母に伝えたい正しい腟ケア。更年期にありがちな悩みと対処法を産婦人科医が解説

母に伝えたい正しい腟ケア。更年期にありがちな悩みと対処法を産婦人科医が解説
画像提供:株式会社TENGA
竹田歩未
竹田歩未
2026-04-30

株式会社TENGAが展開するセクシャルウェルネスブランド「iroha Healthcare(イロハ ヘルスケア)」が、4月12日に「母の日×更年期の腟ケア イベント」を開催しました。ゲスト講師に「丸の内の森レディースクリニック」宋美玄院長を迎え、更年期の腟まわりに起こりやすい不調やケア方法について、専門的な知識をシェアしていただきました。

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女性の性の健康に寄り添うセクシャルヘルスケアブランド「iroha Healthcare」が、「母の日×更年期の腟ケア イベント」を開催。

テーマ
「娘からの一言が、ケアのきっかけに」母の日イベント

登壇者
丸の内の森レディースクリニック院長・産婦人科医・医学博士 宋美玄先生
株式会社TENGAヘルスケア コミュニケーションマネジャー(助産師)古川 直子さん

意外と知らない更年期の知識

まずは、意外ときちんと知らない更年期の定義について。

閉経=最後の生理から1年以上が経過している状態。平均的には50歳ぐらい。
更年期=閉経の前後約10年ずつの期間。この時期に女性ホルモンのエストロゲンが急激に低下する。

更年期以前は、女性ホルモン(エストロゲン)が骨盤まわりの健康を維持していましたが、これが減ることにより骨盤底筋の血流が減り、腟や外陰部が乾燥しやすくなったり、筋肉が衰えて尿漏れ(不覚性尿失禁)を招いたり、腟内の菌バランスが崩れるためにニオイやかゆみの原因になったりとさまざまな悩みを引き起こします。

宋先生は「昔の女性の寿命は60歳ぐらいだったため、更年期以降に訪れる老年期を迎えることが珍しく、そのため腟まわりの悩みも起きにくかった。しかし、現代の女性は寿命が長くなっていることからエストロゲンが分泌されなくなる更年期以降の健康について向き合う必要が出てきました。まずは日々のセルフケアを意識することが大切です。」と解説。

デリケートゾーンケアの基本「洗う」

では、実際に自分でどのように腟まわりをケアすれば良いのでしょうか?

イベントではデリケートゾーンの洗い方についてのアンケートを参照。「自宅でケアをしている」と回答した方のうち「水やお湯で洗い流す」が56%、続いて「ボディソープで洗う」が50%という結果でした。

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画像提供:株式会社TENGA

デリケートゾーンを洗う際に気を付けたいのが、腟内まで洗わないこと。腟の中には常在菌が存在し、これが腟内を衛生的に保ってくれているため、自分で洗浄する必要はありません。さらに重要なのが、ボディソープではなくデリケートゾーン専用のソープを使うこと。外陰部の皺に沿ってやさしく洗うことがポイントです。

そして、宋先生はアンダーヘアについても自論をシェア。特に蒸し暑い夏は、毛量が多いと尿やおりものが付着して肌への刺激になりやすいので、トリミングやVIO脱毛をして清潔な状態を保つことも一つの方法だと語ります。

更年期世代こそ保湿ケアが大切

宋先生のもとを訪れる更年期世代の患者さんの中には「デリケートゾーンに保湿は必要なの?」という疑問を持つ方もいらっしゃいます。実は、女性ホルモン(エストロゲン)が減少する更年期世代では、特に保湿ケアを意識するべきなのだそう。最近では、ローションや乳液など、さまざまなタイプの保湿ケアアイテムが出ています。お顔と同じく、日頃から保湿を習慣にしているかどうかで腟まわりの不快な症状の現れ方も違ってくるのだとか。

骨盤底筋トレーニングは正しい姿勢で

続いては、自宅でできる骨盤底筋トレーニングについて。宋先生は、トレーニングをすることと同じくらい、普段の生活で骨盤底筋に負担をかけないことも大切だと話します。例えば、咳が出る瞬間、嘔吐や便秘で力む時、長時間立ちっぱなしの状況。歯磨き粉のチューブを握った時のように腹圧が強くかかりやすく、骨盤底筋の負担になります。同様に、骨盤底筋トレーニングの際にも間違った箇所に力を入れてしまうと、かえって骨盤底筋に悪影響を及ぼしてしまうのです。

イベントでは、骨盤底筋トレーニングの正しいやり方を説明。トレーニングは仰向けで行うのが基本で、お腹を丸めず、膝を立て、背骨をまっすぐ伸ばします。これにより正しい箇所にアプローチしやすくなります。

初心者は力を入れる場所を間違えやすく、特に腹直筋に力を入れると腹圧がかかってしまいます。腟まわりをしっかり締められているか、指や専用アイテムで確認しながら行うことが大切です。ちなみに、トレーニングの際にきちんと腹式呼吸を意識できれば、骨盤底筋・腹横筋・横隔膜が連動して動き、腰のくびれを作ることにも繋がるのだそう。

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性交痛の悩み、我慢しないで

最後に、性交痛について。なかなか口にしづらい話題ですが、性交痛に悩む女性は少なくありません。

宋先生によると、一口に性交痛といっても多くのパターンがあり、例えば前戯不足、体位、出産経験の有無、あるいは病気の可能性など、さまざまな原因が考えられるのだそう。痛い場合は我慢せずに相手に伝えることが大切で、潤滑ジェルを使うことをためらう必要はないと強調します。

古川さんは「わたしは以前から性交痛があり、挿入時に身構えてしまうことが多かったですが、潤滑ジェルを使うことで恐怖心が和らいだ。」と自身の経験をシェアしました。

宋先生からのコメント

更年期における体調の変化に対応するうえで、「腟まわりのケア」は、健やかに過ごすために欠かせないポイントです。更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下により、腟粘膜の菲薄化や乾燥、pHバランスの変化が生じやすく、様々な不調につながることがあります。

今回のイベントでは、こうした身体の変化を正しく理解し、日々の変化をポジティブに捉えながら、今日から取り入れられる具体的なケアの考え方を分かりやすくお伝えしました。母から娘へ、あるいは娘から母へ。健康を気遣うきっかけは、何気ない会話の中にあります。本イベントが娘世代にとっては「これから訪れる変化」を知る機会に、母世代にとっては「自身の経験を次世代へつなぐ」機会になっていただければ幸いです。

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宋美玄先生(画像提供:株式会社プエルタ・デル・ソル)

女性にとってデリケートゾーンや腟まわりの健康は、生涯を通じてとても大切なものです。にもかかわらず、まだまだ人に話しにくいのがリアルなところ。母と娘の間で、女性ならではの悩みを打ち明け合ってみると、思いがけず共感できることがあるかもしれません。

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