むくみ・生理痛・冷えに効く「血海」「曲泉」—女性にうれしいツボの押し方ガイド

むくみ・生理痛・冷えに効く「血海」「曲泉」—女性にうれしいツボの押し方ガイド
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西川尚美
西川尚美
2025-11-17

『曲泉』のツボには「気血が泉のように集まる」という意味が込められており、特に肝臓と生殖器・泌尿器系に関わる様々な症状に用いられます。別名「肝の泉」!生理痛やリラックスに効くツボです。『血海』は血のめぐりを調整する要所。血の集まるところ。美容面では、むくみや美肌効果、リフトアップのサポート、そして、肌荒れやくすみの改善にも良いとされています。

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東洋医学における経絡とツボの定義

「ツボ」とは、東洋医学において病気の予防や治療に効果があるとされる体表面の特定部位のことで、正式には「経穴(けいけつ)」と呼ばれます。

『経絡(けいらく)』:体内に張り巡らされている、生命エネルギーである「気(き)」や血液である「血(けつ)」が巡る通路のこと。内臓(臓腑)と体の表面を結ぶ、情報伝達ネットワークのような役割を果たします。

『ツボ(経穴)』:この「経絡」上に点在し、「気や血が出入りする場所」「経絡が合流・分岐する重要ポイント」と考えられています。体内に不調が生じると、その反応がツボに痛み、硬さ、冷え、しこりなどの形で現れるといわれています。

ツボを刺激することで経絡の流れが整い、その影響が内臓や全身に及ぶことで体調が改善されると考えられています。

曲泉と血海の場所・位置

『曲泉』:膝の内側にあります。膝を曲げたときにできるシワの内側の端(先端)、太い骨(大腿骨)の際にある最もへこんでいる部分です。

曲泉
イラストAC

『血海』:膝のお皿(膝蓋骨)の内側の上端から指幅3本分ほど上、太ももの内側にある筋肉(大腿四頭筋内側)のくぼみにあります。押すと少し痛みや圧痛を感じるポイントです。

血海
イラストAC

<主な効果・効能>

▪️「曲泉」(きょくせん) 足の厥陰肝経(あしのけついんかんけい)に属するツボで、「肝」の働きを整えるうえで重要とされています。

・肝の調整・精神的な安定(不安定さ、イライラ、怒りっぽさの緩和)
・めまい、頭痛
・月経不順や月経前症候群(PMS)
・子宮筋腫などの婦人科系疾患
・遺精、外陰部痛などの生殖器系トラブル
・排尿困難などの泌尿器系症状
・関節痛
・膝の内側の痛み、すねの痛み、大腿内側〜股にかけての痛み
・その他:冷え性、消化器症状、全身の倦怠感 など

▪️「血海」(けっかい) 足の太陰脾経(あしのたいいんひけい)にあり、「脾」(消化吸収・水液代謝・血の統制を司る臓腑)と特に関係が深いツボです。

・婦人科系症状の緩和(生理痛、生理不順、月経困難症、冷え性、子宮筋腫)
・更年期障害の諸症状
・血流改善・代謝促進(貧血の改善)
・冷えやむくみの解消
・肩こりや腰痛(血流停滞によるもの)
・美容効果(肌荒れ・くすみの予防、美肌、顔のむくみの軽減)
・変形性膝関節症などの膝痛の緩和

<刺激の仕方>

1、膝を折って座り、膝の折り目の先端(曲泉)を押します。

曲線おし
photo by naomi nishikawa

2、膝の折り目の先端から内側に指3本分ほどの位置(血海)を、腕を使ってローリングしながら心地よい強さでゆっくり押します。

血海
photo by naomi nishikawa

3、肘の先端で押したり、前腕でローリングしたりして、曲泉と血海をまんべんなく刺激します。

血海押しローリング
photo by naomi nishikawa

刺激を続けると、身体がだんだんポカポカしてきます。お灸も効果的です。曲泉は自分でも押しやすい位置にあるため、日々のセルフケアに取り入れるのもおすすめです。

<注意が必要な場合>
以下に該当する場合は、事前に専門機関へ相談のうえツボ押しを行ってください。

・食後すぐ(30分〜1時間):消化のための血流が妨げられ、消化不良の可能性がある
・飲酒後:血行が促進されすぎ、酔いが回りやすい、体調急変の可能性
・高熱時:体力が低下しており、負担になる可能性
・皮膚に異常がある部位(傷・湿疹・炎症・腫れ・赤みなど):症状悪化の可能性
・重篤な疾患がある場合(心臓病、がんなど):必ず主治医へ相談
・妊娠中:流産・早産の引き金となるツボ(三陰交など)があるため

自己判断せず、必ず医師や鍼灸師などの専門家に相談しましょう。

※この記事は一般的な健康情報であり、治療を目的としたものではありません。体調に不安のある方は医療機関にご相談ください。

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