【ただ押すだけで落ち着く】更年期のホルモンの仕業…イライラ、怒りをしずめる「合谷のツボ」押し方

 【ただ押すだけで落ち着く】更年期のホルモンの仕業…イライラ、怒りをしずめる「合谷のツボ」押し方
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西川尚美
西川尚美
2025-01-20

ツボとは東洋医学の考えに基づいて、体内に存在するとする経絡(けいらく)という「」気の流れる川」上に存在する経穴(けいけつ)のこと。「気の出入り口」の役割があります。経穴は、気の川の重要なポイントで、経絡上の気血流を管理するといわれます 。気が詰まったり、少なすぎたり、多すぎたりするとツボ周辺が硬くコリコリになったり、ヘナっと弱くなったりという現象が生じます。今回は筆者が実際に効果を感じたツボをご紹介いたします!

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ツボの効果はさまざま

身体のあちこちにあって、押すとアイタタタ!っといた痛み感覚のあとにとっても気持ちよくなるお馴染みの「ツボ」。

学生時代、部活後に手の甲の「合谷」のツボを押していませんでしたか? 「合谷」(ゴウコク)は、さまざまな症状に効くことでも有名です。どのくらい効くのかというと「四聡穴」という、『手足の4つのツボで全身の治療ができる』という素晴らしい4つのツボが定められていますが、そのうちの1つがこの合谷のツボです。手の陽明大腸経絡にあるツボです。

大腸を良くする気の川の上にあるので、便秘や下痢、大腸の不具合にもよく効きます。合谷の名前の由来は、母指と示指を合わせると肉が山の峰のように盛り上がり、その2つの山の谷が合わさる場所にツボがあることから「合わさる谷」となりました。

十四経発揮 経絡図
十四経発揮 経絡図

<わかりやすい一般的な効果>

痛み、痺れの抑制
頭痛、歯痛、目の疲れ、鼻づまりなどの頭部や顔面の症状の改善
慢性的な肩こりや腰痛、寝違えなどの筋骨格系の不調の改善
自律神経系の乱れを整える。具体的には交感神経の興奮を抑え、副交感神経を働かせ、
ストレスによる不調の緩和
イライラや緊張の緩和、気分の落ち着き
血圧の低下
リラックス効果や集中力アップ

<更年期のイライラに効く理由>

自律神経の失調にとってもよく効きます。心身の痛みを緩和するのに役立ち、怒りの感情による頭部の熱さ、つまる感覚、おでこ(前頭葉あたり)に一気にのぼるカッとした熱を冷やします。胸がぐっとつまる感覚でイライラする時も、このツボで精神を鎮静させることで冷静さがもどり、心がすっきりハッキリしてきます。このツボを押して、強く立ち上がる厄介な炎のような感情である怒りやイライラの身体感覚に気づき、冷却していきましょう。深呼吸することも忘れずに。

<ツボの押し方>

ツボ押しの基本は4秒間押さえて、同じ4秒でゆっくりと指を離していきます。「痛気持ち良い」くらいまでの刺激で抑えて、押さえているときは深呼吸も意識するようにしましょう。

特にこのツボの押し方としては、手の甲側の人差し指の4番目の骨、「中指骨」の外側を骨に向かって押すことがコツとなります。

<探し方>

筆者は、実は最初、人差し指と親指の骨の丁度、三角の頂点あたりの谷間がツボだと思って長年押していました。特効穴の割には効かないなあ、、、と思っていました!
本当は、ちょうど谷間、ではなく、中指骨の真ん中ぐらいの位置です。親指側(外側)から骨に向かって押してみてください。押しながら、押した方の肩凝りが軽くなったら、当たりです。
人差し指で押す方法、親指で押す方法があります。

中指骨
Photo by Naomi Nishikawa 

探してみてください。必ず効く場所が見つかります。人によって微妙に場所が違う、というポイントが東洋医学的、と理解してください。
そこがまた「ツボの名手」や「神の手」という言葉が生まれてくる面白いところです。ご自身の「神の手」となりましょう!

ツボ押し
Photo by Naomi Nishikawa 

<ポーズとともにツボを押すやり方>

1、足を腰幅に開きマットに立ち、後ろ手に、まずは左の合谷を右手親指で押し、右手全体で左手を掴む

立ち姿
Photo by Naomi Nishikawa 
掴む手
Photo by Naomi Nishikawa 

2、股関節から屈曲し、上体を前方に倒し、前屈します。そして、後ろ手に掴んだ両手を天井に持ち上げる

おじぎ
Photo by Naomi Nishikawa 
ツボ刺激
Photo by Naomi Nishikawa 

3、深呼吸をして、気持ち良い間ポーズを保つ。逆手も行なってください。そしてそれを2、3回繰り返します。

もし、肩周りに余裕があって、その両手が真っ直ぐ上からもっと前方に倒せるようなら、頭の前方まで倒し、肩周辺もストレッチしましょう。手が離れそうになるところをぐっと強く掴もうとするので、よりツボに刺激が起こります。

ツボ深い刺激
Photo by Naomi Nishikawa 

ただし、気持ち良い範囲で行なってください。深呼吸をしましょう。強ければ強いほど良い、というわけではありません。一回行うごとに鎮静してきたか観察してください。

「こうべを垂れる」ことで謙虚さが戻り「頭に血が昇る」という感覚が落ち着いてきます。怒りという感情は自分の心を擦り減らす、厄介な感情。特に更年期のイライラはホルモンの仕業。こんなにイライラする自分じゃなかったのに、と自己嫌悪にもつながります。感情とは消えゆくもの、そんなうつろうもので自己嫌悪になったらもったいない。このツボをうまく使って、自分を助けてあげましょう!

このポーズ、ついでに腰痛も解消しちゃうのがお得な嬉しいポイント。ツボ押しは本当に嬉しいことばかりです。

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