冬への備え|ビタミンCたっぷりの柿茶で体を整えよう|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、こんにちは。二十四節気は「寒露(かんろ)」を迎えました。寒い山々では、いよいよ紅葉が始まっていきますね。今月二十日から十一月六日までは、秋土用(あきどよう)に入ります。季節も体調も移ろいやすいのが、季節の変わり目である土用の時期。自然と調和し、身も心も心地よく過ごすために、この時期に「少食」を心がけることが養生の要といわれています。いつもより腹一分くらい少なめにして、「もう、この辺でいいかなあ」という頃合いでお箸を置いてあげるのがいいですね。
さて、今日注目したい食材は「柿」。柿といえば、今まさに旬真っ盛りの果物です。近所を散歩していると立派な柿の木がたわわになっているのを見かけて嬉しくなります。そうそう、昔のことばで「柿が赤くなれば、医者が青くなる」というものがありますね。医者いらず、と呼ばれるほど栄養価の高い食材は日本にいくつもありますが、柿もそのうちのひとつ。甘くて瑞々しい秋の代名詞であるだけでなく、健康づくりに賢く役立てていきたい大事な果物なんです。
中でも注目したい栄養分として、柿ひとつで成人に必要な一日分を補うことができるビタミンCの含有量の多さがあります。柿のビタミンCはたいへん強力で、私たちの免疫システムを高めてくれる働きをします。風邪の時はビタミンCを、といいますが、風邪には柿を、と言ってもいいかもしれません。また柿のビタミンCは熱に強いため火を通しても分解されず、温めてもしっかり効能があるのが嬉しいところ。そこで、今日は皆さんにご紹介したいものがあります。
それは、柿の葉を煎じて飲む「柿茶(柿の葉茶)」。以前、東洋医学の眼科医さんに「ビタミンCがとにかくすごいから、毎日柿茶を飲むと良い」とアドバイスをもらったことがあります。いくら良いとはいっても毎日果物を食べていると体は冷えやすくなりますので、温かいお茶として柿をいただくのが良いよ、ということなのですが、この柿茶の力がすばらしい。
柿茶はナトリウム、鉄、カリウム、マグネシウムに亜鉛などミネラルの宝庫といわれます。βカロテンや渋み成分であるタンニンなどの抗酸化作用も働き、体の不調や老化を防ぐ役割をしてくれます。仕事などで目を酷使する方は特に、眼科医さんオススメのこの柿茶があると大助かり。目は体の中で最も栄養素を消費する器官で、そのため中でもビタミンCや亜鉛が不足になりがちだとか。目の健康のためにはこれらを意識的に補う必要があります。
柿茶ならば熱につよいビタミンCのおかげで熱々のお茶としていただいても問題ありませんし、お茶であればさっと手軽に柿のふんだんな栄養分を摂取できますから、忙しい方でも嬉しいですよね。これから来る冬に備えてしっかりと「風邪予防」、日々の習慣として「柿茶」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
柿茶のほかにも、余裕がある方はちょっとした和え物の具材として柿を使うのもオススメ。簡単な白和えの具として、うすくスライスした柿、春菊や小松菜など緑の野菜を湯がいて一緒に和えれば、彩りもきれいな美味しいおかずになります。歯ごたえやジューシーさをしっかり愉しみたい方は柿を厚切りにしても良いですね。この秋、ぜひ柿をうまく取り入れてみてくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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