【孫の世話が祖父母の認知機能に好影響?!】研究で見えた関連性とは
孫の世話を行うことが、脳の働きを保つ助けになる可能性が示された。
新しい研究において、孫の世話をすることが心身の健康維持につながる可能性が示された。
孫の世話が祖父母の脳に与える影響
研究チームは50歳以上の祖父母約3000人を対象にデータを分析した。参加者の平均年齢は67歳で、2016年から2022年にかけて最大3回の認知機能検査を実施し、脳の健康状態を調べた。また、過去1年の孫の世話の有無に加え、どのくらいの頻度で、どのような関わりをしていたかについても尋ねた。関わりの内容には、一緒に遊ぶ、宿題を手伝う、食事を用意する、泊まりで預かるといった例が含まれていた。分析の結果、年齢や学歴、健康状態などの要因を考慮した後でも、何らかの形で孫の世話をしていた祖父母は、していなかった人に比べ、記憶力や言語の流暢さを測る検査で高い得点を示した。特に女性では、認知機能の低下が緩やかになる傾向がみられた。
孫との時間が前向きな刺激に
加齢に伴い、身体を動かし、認知機能を刺激することが重要だということはすでによく知られている。孫の世話は高齢者にとってそうした機会になり、多くの人にとっても人のために何かを行うという意義深い行為ともなり得ると、筆頭著者であるオランダのティルブルフ大学の研究者フラビア・ケレケシュ氏は言う。また、前向きな感情の高まりや、身体活動、社会的なつながりの増加が、認知機能への良い影響につながっている可能性があると述べる。アメリカの老年医学専門医デボラ・ケイド氏は、幼い子どもの世話をしている祖父母は、そうでない人に比べ、新しい考え方や経験に触れる機会が多く、孫の成長を見据えた目的意識を持ちやすいと話す。
世話の時間の長さより、多様な関わりが脳を刺激
この研究では、孫の世話に費やした時間の長さや特定の内容が認知機能の良し悪しを左右するわけではないことが示された。どれほど頻繁に手助けしたかや何をしたかよりも、さまざまな形で世話に関わっていた点が重要だったとケイド氏は述べる。宿題を手伝う、遊び相手になる、食事を用意する、習い事の送り迎えをするなど、複数の関わりが重なることで、一つの作業だけでは得られない、多様な精神的、社会的な刺激が生まれていることが考えられる。
祖父と祖母に見られた差
孫の世話による影響には、祖母と祖父で違いがみられた。どちらにおいても世話に関わっている場合は記憶力や言語の流暢さの検査で高得点を示したが、さらに祖母に限り、時間の経過に伴う認知機能の低下が緩やかになる傾向が見られた。この違いの理由は十分に分かっていないものの、研究者らは、世話の担い方の違いが影響しているとみている。祖母は育児の中心的な役割を担うことが多い一方で、祖父は関わりが限定的だったり、配偶者と一緒に世話をするケースが多い。こうした差が、世話がどの程度認知的な刺激になるかにも影響している可能性があるという。
課題と今後
研究者らは、今回の結果が孫の世話によって認知機能の低下が防げることを証明するものではないと指摘している。また、孫の世話が常に良い影響をもたらすとは限らない点も強調している。この研究では、祖父母が世話をやりがいのあるものと感じていたのか、それとも負担やストレスを感じていたのかは測定されておらず、その違いが結果に影響する可能性がある。ケレケシュ氏によると、週5日世話をすることに満足を感じる祖父母がいる一方で、たまに世話をするだけでも強いストレスを感じる人もおり、報われる行為と感じるか、重荷と感じるかが影響を生む可能性があるという。世話をすることが本人の意思によるものか、関わりの度合いが希望に合っているかも、違いに関係すると考えられ、今後の研究でこうした点を詳しく調べる予定としている。
今回の結果は、孫の世話が認知機能の低下を防ぐと断定するものではないが、祖父母としての役割のような意義のある関わりを通じて、社会的、精神的に活動的でいることが、加齢に伴う健康の維持につながる可能性を示している。
出典
https://www.everydayhealth.com/healthy-living/caring-for-grandkids-may-help-protect-brain-health/
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