実はその対策、間違っているかも…!?【熱中症にまつわるウソ、ホント】を医師が解説
猛暑の夏。熱中症の予防には水分補給、と冷たいものを大量に飲んでいる人も多いのでは? 実は、そんな思い込みの熱中症予防が逆効果なことも。今回は、熱中症のウソ、ホント!?を、神奈川県済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生に教えていただきました。
熱中症のウソ、ホント!?
熱くなるから塩分の多いものを食べる&熱中症予防に塩あめや梅干しを持っていく
→ウソ!
これは、お守り程度に思っておくといいでしょう。特に、熱中症の症状が出ているときに塩タブレットだけを摂ることは逆に危険です。塩タブレットは、吸収して全身にいきわたるまで時間がかかりますし、塩だけを摂ると高ナトリウム血症を起こしてしまう。ですから、これらの塩分を摂るときは必ずたくさんの水を一緒に摂るようにしてください。塩だけ摂って安心してはダメです。
暑くなったので冷たいものを飲む&熱中症対策に15℃に保てる水筒を購入
→ウソ!
両方とも根拠がありません。水分補給は温度ではなく、量を摂ることが大切です。胃腸の消化液が活発になる、体温に近い温度(常温~人肌程度)を意識して、たくさん飲むこと。水分補給の1番の目的は、体温コントロールですから。
カフェイン入り飲料は水分補給にならない
→ウソ!
トイレが近くならない人であれば、カフェイン飲料も水分補給になります。カフェインというのは耐性がつきやすいので、日常的によく飲んでいる方であれば問題なく水分補給になるでしょう。ですが、熱中症になったときのカフェイン飲料は避けてください。また、飲みなれていないお子さんもカフェインレス飲料を推奨します。
子どもにはスポーツドリンクで水分補給
→ウソ!
保護者の方によく聞かれますが、全てのシーンにおいてスポーツドリンクがいい、というわけではありません。スポーツドリンクは非常に糖分が高いので、大量に摂取すると子どもたちの食欲が低下してしまう可能性も。スポーツドリンクの飲みすぎでご飯が食べられなくなってしまうのは本末転倒ですから。水筒のなかはお茶や水で十分。運動量が多くて、大量の汗をかくときはきちんと専門家が監修した経口補水液を飲む。それが正しい水分補給の方法です。
教えてくれたのは…谷口英喜 先生
神奈川県済生会横浜市東部病院 患者支援センター長・栄養部部長。1991年に福島県立医科大学医学部を卒業。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授を経て、済生会横浜市東部病院患者支援センター長兼栄養部部長に就任。神奈川県立がんセンター麻酔科にて非常勤医師も勤める。著書に『すぐに役立つ 経口補水療法ハンドブック』『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』(ともに日本医療企画)、『いのちを守る水分補給 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社など)
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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