「自分は大丈夫」と思っていない?実は大人女性の9割に起こりうる婦人科系疾患とは|宋美玄先生が解説

 「自分は大丈夫」と思っていない?実は大人女性の9割に起こりうる婦人科系疾患とは|宋美玄先生が解説
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婦人科系疾患の名前はよく聞くけど、じつはどんなモノなのかよく知らない……。自分の体のことなのに、意外に無頓着な女性は多いもの。それは、生理のことをオープンに話したり聞いたりできなかった今までの環境のせいかもしれません。このままでは、今後やってくる老いや体のトラブルから自分を守ることができません。そこで、女性のカラダの仕組みや大切さについて発信している宋美玄先生の最新著書『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』から抜粋してお届けします。

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あなたの生理は"正常"ですか?

「生理の異変や性感染症、婦人科疾患など、ときには〝笑い話で終わらせたらマズイ〟こともあるのです」と、宋美玄先生。

まず第一に、生理が以下の条件に当てはまらなければ、すぐに婦人科へ相談に行きましょう。

①周期(生理が始まり、次の生理がくるまで)は、25~38日

②1回の生理で出血が続く期間は、3~7日で平均5日間

③1回の生理での経血量は、20~140ml

他人と比較することが難しいものだからこそ、上記に限らず、気になることがあったら、まずは婦人科へ!

でも……なぜ、こんなに焦らなければならないでしょうか?

生理があるなら、90%の人にリスクがある

「生理で気になることがあって、病院を受診されるとな、病気が発覚するケースが少なくないねん」(宋美玄先生)

そう言った場合、特に多いのが「子宮内膜症」だそう。

子宮内膜症とは……生理の血が逆流し、子宮以外の場所で子宮内膜に似た組織ができること。こうなると体外に排出されないため、癒着や炎症を起こし、ひどい生理痛になることも。性交痛や不妊の原因にも。

「生理の血の逆流は、生理がある女性の9割に起こると言われています。だから生理の回数が多くなればなるほど、リスクも高くなる」(宋美玄先生)

怖いのは、痛みがないまま進行している人もいるということ。

年に一度は病院で子宮と卵巣の検査をしたいものです。

妊娠率がガクンと下がる、チョコレート嚢胞

そんな子宮内膜が、卵巣にできてしまうことを「チョコレート嚢胞」と言います。

「おいしそうなネーミングやけど、そんな甘いもんじゃありませんよ! ひどい生理痛になるし、放っておくと破裂することもあります。さらに、約0.7%の確率で癌化する可能性もあるんです。もちろん、不妊の原因になることも」(宋美玄先生)

これだけ聞いても、まだ他人事だと思っていませんか? このチョコレート嚢胞、治療しないと妊娠率が50%ほども低下するというデータもあるんです!

何度も繰り返しますが、気になることがあれば、今すぐ婦人科を受診してください。子宮内膜症、チョコレート嚢胞は、一度治療で治ったとしても、生理が続く限り、また繰り返すリスクが続きます。

放置して症状が進行すると……卵巣ごと摘出しなければならないこともあるのです。

子宮筋腫は、良性のコブ!?

「筋腫があること自体は、珍しくないねん。小さいと米粒程度やし、大きくなると赤ちゃんの頭ほどになるけどな。痛みや症状がないことも多いので、気づいてない人もいるでしょう」(宋美玄先生)

先生の言葉通り、30歳以上の女性の20~30%は、子宮に筋腫があるんだそう。

「実際、診察で見つかっても、大きくなる様子もなく、症状もなければ治療はせず、様子を見ましょうということも多いんや」(宋美玄先生)

子宮筋腫
子宮筋腫/Adobe Stock

無症状の人が多いものの、生理痛がひどい、生理の出血がダラダラ続く、貧血になるほど多量の出血があるなら、こちらもまずは婦人科へ。筋腫があるのがわかっているなら、放置せず定期的に検診を受けましょう。

現代人は、生理が多すぎる!

寿命が飛躍的に伸び、少子化が進んだせいで、現代女性の生理回数はなんと平均約450回と言われています。

「100年前は、生理って一生のうちわずか50回程度だったんです。そう、現代女性は昔に比べ、約10倍近くも生理が多いんです」(宋美玄先生)

生理が多いことは、つまり「卵巣や子宮に負担がかかっている」ということ。現代女性は昔よりはるかに、婦人科疾患にかかりやすいのです。

自分の体を守るためには、まずは今月の生理の様子を、ちゃんとチェックするところから始めてみませんか?

宋美玄先生プロフィール

丸の内の森レディースクリニック院長。2010年に出版した著書『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)が累計50万部を突破し、話題のカリスマ女医に。2児の母。最新著書は『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』(学研プラス)。

宋美玄 本
『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』著者:宋美玄 (学研プラス)

 

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Text by Yuki Ikeda

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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