野菜の王様と海の恵みをかけ合わせた、今一番飲みたい味噌スープ|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、こんにちは。「処暑」を迎えて朝夕の暑さはだいぶ和らいできましたが、いっぽうで猛暑日がつづくなど体温調節がむずかしいところ。油断すると足元から体が冷えやすくなっているため、風邪をひきやすいのもこの時期といわれます。朝夕は気持ち厚着にする、サンダルや肩出しを控えるなど、ちょっとしたできることを心がけていきたいものです。
さて、今日みなさんにご紹介するのは、真っ青な?目に映えるもくもく緑の味噌スープ。使う材料は、モロヘイヤと青のりです。どちらも普段の食卓にはやや登場しにくいかな?と思いますが、ぜひ試していただきたいわけをお話しますね。
火を通すと独特のとろみが出るモロヘイヤは、中近東を原産とする野菜。日本では夏になると、夏野菜のひとつとして店頭によく並びます。今がもっとも美味しい旬の野菜です。モロヘイヤはアラビア語で「王様の野菜」という意味が語源。砂漠地帯でも育つ野菜として大切にされ、エジプトでは五千年ほども前から食べられてきたというとても歴史の長い野菜なんです。
モロヘイヤを積極的に摂りたい理由は、その栄養素の高さ。カロテンの含有量は野菜の中でナンバーワンです。ビタミン群も豊富でB、C、Eが含まれますが、特にビタミンB2はほうれん草の20倍ほどもあるとか。カルシウムや食物繊維、葉酸なども含まれます。ぬめりが特徴のモロヘイヤですが、ムチンというこのぬめり成分が夏の間に疲れ切った胃腸などの消化器官の粘膜を保護してくれるんですね。
そんな「野菜の王様」モロヘイヤにプラスしたいのは、青のり(「あおさ」として売られていることが多いでしょうか)。生の青のりが手に入らない方は、おうちにある海苔を代わりに使えばOK。ついつい海藻って食べることを忘れがちですが、日本人が古来から重宝してきただけあって栄養が沢山つまった海の恵みです。ミネラルと食物繊維の豊富さに加え、意外ですが、大豆に負けないタンパク質まで。むくみの解消に効くカリウムや肌を美しく保つためのβカロテン、ビタミンCも含みますので、食べないでいるにはもったいないんですね。
そんなモロヘイヤと青のりをいつものお味噌汁に入れたら、滋養たっぷりの一品の完成です。お味噌の深いコクと一緒になると、思わず笑みがこぼれる幸せの味。モロヘイヤも海苔も味が濃いですが、不思議なほどケンカせずよく調和が取れています。時間が取れないときでも手短に作れる栄養満点のスープですので、夏の間に溜まった疲れを癒したり、季節の変わり目の体調管理メニューとしてもぴったり。ぜひ一度試してみて下さいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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