健康診断で『経過観察』と言われたら?数年後に差が出る、再検査すべき重要項目|医師が教える

健康診断で『経過観察』と言われたら?数年後に差が出る、再検査すべき重要項目|医師が教える
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-01-24

健康診断の結果を見て、「要精密検査」でも「異常なし」でもない、その間にある、あの言葉――『経過観察』。正直、いちばん扱いに困る判定です。忙しいし、症状もないし、「まあ来年も同じなら考えよう」とスルーしている人、多いと思います。でも実はこの“経過観察ゾーン”こそ、数年後に大きな差がつく分かれ道。今回は、特に見逃してほしくない再検査ポイントについて、医師が解説します。

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「経過観察」はグレーではなく、黄色信号

まず大前提として、経過観察は「問題ない」ではありません。

医師側の本音を言うと、
・今すぐ治療は不要
・でも正常とは言えない
・放置すると悪化する人が一定数いる
という黄色信号です。

しかもやっかいなのは、経過観察の項目ほど自覚症状が出にくいこと。

【よくある例】45歳男性

毎年「血圧・血糖・脂質」が経過観察。特に困っていないので5年放置。
50歳で脳梗塞を発症し、「実はずっと境界域でした」と言われて愕然。

経過観察=様子見でOK、ではなく「今のうちに流れを変えられる段階」。そう捉えたほうが現実的です。

数年後に差が出る「再検査してほしい重要項目」

全部を気にする必要はありません。でも、次の項目は本当に差が出ます。

血糖値(特に空腹時が高め)

「正常上限」「やや高め」は要注意。隠れ高血糖タイプは、健診だけでは見逃されがち。食後血糖やHbA1cの再チェックで、未来の糖尿病を防げることも珍しくありません。

血圧(上が130〜139、下が85〜89)

このゾーン、いちばん放置されます。でもここから本格的な高血圧に進む人が非常に多い。家庭血圧を測るだけでも、見える景色が変わります。

LDLコレステロール(やや高め)

家族歴がある人は特に要注意。「ちょっと高いだけ」が10年続くと、動脈硬化は確実に進みます。

肝機能(AST・ALT・γGTP)

お酒を飲まない人でも要注意。脂肪肝が背景にあるケースはかなり多いです。

尿たんぱく・尿潜血

一度でも出たら、軽く考えないでください。腎臓の病気は、静かに進みます。

「再検査=大ごと」ではない。動く人ほど楽になる

再検査と聞くと、
・時間がかかる
・お金がかかる
・怖い
こんなイメージが先に立ちます。

でも実際は、「確認したら問題なかった」「生活改善だけで戻った」というケースもかなり多いです。

再検査
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【実例】47歳女性

毎年「脂質・血糖」が経過観察。思い切って内科受診。食後血糖の乱高下が判明。食べ方を変えただけで、翌年は判定が改善。

逆に、「何もしなかった人」ほど、ある日突然「要治療」にジャンプします。

経過観察は、“病気になる前に軌道修正できる最後の余白”と考えると、動きやすくなります。

まとめ

健康診断の「経過観察」は、安心していいサインではありません。でも、悲観する必要もありません。
血糖、血圧、脂質、肝機能、尿検査。このあたりを一度きちんと見直すだけで、数年後の体は本当に変わります。

何もしなかった人と、「一度ちゃんと確認した人」。5年後、10年後に差がつくのは、ほぼここです。

健診結果は、ただの紙じゃありません。体から届いた、かなり親切なメッセージです。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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