皮もタネも丸ごと味わえるカボチャを満喫しましょう|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、おはようございます。さあ、十月がやってきましたね。夜の虫の音が心地よい季節。温かく良い香りのお茶とわくわくする本を片手に、静かな秋の夜長は読書の旅に出たいものです。「ここ」にいながら「どこへでも」行けるーーー。読書って素晴らしいですね。読書の秋、皆さんは手に取ってみたい本はありますか?
そうそう、まだまだ本格的な寒さとは程遠いとしても、私たちの体は知らず知らずのうちに冷えてきています。こんな時期は体を芯から温めてくれる黒入り玄米茶やたんぽぽ茶をじっくり煮出していただくのがオススメ。香ばしい匂いとこっくり濃い風味で、植物コーヒーとしても楽しめますよ。カフェインレスなので気にされている方でも安心。
さて十月といえば、ハロウィンを楽しむ方も多いですね。今日取り上げる食材はいかにも単純に(笑)カボチャを。でもね、カボチャの栄養素は無視できないほどたっぷりなので、この機会にぜひ頭の片隅に入れてみてくださいね。まず「βカロテン」という素晴らしい抗酸化物質。私たちの体は「酸化」や「糖化」によってさまざまな不調を招いたり、また老化していったりします。良く老いていくのは大歓迎ですが、わるく老いていくのは止めたいもの。この「βカロテン」、カボチャにはトマトやピーマンの約10倍近くも含まれています。これが実の部分より皮に多いので、調理するときはできれば無農薬のものを買って皮ごといただくのがオススメ。無農薬のかぼちゃが手に入らない場合はホタテパウダーなどで薬をよく落としてから頂いてみて下さい。
野菜の皮は、人間でいうところの肌ですよね。野菜の皮に含まれている皮膚を潤す成分のおかげで、皮膚のトラブルが改善されて丈夫になっていくといわれています。特にこれからは乾燥しがちになったり、季節の移り変わりで揺らぎやすい時期でもありますから、皮ごと積極的に食べると良いと思います。
ちなみに皮ごと食べる、という行為は「ゼロウェイスト」ーーーごみを出さないことでもあります。マクロビオティックでは「一物全体」という言葉がありますが、これは「いのちを無駄にせず丸ごといただく」ということ。特にかぼちゃの皮は分厚く重みもあります。かぼちゃを使うたびにこれを丸々捨ててしまったら、生ゴミとしてはかなりの容量。何より野菜は根から吸い上げた栄養が皮に沢山つまっているのでもったいないですよね。体に良いことは、地球に良いこと。体も地球も、ひと続きなんです。
栄養分の話に戻りますと、抗酸化といえばかぼちゃはビタミンA,C,Eの三大要素をバランス良く含んでいます。さらに不足しがちな鉄分やタンパク質まで補うことができますよ。秋はかぼちゃを沢山いただきましょう!
カボチャのタネは捨てないでくださいね。タネにはリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれているんです。食物繊維を摂ることもできるし、軽いスナックや栄養補給として小腹が空いたときにちょうど良いんですよね。そのまま食べても味が深く美味しいですし、サラダや和物のトッピングとして使うのもオススメ。
タネは取り出したら、水洗いをしてよく拭き、カラカラになるまで天日干しをしてくださいね。オーブンがある方は油をひいて1時間以上焼けば美味しく食べられますし、電磁波を気にする方、じっくり時間のある方はフライパンで乾煎りもできますよ。ぜひ試してみてください。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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