【何もしていないのに疲れる…】原因は“共感疲労”かも?精神科医が教える、原因と対処法

【何もしていないのに疲れる…】原因は“共感疲労”かも?精神科医が教える、原因と対処法
AdobeStock

精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

広告

「今日は特に何もしていないはずなのに、なぜかどっと疲れている」 そんなふうに感じる日が、最近増えていませんか。体を動かしたわけでもないのに重だるく、気分もすっきりしない。そして部屋で一人「どうしてこんなに疲れているんだろう」と戸惑ってしまう。もしかするとその疲れは、目に見える行動ではなく、「感じること」によって生まれているのかもしれません。

たとえば、何気なく目にしたニュースやSNSの情報。画面の向こうで誰かが怒っていたり、顔も見えない誰かの攻撃的なつぶやきが流れてきたり。自分に向けられた言葉ではないはずなのに..まるで自分が叱責されているかのように、胸がザワついたり、喉の奥がギュッと詰まったりすることはありませんか?このように遠くの出来事や他者の苦しみに触れたとき、脳はそれを「自分の痛み」として処理してしまうことがあります。

すると、気づかないうちに呼吸は浅くなり、心拍数も上がってしまうのです。こうした状態は、「共感疲労」と呼ばれることがあります。ここで言っておきたいのは、共感疲労を感じる人は決して弱いわけではなく、人の痛みに気づける「感受性の高さ」を持っているということです。ただ、その力が無意識のうちに働き続けると、自分でも気づかないところで疲れが積み重なっていきます。

なぜ今、こんなにも疲れやすいのでしょうか?

現代は、意識しなくても多くの情報が入ってくる時代です。ニュースやSNSを少し見るだけでも、さまざまな感情や出来事に触れることになります。自分には直接関係のないことでも、その場にいるかのように感じてしまうことがあるのは、とても自然なことです。

ただ、その「感じる力」が働き続けると、心と体は知らないうちに緊張状態を保ち続けてしまうんですね。それが長く続くと、体は休むタイミングを失い、結果として「理由のわからない疲れ」として現れてしまいます。つまり、「何もしていないのに疲れる日」は、体が小さな緊張を抱え続けていたサインとも言えるのです。

AdobeStock
AdobeStock
 

こんなサインはありませんか?

・人と会ったあと、楽しかったはずなのにどっと疲れる
・SNSやニュースを見たあとに気分が沈む
・周りの人の機嫌に影響されやすい
・断れないことが多く、気づくと無理をしている
・一人の時間でようやくホッとする

いくつか当てはまる場合は、知らないうちに“感じすぎている”状態かもしれません。

大切なのは、「共感をやめる」ことではなく「戻ること」

では、このような疲れを感じたとき、どうすればよいのでしょうか。ここで意識したいのは、「共感しないようにする」ことではなく、「共感しながらも、自分を守ること」です。実際のところ、感受性が高い人ほど、「共感しないようにしよう」と思っても、それを止めることは簡単ではありません。

・気づけば相手の気持ちを考えてしまう。
・無意識に空気を読んでしまう。

それは、あなたにとって自然な反応だからです。だからこそ、「共感をやめる」ことを目指す必要はありません。その代わりに、「周りの感情に巻き込まれすぎないための小さな工夫」を持っておくことが助けになります。たとえば、こんな方法があります。

・「これは自分の感情か、それとも相手のものか」と心の中で一度区別してみる
・相手の話を聞いたあと、ほんの数秒でも呼吸に意識を戻す
・すべてを理解しようとせず、「そう感じているんだね」と受け止めるだけにとどめる

こうした小さな切り替えは、共感する力を保ったまま、心の負担を軽くする助けになります。

AdobeStock
AdobeStock
 

あなたの感受性は、そのままで大丈夫

人の気持ちに寄り添えること。世界の出来事に心を動かせること。それは、とても大切で尊い力です。だからこそ、ときどきは立ち止まって、自分を守る時間を持ってあげてくださいね。

※もし、「理由のわからない疲れ」が長く続いていたり、日常生活に大きな支障を感じたりする場合は、どうかお一人で抱え込まないでくださいね。無理をせず専門家に相談することも大切なセルフケアのひとつです。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock
AdobeStock