ヨガ界のロックスター! クリシュナ・ダスが語る「幸福の創造」とは?【ny YOGA +life】
クリシュナ・ダス(以下、K):正直に言うと数年前、キルタンとチャンティングはずっと避けていました。ヨガクラスには入っていましたが、ティーチャーがハルモニウム(マントラやキルタンに使用されるインド楽器)を奏で始めると「いやいや、チャンティングはやめて」と頭の中で叫んでいました。
――今でもティーチャーがハルモニウムを取り出すとそうつぶやいていますよね(笑)。
そういえば、One Track Heart(クリシュナ・ダスの仕事と日常に関するドキュメンタリー)を拝見しましたが、その内容には大変驚きました。私たちが情報発信していきたいこととあなたの活動にはいくつか共通点があると思っています。ヨガは苦手だし、瞑想も難しいと言う人には、キルタンとチャンティングという別の選択肢がありますよね。何もかもが初めてだと言う人に対して、キルタンをどのように説明していますか?
K:まず伝えたいのは、私たちが抱えるたいていの痛みや悩みというのは自分の感情が作り出しているということです。痛みや悩みは、あなたの心の状態が反映され、頭の中に沸き起こる感情全てに捕らわれていると引き起こされます。また強く願うことは現実化します。ですので、ヨガや本当の自分と向き合うことは、自分を見失い、混乱させる思考を取り去ることを意味するのです。
アーサナのプラクティスも良いですが、チャンティングは、ハートとマインドのアーサナのようなものになります。チャンティングは、不幸に感じてしまう根本的な原因をより直接的に探り、もっと幸せに平和に、より良く生きられるようアプローチします。普段ナンセンスだと思っている物事の根底にこそ、真の幸せが存在すると言われています。「きっと大丈夫」と思えるその感情こそ、私たちが本当に自然な状態なのです。それは近代社会に暮らす私たちが失ってしまった感覚と言えるでしょう。
インドでは神の名前を音楽やマントラの中で繰り返して唱えますが、必須ではありません。例えば、私にとって神という言葉はしっくりきませんし、気持ちよく感じません。神というのは、とても西洋風の言葉ですし、天から雷を投げる大男を彷彿とさせ、正直好きではありません。インドを訪れ、本当に神のような人々や神とは何かを理解している人々に出会ったとき、心から幸せを感じ、我が家で寛ぐような気持ちになりました。これまでの人生でいつも思考や感情を決定づけてきた善と悪を判断するものがそこには全く存在しませんでした。
――それはどうしてですか?
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