夜遅い入浴が動脈硬化を進める?医師が実践する“血管を守る入浴タイミング”
「お風呂は寝る直前が一番リラックスできる」―そう感じている人は多いと思います。仕事が終わって、家事も片づけて、あとは湯船に浸かって寝るだけ。この流れ、気持ちはよく分かります。ただ、外来で生活習慣の話をしていると、夜遅い入浴が血管にとってマイナスに働いているケースをよく見ます。動脈硬化というと食事や運動の話になりがちですが、実は入浴の時間帯もじわじわ効いてきます。医師が解説します。
夜遅い入浴が血管に負担をかける理由
ポイントは体温と血圧、自律神経です。
湯船に浸かると体温が上がり、血管は一度大きく広がります。ここまでは悪くありません。問題はその後です。
寝る直前に入浴すると、体温が下がる前に布団に入ることになります。
本来、眠る前は体の深部体温がゆっくり下がり、それに合わせて血圧や心拍数も落ち着きます。このリズムが、血管を休ませる時間です。
ところが、夜遅い入浴では体が興奮モードのまま。
交感神経が優位になり、血圧が高めの状態が続きます。これが毎晩繰り返されると、血管は休む暇がありません。
動脈硬化は一晩で進むものではありませんが、こうした小さな負荷の積み重ねが差を生みます。
- 実際の例
60代男性、高血圧は軽度で薬なし。ただ、動脈硬化の指標が年々悪化していました。生活を詳しく聞くと、毎晩23時過ぎに熱めのお風呂。そこからすぐ就寝。
入浴時間を21時台に前倒しし、湯温を下げただけで、家庭血圧と睡眠の質が改善。血管年齢の進行も緩やかになりました。
医師が実践する血管を守る入浴タイミング
基本は就寝の1時間から2時間前
この時間に入浴すると、一度上がった体温が、ちょうど寝る頃に下がってきます。血管も自然にリラックスし、副交感神経が入りやすくなります。
湯温はぬるめが正解
38度から40度くらい。熱い方が効いた感じがするかもしれませんが、血管への刺激は強くなります。特に高血圧や動脈硬化リスクがある人は、長湯や熱湯は避けたいところです。
どうしても帰宅が遅い人は、湯船にこだわらない選択もありです。
夜遅い時間なら、短時間のシャワーで体を温めすぎない方が、血管には優しい場合もあります。リラックスは、入浴以外でも作れます。
まとめ
夜遅い入浴は、気持ちはいいけれど血管にとっては休憩不足になりがちです。
動脈硬化を防ぐためには、血管を広げるだけでなく、しっかり休ませる時間が必要です。
入浴は寝る直前ではなく、少し早めに。ぬるめで、短めに。このちょっとした時間調整が、数年後の血管の状態に差をつけます。
お風呂の入り方も、立派な血管ケアの一つです。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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