女性の4割が「周囲に迷惑をかけている」と感じている!PMSのメカニズムと軽減するためにできること
「月経前だから仕方ない」と、つらい症状を我慢してませんか? 日本医療政策機構の調査(2018)によると「PMS症状を自覚していても何も対策を取っていない」という方が6割以上もいました。この記事では、PMSのメカニズムや和らげる成分などを紹介しています。心も体も穏やかに月経を迎えられるためのヒントにしてみてはいかがでしょうか。
女性の4割が「PMSで周囲に迷惑をかけている」と感じている
月経の時期になると、心と体の不調に悩まされている人も多いのではないでしょうか。月経前の数日間は、月経前症候群=PMS(premenstrual syndrome)と呼ばれ、さまざまな症状が現れる期間です。
PMSの症状は200種類ともいわれていますが、大きく分けて「身体的・精神的」な症状があります。
身体的な症状例:乳房の張りや痛み・むくみ・頭痛・腰痛・過食するなど
精神的な症状例:怒りっぽくなる・不安を感じる・落ち込みやすくなるなど
大塚製薬が行なった調査によると、感情をコントロールできない・イライラする・怒りっぽくなるといった精神的な悩みを抱え、それが「周囲に迷惑がかかるほど影響が大きい」と答えた人は約4割いました。また、むくみの症状が強い人ほど、イライラなどの否定的な感情が強いことが分かりました。
月経の時、体の中では何が起こっているの?
そもそも月経やPMSとは、具体的にどのような状態なのでしょうか。また、むくみとはどのような関係があるのでしょうか。
月経には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つの女性ホルモンが大きく関わっています。
そして、それぞれが分泌のピークに達する時期を
・卵胞期(エストロゲン分泌がピーク):月経が始まってから排卵までの約2週間
・黄体期(プロゲステロン分泌がピーク):排卵後に訪れる約2週間
と言います。
この黄体期にPMSは起こりやすくなります。また、妊娠しやすい状態へと体を整えるため、栄養や水分をため込みやすくなります。つまり太りやすく、むくみやすい状態というわけです。
むくみを軽減すると考えられる成分
むくみを和らげるには、どうしたらいいのでしょうか。
むくみの原因となる塩分を控えること以外に、ビタミンEを摂取することが有効です。ビタミンEは8種類あり、「α-トコフェロール」という成分は抗酸化や血流改善に効果的です。
また、近年の研究によると「γ-トコフェロール」「γ-トコトリエノール」という成分に、PMSによるむくみを軽減する作用があることが明らかになってきました。この成分の一部が肝臓で「γ-CEHC」という成分に代謝され、増えすぎたナトリウムを緩やかに体外に排出します。これにより、むくみが軽減されるというわけです。
「γ-トコフェロール」「γ-トコトリエノール」を多く含む食べ物をチェック!
「γ-トコフェロール」は大豆油、より希少な「γ-トコトリエノール」は米ぬか油などの植物油に多く含まれるビタミンEの一種に多く含まれています。下記の一覧表をチェックしてみてくださいね。
PMS対策において注目を集めている成分
むくみ以外のにも、PMS対策に有効な成分はあるのでしょうか。
上記の2つのビタミンEに加え、エクオールとカルシウムもPMS対策において注目を集めています。
エクオール
大豆パワーの源であるエクオールは、女性ホルモンの1つであるエストロゲンに似た構造を持っていて、女性ホルモンが関わる様々な不調や症状の改善に役立ちます。
カルシウム
骨の健康維持に欠かせないのはもちろん、神経間の情報伝達に必要な成分なので、「イライラするのはカルシウム不足が原因」などと言われるように、精神症状とも深い関わりを持っています。
PMSへの理解を深め、快適に過ごすヒントに
いかがでしたか? 現代女性が経験する月経は、生涯に450〜500回と言われています。不要な子宮内膜を排出するとはいえ、特に不調を感じる方にとっては、どうしても煩わしさを感じてしまいますよね。
最近は、生理休暇など企業としての取り組みも進んでいますが、まだまだ取得率は低いようです。体の不調を我慢したり、周囲に申し訳なく思いながらも感情をコントロールできず、一人で抱え込んでしまっていませんか?
そもそもご自分の不調がPMSによるものなのか、自分のPMSは軽いのか重いのかわからない、という人もいるでしょう。PMSのレベルをチェックできるサイトもあるので、ぜひ活用した上で、当てはまるようであればぜひご紹介した対策などを実践してみてください。
PMSについての知識や対処方法を知ることで、月経前の辛い1週間をいつも通りに過ごすためのヒントにしてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】大塚製薬によるアンケート調査
調査対象:女性
対象人数:1000人
調査対象地域:日本全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年6月29日〜7月1日
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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