ばれ、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)の化合物です。ナトリウムは体内の血液やリンパ液、消化液に存在しカリウムとともに体内の塩分濃度の調節をする役割があります。

ナトリウムとカリウム
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このナトリウムを摂りすぎると、ナトリウムは水分を引き込む力があるため、血流全体が増え血管を押す力が強くなり、血管が狭まり血圧が上がってしまいます。

塩の種類

塩
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塩には血圧に影響するナトリウムが多く含まれるものと、ナトリウム量を調整するカリウムが含まれていたり、その他体に必要なミネラルが含まれている塩とがあります。大きく分けて3種類です。

・精製塩

・天然塩

・再精加工塩

1つずつ解説していきますね。

精製塩

「食卓塩」「食塩」としてスーパーなどで1番多く売られている塩です。海水をイオン交換膜と電気分解させてナトリウムイオンを抽出して濃度の濃い塩水を作り、立釜と呼ばれる釜で水分を蒸発させて塩の結晶を取り出したものが「精製塩」です。ナトリウムイオンを抽出するときに他のミネラルは取り除かれてしまいます。大量に作ることができるため価格は安く売られています。

天然塩

海水を天日で乾燥したり、平釜で煮詰めるだけの製法で作られた塩のことです。添加などの加工をしないため、海水に含まれるミネラルとほぼ同じナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛などが含まれています。海のミネラルと人の体内のミネラルバランスはとても似ているため体液の浸透圧は正常を保て、血圧は上がりにくくなります。

塩田
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再製加工塩

精製塩と天然塩の間のような塩で、海外から輸入した天日塩などを日本の海水で溶かして作ったものです。にがりなどを添加して、マグネシウムを中心としたミネラル分を加えています。

solt
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血圧の改善には、「塩」でははく「ナトリウム」の摂りすぎに気を付けることが大切です。成分の99%がナトリウムの精製塩は避け、その他のミネラルが含まれている天然塩や再製加工塩を選ぶようにしましょう。

商品のラベルの「工程」を確認すると塩の種類が見分けられます。

天然塩・・・「天日」「平釜」「逆浸透膜」

精製塩・・・「イオン膜」「立釜」

再製加工塩・・・「溶解」「イオン膜」「立釜」

※原材料名にカルシウムやマグネシウムの添加が分かるものや「天日塩」となっている場合は再製加工塩と分かります。

栄養成分表示で「マグネシウム」「カルシウム」「カリウム」が含まれていることも塩の種類を見分けるポイント。減塩ばかりにとらわれず、まずは普段使う塩の質から見直してみましょう。

塩と血圧計
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【参考】

全国健康保険協会(塩分摂取と高血圧との関係)

ライター/浅野いずみ
行政管理栄養士として保育園や老人ホーム等の施設衛生・栄養管理の指導に従事。その後フリーランスとして特定保健指導やダイエットプランナーとして個人の栄養や健康をサポートしている。食材の持つ力や組み合わせ、効果的な調理法についてのテーマを中心に、食べることが楽しくなるような執筆を心掛けている。

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