夏の水分・塩分摂取、血圧が高めの方はどうすればいい?管理栄養士が解説

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熱中症予防には水分と塩分の摂取が大切ですが、一方で高血圧の方には減塩が推奨されています。血圧が高い方は、塩分摂取についてどのように考えればよいのでしょうか?この記事では血圧が高めの方に向けて、夏の水分・塩分摂取のポイントを管理栄養士が解説します。元気に夏を乗り切る参考にしてください。

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血圧が高い方は夏でも減塩を心掛けて

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気温と湿度が高くなる夏は、熱中症が心配ですね。熱中症を予防するには、汗により失われてしまう水分とともに塩分を補うことが大切です。

一方で、高血圧の方は塩分摂取量を抑える必要があります。塩分の摂取量が多いと、塩分濃度を一定に保つために体内の水分量が増加します。すると血液量も増えて、血管に圧力がかかり血圧が上がることから、減塩が推奨されているのです。

結論からいうと、血圧が高めの方は基本的に、夏でも塩分の摂取量を増やす必要はありません。

高血圧の治療において、塩分摂取量は1日6g未満が推奨されています。しかし令和元年の「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の食塩摂取量の平均値は10.1gと、かなり多くの塩分を摂取していることがわかります。すでに十分な量の塩分を摂取しているため、夏は汗をかくからといって塩分を多く摂る必要はありません。

もちろん、仕事で汗を大量にかく方や、スポーツに取り組んでいる方は塩分を補う必要があります。血圧が高く、かつ日頃の発汗量がかなり多い方は、医師に確認したうえで適切な量の塩分を摂取しましょう。

水分は十分に摂取しよう

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水分を多く摂取すると、塩分の場合と同様に血液量が増えて血圧が上がるのでは?と思う方がいるかもしれません。しかし、血圧が高めの方も水分を十分に摂取すべきです。

水分の摂取量が少ないと血液量が減少し、血液の濃度が濃くなります。血流が悪くなるため血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすくなるでしょう。とくに血圧が高めの方は、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化のリスクも高いことから注意が必要です。

人は、1日1.2リットルの水分を飲み水で摂取しなければなりません。さらに汗をかく夏場は、より多くの水分を摂取する必要があります。血圧が高めの方も水分を十分に摂取して、熱中症だけではなく、脱水によりリスクが高まる疾患も防ぎましょう。

血圧が高い方の水分・塩分補給のポイント

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血圧が高い方は、夏でも食塩摂取量1日6g未満を目標に、減塩を心掛けましょう。一方で水分は十分に摂取することが大切です。

最近は、ミネラル補給を目的とした塩飴や塩タブレットをよく見かけます。まわりの人からもらう機会があるかもしれませんが、血圧が高めの方は「減塩中なので」と断ることをおすすめします。

高血圧の方は、太り気味であることが少なくありません。水分補給といって糖質が含まれる清涼飲料水を飲んでいては、肥満が助長され、さらなる高血圧へつながるおそれがあります。水分補給に飲むものは、水または麦茶を選びましょう。

また、一度に大量の水分を摂取しても体にはうまく吸収されません。200ml程度の水分を1日のなかで数回に分けて摂取しましょう。とくに就寝中と入浴中は、気付かないうちに大量の汗をかいています。就寝前と起床後、入浴前と入浴後のタイミングでは、必ず水分を摂取するように心掛けてください。

2024年の夏も猛暑が予想されます。血圧が高めの方はしっかり水分を摂取しつつ、減塩に配慮して、健康的に夏を乗り切りましょう。

【参考文献】
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
環境省「『健康のため水を飲もう』推進運動」
日本高血圧学会「高血圧の人の熱中症予防について」

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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