同じコーヒーでも「朝の1杯」が一番危ない人とは|医師が語る年齢・体質別リスク
「朝はコーヒーがないと始まらない」―外来でも本当によく聞く言葉です。眠気覚まし、集中力アップ、習慣としての安心感。コーヒーは悪者にされがちですが、上手に飲めば血管にも脳にもメリットがあります。ただし問題になるのが、朝イチの一杯。特に年齢や体質によっては、この一杯が一日の中で一番体に負担をかけていることがあります。医師が解説します。
朝の1杯が危なくなりやすい体の状態
朝起きた直後の体は、思っている以上にデリケートです。
睡眠中は水分をとらないため、軽い脱水状態。血液はややドロっとし、血管は収縮気味です。さらに、目覚めと同時にコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、血圧や血糖を上げて体を動かす準備をします。
このタイミングでカフェインが入ると、刺激が重なります。
特にリスクが高くなるのは、起床後すぐ、空腹のままコーヒーを飲むケースです。
カフェインは交感神経を強く刺激し、心拍数と血圧を一気に押し上げます。血管がすでに緊張しているところに、さらにアクセルを踏むイメージです。
年齢別に見る「朝コーヒー」の注意点
40代以降になると、血管のしなやかさは少しずつ低下します。
若い頃と同じ感覚で朝コーヒーを飲んでいると、動悸、頭重感、手の震えといったサインが出やすくなります。
本人は「年のせい」と流しがちですが、実は朝の刺激が原因ということも少なくありません。
50代、60代では、血圧や血糖の変動幅が大きくなります。
特に、健診では問題ないけれど家庭血圧が高めの人、食後に眠くなりやすい人は要注意です。
朝のコーヒーで血圧が跳ね上がり、その後の反動でだるさが出ることがあります。
一方、若い世代でも安心はできません。
もともと不安感が強い体質、動悸が出やすい人、胃腸が弱い人は、年齢に関係なく朝イチのコーヒーが負担になります。
体質別に見る「危ない人」の具体例
実際の外来例です。
45歳女性、健診はほぼ正常。ただ「朝だけ動悸がして不安になる」と相談に来ました。詳しく聞くと、起床後すぐにブラックコーヒー一杯。その後はバタバタして朝食は遅め。
コーヒーを飲む前に水を飲み、朝食後にコーヒー、へ変更。それだけで症状はほぼ消えました。
- 注意が必要な人
血圧が正常範囲でも、家系に高血圧や心疾患がある人は注意が必要です。体質的に血管反応が強く、カフェインの影響を受けやすい傾向があります。
医師がすすめる「安全な朝コーヒー」のルール
まず、起きたら水を一杯
これだけで血液の粘度が下がり、血管の負担が軽くなります。
次に、コーヒーは起床後30分から1時間以上あける
この時間で、コルチゾールのピークが落ち着きます。朝食後ならなお安心です。
量と濃さも重要
朝は薄め、ブラックにこだわらない。ミルクを少し入れるだけでも、刺激は和らぎます。
まとめ
コーヒーそのものが悪いわけではありません。問題は、朝イチの体に強い刺激を重ねてしまうことです。
年齢を重ねるほど、体質による差は大きくなります。
朝の一杯を「目覚まし」ではなく「楽しみ」に変えるだけで、血管と自律神経はかなり楽になります。
同じコーヒーでも、飲むタイミングは想像以上に大事です。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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