〈意外と知らない〉管理栄養士が教える〈ビタミンC〉の役割|どんな働きがある?
健康食品や化粧品など幅広い商品に含まれているビタミンC。 知名度もあり、身体に良さそうなイメージも強いですが、ビタミンCが体内でどんな役割を持っているか知っていますか? この記事では、意外と知らないビタミンCの役割や特徴、豊富に含まれる食品などについて紹介していきます。
ビタミンCってどんな栄養素?
ビタミンCは水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種で、皮膚や腱、軟骨などを構成するコラーゲンというたんぱく質を合成するために必須の栄養素です。
また、強力な抗酸化作用を持つビタミンEなどを再生し体内の酸化を防ぐ役割や、鉄分の吸収を高める効果なども持っています。
ビタミンCの不足や過剰摂取による影響とは
ビタミンCが不足すると、体内のコラーゲンが減少することで血管が脆くなり、出血しやすくなります。
また、ビタミンCが顕著に不足すると、壊血病と呼ばれる病気を引き起こし、出血や貧血、筋肉量の減少、心臓障害などを引き起こします。
他にも、倦怠感や疲労感などの症状を引き起こすことがあり、これらの症状は壊血病に至る前に現れることもあります。
ビタミンCの不足は、野菜や果物の摂取が少ない人や食生活が偏っている人、アルコールの摂取量が多い人や喫煙者などにみられます。
ただし、一般的な生活習慣を続けている場合、不足する可能性は決して高くありません。
また、ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、過剰に摂取したとしても尿中に排泄され、原則過剰症を引き起こすことはありません。
しかし、サプリメントの過剰摂取などにより吐き気や消化管症状などを引き起こす可能性があることは知っておきましょう。
ビタミンCの摂取目標量とは?
ビタミンCの必要量は、「ほとんどの人で体に必要な分が充足できる」とされる「推奨量」という数値で定められています。
ビタミンCの必要量(mg/日)
<男性>※数値は推奨量
18~29歳:100/30~49歳:100/56~64歳:100/65~74歳:100/75歳以上:100
<女性>※数値は推奨量
18~29歳:100/30~49歳:100/56~64歳:100/65~74歳:100/75歳以上:100
2019年の調査では、ビタミンCの平均摂取量は男性91mg/日、女性96mg/日という結果が出ています。
男女ともに推奨量に近いため、体に必要な分のビタミンCはおおかた摂取できているといえます。
ビタミンCを豊富に含む食材とは
ビタミンCは野菜や果物などに豊富に含まれていますが、熱に弱く水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、生で食べられる食品を選択したり、水に触れないように調理(電子レンジなど)することでビタミンCの摂取量を増やすことが重要です。
実際に、我々が普段目にする食品の中で、ビタミンCを豊富に含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
ビタミンCを豊富に含む食材
赤ピーマン(炒め):180 ※数値は100gあたりのビタミンC量(mg)/以下同じ
ブロッコリー:140
キウイ:71
いちご:62
ネーブルオレンジ:60
みかん:33
じゃがいも:28
さつまいも:25
玉露:19
これらの食品にはビタミンCが豊富に含まれているため、普段の食生活に積極的に取り入れましょう。
まとめ
様々な健康効果を持つことから、多くの商品に取り入れられているビタミンC。
その効果にはコラーゲンの合成や抗酸化作用など人間にとって不可欠なものがあることがわかりました。
ビタミンCは一般的な食生活を送っていれば不足するリスクは低いですが、野菜や果物の摂取量不足、喫煙などにより不足し、それにより倦怠感や疲労感を感じる可能性があります。
摂取不足と感じている方、喫煙をしている方などは、食生活や生活習慣を改善し、ビタミンCの充足した生活を心がけましょう。
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