35歳は産めない年齢じゃない!「いつか産みたい」女性が知るべき妊活の正しい知識|宋美玄先生が解説
35歳過ぎの初産=高齢出産も多くなり、不妊治療を受けている人も、めずらしくなくなってきました。でも現実問題、産める年齢にはタイムリミットがあります。でもこのタイムリミットって、一体何を基準に決めているのでしょうか? 芸能人では40歳を過ぎて産んでいる人もいるのに……。そこで、女性のカラダの仕組みや大切さについて発信している、宋美玄先生の最新著書『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』(学研プラス)から抜粋してお届けします。
卵子にまつわる大きな誤解!「35歳で卵子が老化し始める=産めない」……ではない!
「35歳になると、妊娠しにくいんですよね?と思っている人がいます。いや、そうではないねん! 35歳は、卵子が老化し始める年齢とも言われていますが、だからといって、35歳をすぎると産めないというわけでは決してありませんよ」(宋美玄先生)
「35歳で卵子が老化し始める=産めない」ではないんです!
でも、妊娠しにくくなるのは事実。だからこそ、産みたいと思っている人はもちろん、いつかは産んでみたいと思っている人も、今すぐできることを始めておきましょう。
今すぐできるのは「自分の体をチェックすること!」
シングルの人も、パートナーがいる人も、ご自分の生理は「正常」ですか?
妊娠を叶えるためには、まず生理がどう言う状態かを把握しておくのが重要です。
生理に異常がある場合、不妊を引き起こす子宮内膜症や、チョコレート嚢胞、子宮筋腫などの婦人科系疾患が隠れている場合があります。婦人科系疾患があると、妊活に取り組めないことも。
そこで、自分の生理が以下の正常な条件に当てはまらなければ、すぐに婦人科へ相談に行きましょう。
①周期(生理が始まり、次の生理がくるまで)は、25~38日
②1回の生理で出血が続く期間は、3~7日で平均5日間
③1回の生理での経血量は、20~140ml
時間に限りがあるミドサー、アラフォーの妊活。自己流の判断や行動で、貴重な時間をロスする猶予はありません! 何はともあれ、まずは婦人科受診!
妊活を始める前に、気をつけたいこと
次に、妊娠を希望したいと思ったら「まずはデマ情報に気をつけて」と、宋先生は話しています。
「妊活を始め、いろいろな情報を集め始めると『◯◯を食べると妊娠する』『不妊には温活』『冷えが原因』など、ようわからんデマ情報にぶつかります(苦笑)」(宋美玄先生)
「子宮は冷えません!」と、宋先生は明言しています!
また、「サプリ」についての言及も。
「医学的にみて、妊娠を促すサプリはありません。ただ、葉酸は赤ちゃんの神経系の病気の一部を減らすことができる栄養素。なので、赤ちゃんが欲しいと思ったら飲み始めるといいでしょう」(宋美玄先生)
もちろんこれも、妊娠しやすくなる成分、というわけではないので、ご注意を!
妊活の検診は、二人で受けて!
妊活の治療に二の足を踏む男性は少なくありません。でもなぜ、宋先生はあえて「二人一緒に」をすすめるのか?
「それは、不妊の原因の50%は男性側にあるからです」(宋美玄先生)
不妊治療のイメージから、原因の多くは女性側にあると思い込んでいる人も多いようです。
「今は『ブライダルチェック』と名付けられた検診を用意しているクリニックがたくさんあります。女性用だけでなく、男性用もあるため、子供が欲しいカップルは受けるのもいいでしょう。でもどちらかだけでなく、ふたりとも! です」(宋美玄先生)
「女性側に問題がないのに、肝心の男性が検査を嫌がっている」……こんな状況のカップル、周りにいませんか? こうしている間にも、タイムリミットは刻々と迫っているというのに。
こんな事態を招かないためにも、二人一緒に受けることが大切なんです。
知った気になり、手遅れにならないように!
妊娠・出産については、ドラマティックなケースが美談として扱われがちです。貴重な一例なのに、正しい情報を知らない人にとっては、それが当然と思い込み、誤認を招くことも。
芸能人の高齢出産は、まさにそのケース。
「(世の中の情報を)鵜呑みにせず、医学的に正しいことをきちんと知って欲しいです。自分が後悔したり傷ついたり、苦しんだりしないように、正しい知識を持ったうえで、自分はどうしたいのかを、自分自身でしっかり決めてくださいね」(宋美玄先生)
宋美玄先生プロフィール
丸の内の森レディースクリニック院長。2010年に出版した著書『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)が累計50万部を突破し、話題のカリスマ女医に。2児の母。最新著書は『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』(学研プラス)。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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