【生理痛】「当たり前のこと」と諦めないで|生理痛を緩和するためにできること

 【生理痛】「当たり前のこと」と諦めないで|生理痛を緩和するためにできること
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仁平美香
仁平美香
2021-10-14

「生理痛はあって当たり前」と諦める前に、できることがたくさんあります。わたしも強い鎮痛剤が手放せない重い生理痛に悩んでいたひとりですが、生活習慣を見直し、ヨガと月経血コントロールの実践の中で生理中の悩みから解消されました。今回は生理痛が強くなる原因と生活習慣や座り方、栄養などを日々の生活の中で気を付けていくことで生理痛を緩和していけるポイントをお伝えしていきます。生理痛に悩んでいる方はできることから少しずつ取り入れてみてくださいね。

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生理痛が強くなる原因

経血は子宮から内膜がはがれて子宮頚管に押し出されて膣から排出されるのですが、この子宮頚管は細いので血液はドロドロの状態だと排出する際に痛みが生じやすくなります。

健康な状態であれば、細い管を通れるよう内膜を流れやすい経血の状態にする成分が分泌され、経血はスムーズに排泄されるのですが、不規則な生活やストレスや食事の内容などが要因となって経血がドロドロの状態で排泄されると、排出するために子宮を余計に収縮しなくてはならず痛みが強くなります。

また、子宮がしっかり発達していない初潮から10代の頃などは、健康な状態でも子宮の出口が狭いために痛みが増しやすくなっています。出産を経験すると子宮の出口が広がるため生理痛が軽くなったという方もいるのはこの子宮の出口が狭かったことが生理痛のひとつの要因であったと考えられます。ただしもちろん個人差があり、出産後に子育てなどの疲労や生活と身体の変化から痛みや不調が増す方も多くいらっしゃいます。

強い痛みのもとになるのは過剰なプロスタグランジン

先ほどお話した子宮を収縮させる物質が「プロスタグランジン」です。経血を排出するためにこの物質の分泌は必要ですが、痛みの物質でもあるため分泌が多すぎた場合は強い痛みを呼び起こします。子宮頚管の細さのように、生まれつき多くプロスタグランジンが分泌されやすいという先天的な個性を持つ方もいるようですが、生理痛改善のために何も自分でできることはないかというとそうではありません。

姿勢や生活習慣のせいで骨盤内の血流が悪くなっていたり、子宮の位置が下に下がりすぎていたり、子宮が後傾しすぎていたり前傾しすぎていたりなどがあると経血が排出しにくくなり、先ほどお話しした子宮を収縮させる物質が過剰に分泌されることになり、結果強い痛みが生じます。

まずは血流が悪くなる姿勢や習慣、食を見直していきましょう。

強い生理痛を起こさないために気を付けたいこと

プロスタグランジンの過剰分泌を抑えるためにまずは血流の改善のために気を付けたいことを知り、日々の生活を見直してみましょう。

・身体を冷やす服装、運動&筋肉不足による冷え

血流が悪い状態は身体の冷えからも気づくことができます。手足が冷たいだけでなく、手足は冷えていなくとも、おなかやおしりなど骨盤周辺が他の部位にくらべてひんやりしている女性は意外と多く、わたしの整体のクライアントさんの中では特にそういったタイプの方は生理痛など婦人系の不調をもっていた方がとても多いです。そしておなかやおしりがひんやりしている方は手足の冷えに悩んでいる方に比べて自覚症状が少ない場合が多く薄着になりがち。お腹やおしりを冷やさない服装と骨盤周辺の血流の改善のためにこまめに動く習慣をつけていきたいです。筋力不足も冷えにつながりますので、テレワークなどで歩く機会が減っている方は休憩時間に散歩に出かけたり、なるべく階段を使うなど少しでも動く習慣を。寝不足も冷えにつながるので休息や睡眠もしっかりと。股関節や肩関節など大きな関節をしっかり動かすヨガポーズも身体のメンテナンスにとりいれていきましょう。

・栄養不足または過剰摂取(栄養不足&加工品や糖、動物性脂質の食べ過ぎ)

タンパク質や鉄分、亜鉛、マグネシウム、ビタミンDなどの栄養不足も生理痛が重くなることにつながります。生理痛が強い方は魚や豆、卵などのたんぱく質や良質な油、色の濃い野菜を積極的にとりましょう。ただし野菜はサラダなど生野菜ばかりだと冷えにつながるのでスープなど加熱したものがおすすめ。菓子パンや加工品など添加物を多く含むものをたくさんとるとせっかくとった他の栄養が身体の外に出ていきやすくなり、カロリーはたくさんとれても栄養不足になりやすくなってしまいます。また糖分や動物性脂質のとりすぎも血液がドロドロになる原因になるのでなるのでとりすぎに気を付けていきましょう。但し糖質を一切抜くのではなく食物繊維を豊富に含んだ主食となる炭水化物を選んで適量食べましょう。

・便秘

便秘を放っておくと近くにある子宮の位置や柔らかさにも影響を与えます。生理痛などだけでなくお肌にも影響が大きいので、まずは便意をもよおしたタイミングを逃さないこと。便意を感じたときに我慢せずに出すことが、骨盤底筋群に過剰な圧をかけないことや快便にとって良いと考えられます。便が硬いときは肉の食べ過ぎに注意すること、そしてストレスなどがたまっている際も便が硬くなりやすいので休息をとりましょう。トイレで経血を排泄する月経血コントロールを実践している方については、便を我慢していきんで出すという習慣は月経血コントロールの上達という面でもマイナスとなるので気を付けましょう。ちなみに洋式トイレで排便をする際に、足元にステップを置くことで排泄しやすくなります。特に小柄な女性は一般的な洋式トイレの場合排泄しにくい姿勢になりやすいので、ステップを用意することをおすすめします。数百円で購入できますし、古くなったブロック等をトイレに置いておくのも良いでしょう。

・不良姿勢で長時間座ったまま(特に仙骨のあたりを床につけて腰をまるめて座る&とんび座り)

立っている姿勢よりも座位の姿勢のほうが骨盤周辺に負担が大きいです。特にお腹がつぶれた状態で骨盤が後傾した状態で座ると骨盤内の血流が悪くなります。こまめに立ち上がって同じ姿勢が続かないようにする事と、仙骨ではなく座骨を立てて座るようにしましょう。またとんび座りや女の子座りとも言われる割座の状態で長時間座ることも座骨が外側に向く(骨盤底筋群が外に広がる)方向に力が加わってしまいますのでこちらも同じ姿勢を長くホールドしないように注意しましょう。また姿勢を保つ上で必要な深層の筋肉の働きがよい状態であることもよい姿勢を保つ上でとても大切です。身体の筋肉はどれも重要ですが、背骨についている筋肉は姿勢を保つ上でとても大切です。背骨を良く動かすワークやヨガのポーズを毎日の練習に取り入れてみましょう。

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※ひどい生理痛は、子宮内膜症などの病気も考えられます。ひどい痛みは我慢せず、婦人科など病院で専門医に診てもらうことをおすすめします。

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仁平美香

仁平美香

WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。



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