PTSD、パニック、うつ症状…兵士が抱える「心の傷」を癒すヨガ【ヨガハワイマガジン】
ヨガを練習する軍人たちの多くは、対処法を薬からヨガマットに変えてから、大きな変化を感じている。ヨガで平穏な気持ちになれるだけでなく、心身のストレスからも解放され、身体的、心理的な苦痛が訪れても向き合えるようになった。ある意味ヨガは、兵士たちが戦いのための訓練で得た「平静さを保って分析し、集中力を保ち、難局を解決する」というスキルを磨く練習でもある。
ヨガで意識や気づきを高まると、身体や心とより強く繋がるようになり、心身を制御する感覚が養われる。さらに、自分の身体や思考を制御する練習は自信や安心を生み出す。PTSDとは、長期にわたって、あるいは突然に危険や脅威を感じる経験に晒されることで起こる不安障害をいう。ストレスに対し交感神経と副交感神経の反応が起こり、神経系がフリーズする状態だ。この障害を治療する処方薬とは異なり、ヨガの鎮静効果はその神経系のフリーズ状態を解くと言われている。ヨガで行うストレッチと深い呼吸が、凍りついた神経系をほぐす効果を生み出すのだ。
複合的な理学療法として現役兵士たちに数ヶ月間ヨガを教えていると、呼吸法、瞑想、意識的な動きを取り入れた定期的なヨガ練習が、どれほど兵士たちに精神的なリラクゼーションをもたらすかがよくわかります。
ヨガがもたらすもう一つの健康的な成果は、軍人同士の練習で生まれるコミュニティだ。ヨガを通じて他の退役軍人や民間人のグループとの絆や密接な関係を築くことができるのだ。
「ヨガクラスは「本当のティミー」でいられる数少ない場所なんだ」とティモシー・トンプソン軍曹は言う。
「練習自体や、ヨガの本質とか、一緒に練習をする人たちから感じるエネルギーとか活気とか……うまく言えないが、とにかくヨガをしていると幸せな気分になるんだよ。練習でのみんなの笑顔や、温かい挨拶とか、アーサナがやっと上手くできた時の嬉しさのせいかもしれない」とトンプソンは続けた。
互いに理解し、励まし合える他の退役軍人や民間人たちと心地良い繋がりを育み、体験を分かち合えることが、この退役軍曹の癒しの旅に大きなサポートをもたらしている。
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