健康診断で「異常なし」でも安心できない?医師が語る“見逃される不調”の正体

健康診断で「異常なし」でも安心できない?医師が語る“見逃される不調”の正体
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-04-20

健康診断で「異常なし」と言われると、ほっとするのが普通です。実際、多くの方が「これでひと安心」と受け止めます。ただ、医療の現場感覚としては、ここに少し注意が必要です。 というのも、「異常なし」はあくまで「その検査項目の範囲で大きな問題が見つからなかった」という意味に過ぎません。裏を返せば、検査に引っかからない不調や、まだ数値に現れていない段階の異常は普通に存在します。医師が解説します。

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健康診断がカバーしていない領域

一般的な健康診断では、血液検査・尿検査・レントゲンなどが中心です。
これらはとても重要ですが、すべてを網羅しているわけではありません。

例えば、

  • 自律神経の乱れ
  • 軽度のホルモン異常
  • 初期のメンタル不調
  • ごく早期の生活習慣病

こうしたものは、数値に出にくく、「異常なし」と判断されやすい領域です。

外来でも、「健診では問題なかったのに、体調がずっと悪い」という方は珍しくありません。

よくある「見逃される不調」の正体

では実際に、どのような状態が見逃されやすいのでしょうか。

まず多いのが「自律神経の乱れ」です。
ストレスや睡眠不足、生活リズムの崩れによって起こります。
症状としては、だるさ、頭痛、動悸、めまいなど。しかし検査では異常が出にくいため、「気のせい」と片付けられがちです。

次に「軽度の貧血や栄養不足」。
基準値ギリギリだと「正常」と判断されますが、本人はしんどいというケースはよくあります。特に鉄不足は、数値以上に体感症状が強く出ることがあります。

さらに「血糖値の揺らぎ(血糖スパイク)」も見逃されやすいです。
空腹時血糖は正常でも、食後に急上昇しているケースは健診では拾えません。これが、食後の眠気やだるさの原因になっていることもあります。

実際のケースから見えること

⚫︎40代の女性
「健診は問題ないのに毎日しんどい」という方がいました。
詳しく生活を聞くと、睡眠が浅く、食事も不規則。
検査では大きな異常はありませんでしたが、典型的な自律神経の乱れでした。

⚫︎30代の男性
「健康診断はオールA判定だけど、午後になると仕事にならないくらい眠い」とのこと。
食事内容を見直すと、糖質中心で血糖の乱高下が疑われました。

いずれも、「検査では正常」でも「体は悲鳴を上げている」状態です。

「数値」と「体感」のズレをどう考えるか

医師として強調したいのは、「数値が正常=問題なし」ではないという点です。
むしろ重要なのは、「自分がどう感じているか」です。

☑︎ 朝からだるい

☑︎ 集中力が続かない

☑︎ 疲れが抜けない

こうした感覚は、体からの重要なメッセージです。

疲労
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健診はあくまでスクリーニング(ふるい分け)。すべてを判断するものではありません。

受診を考えるべきタイミング

では、どの時点で医療機関を受診すべきでしょうか。

目安としては、

  • 不調が2週間以上続く
  • 日常生活に影響が出ている
  • 徐々に悪化している

このあたりが一つのラインです。

「異常なしだったから大丈夫」と思い込むよりも、「それでもおかしい」と感じたら動くことが大切です。

医師として伝えたい現実的なスタンス

正直に言うと、健康診断は非常に有用ですが、「万能ではない」のが現実です。

すべての不調を拾えるわけではありません。

だからこそ、健診結果だけで安心しきるのではなく、自分の体の感覚を合わせて判断すること。

外来でよく思うのは、「もう少し早く相談してもらえれば」というケースが意外と多いことです。

「違和感」を軽視しない

最後に一番お伝えしたいのは、「違和感」を軽く見ないことです。

「検査は大丈夫だったけど、なんか変だな」ーこの感覚は、決して軽視すべきものではありません。

体は、数値に出る前からサインを出していることがあります。

「異常なし」という結果を安心材料にしつつも、それに縛られすぎない。

このバランス感覚が、結果的に大きな病気を防ぐことにつながります。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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