高血圧・脂質異常・喫煙歴がある人の「首のしこり感」|頸動脈を一度チェックすべきサイン|医師が解説
首を回したとき、あるいはふと触れたときに、「ん?なんか硬いものに当たる」「ゴリッとした違和感がある」。そんな経験はありませんか?違和感の正体について、医師が解説します。
首を触るとゴリッ…これって筋肉?それとも血管?
多くの人は、「肩こりの塊かな」「リンパが腫れてる?」と考えて、深く気にしないことがほとんどです。確かに、首まわりには筋肉、リンパ節、唾液腺など、触れると“コリっぽく感じるもの”がたくさんあります。
ただ、見逃したくないのが頸動脈。首の左右を走る太い血管で、脳へ血液を送る“大動脈の支線”のような存在です。
この頸動脈の内側にプラーク(脂のかたまり)がたまってくると、血管が硬くなり、場合によっては触ったときに「いつもと違う感触」として気づくことがあります。
もちろん、触っただけで診断はできませんが、違和感の正体が血管由来の可能性もゼロではない、という点は知っておいて損はありません。
頸動脈狭窄症ってどんな病気?実は“脳梗塞の予告編”
頸動脈狭窄症とは、頸動脈が動脈硬化によって細くなっていく状態のこと。血管の内側にプラークがたまることで、血液の通り道が狭くなります。
怖いのは、ほとんど症状がないまま進むこと。首に違和感が出る人もいますが、多くは自覚症状ゼロ。
そしてある日突然、
・一時的に片側の手足がしびれる
・言葉が出にくくなる
・視界が欠ける
といった一過性脳虚血発作(TIA)や、脳梗塞を起こして初めて見つかることも少なくありません。
特に注意したいのは、以下が当てはまる人。
☑︎ 高血圧
☑︎ 糖尿病
☑︎ 脂質異常症
☑︎ 喫煙歴がある
☑︎ 50歳以上
頸動脈狭窄症は、首だけの問題ではなく、全身の動脈硬化が進んでいるサインでもあります。
「首の違和感」がある人は、どこまで調べるべき?
では、首にゴリッとした違和感を感じたら、すぐ検査が必要なのでしょうか?
結論から言うと、違和感+動脈硬化リスクがある人は、一度チェックしても損はありません。
頸動脈の評価には、超音波(エコー)検査がよく使われます。痛みもなく、放射線も使わず、短時間で血管の状態やプラークの有無がわかる、比較的ハードルの低い検査です。
受診の目安
- 首の違和感が続く
- 左右差がある
- 脈を打つような硬さを感じる
- 動脈硬化の持病がある
こんな場合、内科や循環器内科、脳神経内科で相談してみてください。
一方で、
・触ると動く
・痛みがある
・数日で変化する
といった場合は、筋肉やリンパ由来の可能性も高く、経過観察で問題ないこともあります。
大事なのは、「何となく変だな」という感覚を放置しないこと。違和感は、体からの“予告メッセージ”かもしれません。
まとめ:首の小さな違和感が、脳を守るきっかけになることも
首に触れたときの「ゴリッ」という感触。それが必ずしも血管の病気とは限りませんが、頸動脈狭窄症という可能性を知っているかどうかで、その後の行動は変わります。
頸動脈狭窄症は、症状が出たときには進んでいることも多い病気。だからこそ、以下の2つが重なる人は、早めのチェックが将来の脳梗塞予防につながります。
- 違和感が続く
- 動脈硬化のリスクがある
首は、脳へ向かう“生命線”。たまには自分の首に触れて、違和感がないか、気にかけてみてください。その小さな気づきが、大きな病気を防ぐ一歩になるかもしれません。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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