【微小粒子状物質「PM2.5」が肺に与えるダメージを抑える?!】最新研究が示したビタミンCの驚くべき炎症抑制効果

【微小粒子状物質「PM2.5」が肺に与えるダメージを抑える?!】最新研究が示したビタミンCの驚くべき炎症抑制効果
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山口華恵
山口華恵
2026-01-17

空気汚染が気になる今、ビタミンCという身近なケアが肺の炎症を抑えるヒントになるかもしれない。

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さまざまな呼吸器疾患のリスクを高めるPM2.5

私たちの健康に大きな影響を与える空気汚染。特に微小粒子状物質「PM2.5」は、肺に炎症を引き起こし、ぜんそくや肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などさまざまな呼吸器疾患のリスクを高めることで知られている。そんな中、オーストラリア・シドニー工科大学(UTS)の研究チームが、身近な栄養素であるビタミンCがこの有害物質から肺を守る可能性を示す研究結果を発表した。研究は、PM2.5にさらされたマウスや培養されたヒト肺細胞を対象に、ビタミンCの効果を調べる形で行われた。PM2.5はガソリンやディーゼルの燃焼、木材の燃焼、さらに野焼きや砂嵐などによって発生する。特に都市部では慢性的に空気中に存在するため、私たちは日常的に曝露されている。

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ビタミンCが炎症と酸化ストレスを抑制する

研究チームは、PM2.5への曝露によって引き起こされる肺の炎症や酸化ストレス(体内で細胞を傷つける活性酸素の増加)が、ビタミンCによって大幅に緩和されることを確認した。マウスの肺では、PM2.5の影響でミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)が腫れたり断片化したりし、活性酸素の生成が過剰になっていた。しかし、ビタミンCを投与すると、炎症マーカーの上昇が抑えられ、抗酸化酵素(SOD2やGPX4)の働きが回復。ミトコンドリアの構造と機能も保護され、酸化ダメージの連鎖が止まることがわかった。ヒトの肺細胞でも同様の効果が認められている。

1日当たり約1000mgビタミンCを摂取すると効果感有り

UTSの大学院生、シュ・ハク氏は「抗酸化作用を持つビタミンCの補給は、低濃度PM2.5曝露による悪影響を緩和するのに有効であり、リスクの高い人には推奨できる可能性がある」と論文で述べている。また、分子生物学者のブライアン・オリバー教授は「世界中で数億人に影響する空気汚染に対して、低コストで予防的な治療法の希望を初めて示した」と話す。今回の実験で使用されたマウスの投与量を人間に換算すると、約1日1000mgのビタミンCに相当する。これは、成人の推奨摂取量(女性75mg、男性90mg)を大きく上回るが、上限摂取量の2,000mg以内であれば安全とされている。市販のサプリメントには500mgや1000mgの製品もあり、食品でもビタミンCを十分に摂取できる。

ブライアン・オリバー教授は、「空気汚染には安全なレベルは存在せず、肺に炎症を引き起こし、さまざまな呼吸器疾患や慢性疾患のリスクを高める。特に山火事などによる急激な汚染増加は深刻だ」と指摘する。身近な食品やサプリメントで摂れるビタミンCは、オレンジやキウイ、ピーマン、ブロッコリーなどに多く含まれている。まずは食事でしっかりと栄養を確保することが基本だが、空気汚染リスクが高い地域や、呼吸器疾患のある人にとって、医師と相談の上でサプリメントを活用する選択肢も出てくるかもしれない。PM2.5を完全に避けることは難しい現代社会で、私たちの肺を守るためにできることの一つとして、ビタミンCの力に注目が集まりそうだ。

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出典:

New Study Suggests Vitamin C Might Help Your Body Deal With Air Pollution

Vitamin C shields lung cells from common air-pollution damage

This Common Vitamin May Shield Against Air Pollution's Harmful Effects On Lungs, Research Finds

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